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身体を横に反らす(Turning the side):犬のカーミング・シグナル(2)

身体を横に反らす(Turning the side)

  • 犬同士が近づいたとき視線を避けるように身体を横に反らす行為
  • 自分の脇腹を相手に見せ相手に対して敵意がないことを表す
  • 人間の言葉に置き換えれば「こんにちは!」
使用頻度★★★★★

カーミング・シグナルとは

犬たちはほかの犬や人とのコミュニケーションにおいて視覚的・身体的なサインであるボディランゲージを通じて自らの感情や意図を伝える能力を持っています。

ボディランゲージの一種

その一つが「カーミングシグナル」(calming signals)と呼ばれるボディランゲージです。

カーミングシグナルは他者とコミュニケーションを図るために犬たちが使う自然なボディランゲージで自分や相手を落ち着かせるための「平和のサイン」です。

ノルウェーのドッグトレーナーであるTurid Rugaas(トゥーリッド・ルガース)氏により犬のボディランゲージのうち27~30種類がカーミングシグナルであると定義されました。

このカーミングシグナルは犬の行動学において重要な要素とされています。

平和のサイン

カーミングシグナルはおもに犬がストレスを感じた時や緊張状態にあるとき自分や相手の感情を落ち着かせるために使用されます。

緊張状態を軽減し相手との衝突を避けるために使われるボディランゲージの一種です。

犬同士のあいだのみならず飼い主を含む人間や犬以外の動物に対してもこのカーミングシグナルを通じて平和的なコミュニケーションを試みます。

「身体を横に反らす」の意味

犬の「身体を横に反らす」という行動は相手に対して「自分は敵意がない」、「争うつもりはない」というメッセージを伝えるためのカーミングシグナルです。

目と目があったら喧嘩の合図

このシグナルは犬が「正面ら向き合う」ことによって相手を不安にさせたり威圧的な印象を与えたりするのを避けるために行われます。

犬の世界では正面から相手を見ることは相手に対する挑戦的な態度とみなされ相手の犬から攻撃を受けることもあります。

このため、犬は身体を少し横にずらして正面を避けることで相手にとって自分は脅威ではなく友好関係を築きたい意思があるということをアピールします。

弱点をさらすことで信用を得る

Suzyはカーミングシグナル「身体を横に反らす」のことを飼い主さんたちには「相手に脇腹を見せる」という言い方で説明しています。

脇腹は犬にとって「急所」です。

相対する犬に対してその「急所」を自ら差し出すことは弱点をさらけ出す行為です。

相手が噛みつきやすい状態になるというリスクを冒してでも相手の信頼を得たいという気持ちの表れなのです。

緊張している相手への配慮としても

また、この行動は相手の犬が緊張や不安、敵対心を示しているときに、こちらには敵意がないことや相手を受け入れている気持ちを示して最初に相手を安心させるためにも使われます。

相手に対する友好的な姿勢を示し争いや緊張を回避するための手段として「身体を横に反らす」というカーミングシグナル(ボディランゲージ)を使いこなせる犬は「器の大きな犬」として犬社会で一目置かれる存在になります。

具体的なシチュエーション

「身体を横に反らす」という行動はさまざまな場面で観察されます。

犬たちが具体的にどのような状況で「身体を横に反らす」シグナルを発するのか、いくつかの典型的な状況を見てみましょう。

  1. 初対面の犬同士
  2. 怒っている飼い主に対して
  3. 知らない人との接触

1. 初対面の犬同士

散歩中に他の犬と初めて出会ったとき自分の犬が相手に対して身体を横に向けることがあります。

これは「私はフレンドリーです。争うつもりはありません」という意思表示です。

相手の犬も緊張しているかもしれないため双方の犬が相手の様子を観察し、穏やかに挨拶を交わすためにこのシグナルを使います。

2. 怒っている飼い主に対して

飼い主が少し強い口調で犬を叱った際にも犬が身体を横に反らすことがあります。

この場合、犬は「争いを避けたい」「自分は敵意がない」という意思を示し飼い主の怒りを和らげようとしています。

3. 知らない人との接触

犬が知らない人と初めて会うときや慣れない相手と会うときその人に対して身体を横に向けることがあります。

これは「警戒しているが敵意はない」という気持ちを表したもので自分の安全を確保しながら相手を観察しているのです。

まとめ:理解と対応

「身体を横に反らす」というカーミングシグナルは自分の緊張や不安、相手に対して敵意がないことを伝えるために使われる大切なボディランゲージ(犬語)です。

愛犬がカーミングシグナルを出しているとき飼い主は愛犬の気持ちを尊重した対応をすることが求められます。

また、ほかの犬がこちらに対してこのシグナルを使ってきたときも相手の犬の気持ちを尊重した対応をすることが大切です。

犬のカーミングシグナルを正しく読み取るスキルを身につけて、日常生活のなかでこうしたサインに気づき、犬の気持ちに寄り添うことが愛犬とのより良いパートナーシップの構築につながります。

カーミングシグナル全30種一覧

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Shizuka “Suzy” Ishida

Shizuka “Suzy” Ishida

2005年より東洋思想をベースにした「ごほうびにオヤツを使わない犬のしつけ方」を提唱。吠える・噛むの問題を抱えた小型犬のしつけを得意としていますが、保護犬の心のリハビリもしています。当サイトで提示しているしつけ方法はすべての犬に100%当てはまるものではありません。性格や状況によって対処方法はさまざまです。お試しになる際はあらかじめご理解のうえお願いいたします。

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