飼い主と愛犬の認知行動療法家
私が飼い主さんたちにお伝えしている「犬のしつけ」は、オテ・オスワリ・フセ・マテ・コイ・ツケといった「動作」を教えることを目的としていません。
これらのコマンドによる合図がなくても、犬自身が「自ら考えて飼い主さんが困ることをしない犬」になるための「犬のココロの育て方」をお伝えしています。
そして、この方法をを飼い主さんに習得していただき、飼い主さんがどんな場面でも愛犬の行動に適切に対処できるようになることを目的としています。
私がすることはただ一つ、飼い主さんとその愛犬の関係を見直してお互いの心のボタンの掛け違っているところを見つけ、これを修正していく作業のお手伝いをすることです。
この取り組みの成功には飼い主さん自身の意識や物事のとらえ方、取り組み姿勢がとても重要になってきます。
飼い主が扱いに困って捨てられてしまう犬が1頭でも減ることを願って、一人でも多くの方に犬という生き物のものの考え方を知ってもらい、愛犬と心のかよう関係をつくるお手伝いをしてきました。
2005年より活動をスタートし、千葉県内の県立公園や、関東近郊のドッグイベント会場での教室開催、プライベートレッスンなどを通じて、これまでに延べ8000頭を超える犬とその飼い主さんたちに「ごく普通の飼い主が愛犬に必ず教えるべき本当に必要なしつけの基礎」を教えてきました。
これからも、変わらぬ志をもって活動していきたいと思っています。
2022年11月30日
石田静香(Shizuka “Suzy” ISHIDA)
なぜ、認知行動療法家?
飼い主さんが「犬」の物事のとらえ方・考え方を知らないまま愛犬の行動を人間と同じ基準で判断することによって、お互い(またはどちらか)が辛い思いをしているために愛犬との暮らしが上手くいっていないということが少なくありません。
「犬はどのように物事を判断して行動しているか?」について理解し飼い主自身がその状況を正しく読み取れるようになることが「犬のしつけ」であると考えます。
犬のことばを理解しよう
犬たちには「犬のことば」があるということは、すでにご存じかと思いますが、ここで改めて犬たちのことば「犬語」について、まとめてみたいと思います。 犬の言葉は世界共通! 私たち人間の世界では国によって使う言語が異なり、ほかの国へ行くと翻訳ツールがなければさっぱり言葉が通じません。それどころか...
家庭犬が生活の場面において出会う出来事に対して過剰反応することによってストレスを溜め、その結果として表している行動が、飼い主の目には「問題行動」に映ることがあります。
困った行動をやめさせたい
愛犬のとる行動のうち、飼い主さんが困って辞めさせたいと思う行動には以下のようなものがあります。どれもこれも、犬という生き物が生まれながらに備えている行動でありながら、人間社会の中では困った行動になってしまうものです。 噛む 「噛む」という行為は犬にとっては当たり前の行動ですが、人間社会で...
こんな経験はありませんか?
犬を家族の一員に迎えたからには、きちんとしつけをしてあげたいと思い、たくさん本を読んだり、ネットで調べたりした。 パピークラスに通って、お手もオスワリもできるようになった。 でも、日常生活では、チャイムに吠えまくり、散歩では引っ張ったり、拾い食い、ほかの犬と仲良くできない…。 ...
犬の思春期:行動や性格の変化について知る
犬にも思春期があるって知っていますか? 犬は生後6カ月あたりから思春期に入ります。子犬のときとは心も体もおおきく変化していきます。飼い主はそのことを念頭において愛犬への対応の仕方を変えていく必要があります。 愛犬が我が家にやってきたばかりの頃は… 生後2カ月足らずでお家にやって...
この問題を解決するためには犬自身の行動(生活)範囲を広げ、より心豊かな犬生を送れるよう飼い主が手助けすることも必要です。
苦手な相手や物事があっても過剰に反応せず適切に対応できるような感情のコントロールを、犬自身が身につけられるよう援助していくことも行っていきます。
犬の「感情のコントロール」とは
犬の「感情のコントロール」とは、前頭前野の抑制機能(我慢する心)のことを言います。つまり、反応抑制や自己抑制の機能を高めることです。 前頭前野の抑制機能が低下していると… これは非常に高度な脳の機能で、この機能が低下していると、ちょっとしたことに反応してすぐ吠える キレ...
感情を冷静にコントロールする能力(自己抑制機能)を育む
Suzyが提唱する「犬のしつけ」はエサを使ってコマンドに従うことを重視していません。犬自身の自己抑制機能(自制心)を養うことと、飼い主が犬のことばを正しく理解することを重要視し、これらの能力の向上に取り組むことを目的としています。「自己抑制機能を鍛える」と聞くとどんな...
このように、“ドッグトレーナー”と聞いて一般的に人が思い浮かべる訓練(オスワリやフセなど)をすることではなく飼い主とその愛犬の双方が持っている「認知のゆがみ」を正すことを目的としていることから(人間の精神療法としての認知行動療法の専門家ではありませんが)「飼い主と愛犬の認知行動療法家」と名乗らせて頂いています。
オリエンタル・メソッドによる犬のしつけ方と欧米式トレーニングのちがい
オリエンタル・メソッドによる犬のしつけ方と欧米式トレーニングのちがい
犬のしつけは、愛犬との生活をより楽しく充実したものにするために欠かせないものです。しかし、多くの飼い主さんたちが「何を」「どのような方法で」教えれば良いのかということに、悩んでいるのではないでしょうか。日本では2000年頃より、ご褒美にフードを与えて行う「欧米式ドッグトレーニング」が...
Doのトレーニングか?Beのトレーニングか?
犬との生活をより充実させるためには、適切なトレーニングが欠かせません。犬のトレーニングにはさまざまな方法がありますが、大きく2つのカテゴリーに分けられます。それは「Do」のトレーニングと「Be」のトレーニングです。 Doのトレーニングとは 「Doのトレーニング」とは、犬に具体的な...
「飼い主が困ることをしない犬」の育て方
前回は、『「飼い主の指示に即座に従う犬」の育て方』について解説しました。多くの飼い主さんたちが、「飼い主の指示に即座に従う犬」にしつけたいと考えていたのでしょう、当サイトにおいてアクセス数の高い人気記事のひとつとなっています。だいぶ間が空いてしまいましたが、今回は「飼い主が困...
資格
- 愛玩動物飼養管理士1級(No. 122110583)
- ドッグライフカウンセラー(No. 77099)
- 日本心理学会認定心理士(第67235号)
- 第1種教職免許状
所属
特定非営利活動法人PAL(パル)
団体立ち上げのときからメンバーとして参加しています。Total Health Care 3C Dogs
上記のPALメンバーの一人が開業している都内のドッグスクール(出張レッスン形式)です。
コマンドによる訓練にとらわれず、心と身体の面からのアプローチも含む統合的なセッションを行なっています(Suzyがとてもお世話になっています)。
3C Dogs Presents:パックウォーク・ワークショップ
『ベイタウン・パックウォーク』 レッスンの卒業生さんや保護犬の里親さんたちから長いこと開催のリクエストを頂いてきた「パックウォーク」ですが、10年以上前に米国から日本に「パックウォーク」を初めて導入した3C Dogsのくまこさんのご協力を得て、2024年6月より不定期に開催しています。 コメント...
略歴
1998年大学卒業後、ソフトバンク株式会社に入社。
出版事業部で雑誌広告の営業とニュースサイトの記者として働くも、2003年にチワワの子犬「ぽこちびた」を飼い始めて育犬ノイローゼとなり、犬のしつけについて世界中のメソッドを研究。
ぽこちびた
子どものころからの念願を叶えて私が初めて飼った犬が、チワワの「ぽこちびた」でした。 はじめは「ポコ」という名前をつけ、ブリーダーさんに伝えて覚えさせてもらい、我が家へ来て半年ほどたったところで、夫が「やっぱり、名前はちびたがいい」と言い出したので、「ぽこちびた」に名前を変えることになりました。 ...
犬は「もともと自分の群れのために役に立ちたいと考える生き物」であり、犬に飼い主の役に立ちたいという気持ちが芽生えれば、「自発的に飼い主の困ることをしなくなる」という考え方に出会い、それまでプロのマンツーマンレッスンを受けて訓練を続けても直らなかった愛犬のしつけの問題がすべて解決した経験をもち、プロの訓練士がイメージする「犬のしつけ」と一般の飼い主が求める「犬のしつけ」には大きな乖離があることを実感。
同じ志をもつ仲間たちと出会い2006年にPALを結成(2008年NPO法人化)し、おもに地元千葉の県立公園の委託事業として「愛犬との暮らし方教室」を開催。
非特定営利活動法人PAL(パル)
People and Animal’s Life society: PAL 2006年に同じ志をもつ仲間が集まり任意団体PAL(パル)を設立。『PAL(パル』はPeople and Animal’s Life society の頭文字をとって名付けられました。2008年2月3日には...
青葉の森公園:愛犬との暮らし方教室
出張プライベートレッスンは、ちょっと敷居が高いな~。そこまで問題があるわけじゃないし… という方も少なくないと思います。また、 自宅に知らない人が来るのは、ちょっと抵抗がある… という方もいるでしょう。そんなときは青葉の森公園の「愛犬との暮らし方教室」への参加をお勧めしています...
ご褒美のオヤツがなくても飼い主の存在自体がご褒美となり、身ひとつで愛犬と意思疎通できる関係を作るメソッドを、これまでに延べ8000人を超える愛犬のしつけに悩む飼い主たちに提供し、多くの飼い主の困りごとを解決に導く。
オヤツを使ったトレーニングの問題点5つ
犬のしつけの本を読むと、ほぼ100パーセントの確率で「ご褒美にオヤツをあげましょう」と書いてあります。オヤツを使ったトレーニングは犬のモチベーションを高め、効率的に学習を進めることができる有効な方法のひとつです。 オヤツを使ったトレーニングの問題点5つ しかし、いくつかの問題点も存在する...
年表
2003年
- チワワの「ぽこちびた」を飼い始めたところ、噛む・吠える・歩かない・体が弱いことが発覚
- 当時出版されていたあらゆる犬の雑誌やしつけ本を読み尽くしてしつけに挑戦するも全くうまくいかず、育児ノイローゼならぬ育犬ノイローゼとなる
- 会社を退職し、犬のしつけに関する世界中のメソッドの研究をスタート
ぽこちびた
子どものころからの念願を叶えて私が初めて飼った犬が、チワワの「ぽこちびた」でした。 はじめは「ポコ」という名前をつけ、ブリーダーさんに伝えて覚えさせてもらい、我が家へ来て半年ほどたったところで、夫が「やっぱり、名前はちびたがいい」と言い出したので、「ぽこちびた」に名前を変えることになりました。 ...
2005年
- 「犬の頭がグングンよくなる育て方」に出会い、そこに書かれていたしつけ論に沿った方法を実践することで、それまで長らく悩んでいた愛犬の問題がすぐに解決したことから「ドッグライフカウンセラー」の資格を取得する。
- ドッグライフカウンセラーとしてスーパードッグカーニバルや企業(Panasonic、朝日新聞社ほか)主催のペットイベント会場にてしつけ相談や教室を開催。
- ペットシッター「ペットのおるすばん・いしだ」として活動開始(夫の転勤同行に伴い2008年に閉業)。
犬の頭がグングンよくなる育て方
キャッチーなタイトルですが、これは犬の頭をよくする本ではありません。飼い主が犬の気持ちを知ることの大切さと、犬の気持ちを知るための具体的な方法を紹介している本です。この本を読めば、「目の前のわが子(愛犬)を見て、今どのような対処をすればよいか」が分かるようになります。これまで...
ドッグライフカウンセラーとは?
「ドッグライフカウンセラー」とは、犬の健康、食事、病気、ケガ、法律、しつけ、マナーの守り方など、犬に関するあらゆる方面について十分な知識をもち、飼い主により快適な犬の育て方、暮らし方をアドバイスできる人物であることを「社会動物環境整備協会(SES)」が認定する資格名称のことです。...
2006年
ドッグライフカウンセラーの仲間たちと地域でより機動的に活動するための任意団体としてPALを結成(2008年にNPO法人化)し、おもに千葉の県立公園の委託事業として「愛犬との暮らし方教室」の開催を始める。 (例:千葉県立青葉の森公園)
非特定営利活動法人PAL(パル)
People and Animal’s Life society: PAL 2006年に同じ志をもつ仲間が集まり任意団体PAL(パル)を設立。『PAL(パル』はPeople and Animal’s Life society の頭文字をとって名付けられました。2008年2月3日には...
2007年
愛玩動物飼養管理士1級を取得。
2008年
スカパーで『ザ・カリスマドッグトレーナー〜犬の気持ちわかります〜』を観て、アメリカにも東洋思想的な考え方で犬のしつけをしている人物(シーザーミラン:Cesar Millan)がいることを知り、国内で観ることのできた全ての番組を観て分析。
シーザーミラン(Cesar Millan)
ハリウッド映画に出る犬の訓練士を目指してアメリカに不法入国をしたメキシコ人、シーザーミラン。アメリカ入国後にサンディエゴでグルーマー(トリマー)として働いているときに、メキシコの犬と比べて、アメリカの犬たちは犬らしく生きることができずに強いストレスと生きづらさを抱えて生きていることを知り、家...
2012年
- 出産を機に「人間の子どもの育児書」を読み始め書かれている内容が自分の提唱している「犬のしつけ」とほぼ一緒であることを知り、「日本人が取り入れやすい犬のしつけ(=東洋思想をベースにした犬のしつけ)論」を体系化することを志す。
- NPOとしての活動以外にも訓練業の動物取扱責任者としての個人活動を開始。
カイロス・ドッグトレーニングの由来
カイロスギリシャ語(ラテン文字転写:Kairos)⒈ チャンス(機会)を表す男性神好機はすぐに捉えなければ、後から捉えることは出来ない⒉ 時間感覚のうち、人間の主観的・内面的な時間を表す概念(質的なもの、決定的な瞬間)...
オリエンタル・メソッドによる犬のしつけ方と欧米式トレーニングのちがい
犬のしつけは、愛犬との生活をより楽しく充実したものにするために欠かせないものです。しかし、多くの飼い主さんたちが「何を」「どのような方法で」教えれば良いのかということに、悩んでいるのではないでしょうか。日本では2000年頃より、ご褒美にフードを与えて行う「欧米式ドッグトレーニング」が...
非認知能力を育てるしつけ
「スワレ」「マテ」「フセ」「ツケ」「コイ」などのいわゆる5動作などとは別に、競技の成績だけでは見えてこない能力というものが犬にも存在するということは、犬と暮らす誰もが感じていることだと思います。それは、コミュニケーションスキルであったり、自分を律する能力であったり、先を予測して自分の行動を決...
2018年
- 放送大学で心理学系科目の履修を開始。
- ぽこちびたが15歳11カ月でお空へ帰る。
2019年
- オーストラリアのクィーンズランド州で「東洋思想をベースにした犬のしつけ教室」を開催。あらゆるトレーナーのレッスンを受けても問題行動が改善しなかった現地の犬たちの問題行動を解決して多くの飼い主から好評を得る。
- オーストラリアの犬の保護活動状況を視察。
- 帰国後、保護活動(の手伝い)をスタートし保護された犬が一般家庭に馴染むための心のリハビリを実施(保護活動の様子はインスタグラムkairosdog40040で紹介)。
RSPCA in Cairns
4月4日の午前中は、ケアンズにあるペットのレスキュー団体の施設を訪ねることになりました。1件目は、ケアンズ空港のすぐ裏手にある、RSPCAの施設を訪ねました。マネージャーのロブさんが、STAFF ONLYの場所まで施設の中を丁寧に紹介してくれました。数年前に億...
YAPS
本日(4月4日)、2件目に訪問したレスキュー団体はYAPS です。RSPCAとYAPSが、ケアンズ地域のペットレスキューにおける二大巨塔なのだそう。施設のクオリティーのあまりの違いに驚きましたが、RSPCAも遺産の寄付があるまでは同じようなクオリティの設備だったそうです。田舎...
2020年
新しい飼い主を探すために宮古島からきたタラが家族と仲良くなりすぎて我が家の2代目犬に就任する。
タラ(TARA)
タラ(TARA)男の子雑種(宮古島犬)年齢:不明(おそらく2016~2017年頃生まれ)出身地:沖縄県多良間島特技:カーミングシグナルの達人(犬)好きなもの:ナデナデ・ごはん・ドライブ・おさんぽ嫌...
完成!紙芝居『多良間島からきたタラ』
多良間島からきたタラ 1月からコツコツと描いてきたタラちゃんの紙芝居(計9枚)が完成しました!我が家に滞在してきた歴代の預かりワンたちは人慣れ・散歩慣れのため、毎朝登校する子どもたちと一緒に朝の散歩をしてきました。なので、朝んぽルートと同じ通学路の子どもたち(それと校長先生)にもタ...
2021年
日本心理学会認定心理士を取得
2023年
2022年6月施行の改正動愛法により必要となった「事業所の土地の権原」を得られず、動物取扱業の資格を失ったため業態変更する。
2022年11月29日以降のカイロス・ドッグトレーニング運営体制について
今後の活動内容につきましては以下をご覧ください。対面レッスン(犬同伴あり) → 特定非営利活動法人PAL(パル)の「愛犬のしつけ方教室」にて対応対面カウンセリング/レッスン(犬同伴なし) → これまでどおり継続オンライン・カウンセリング/レッス...
2024年・新年のご挨拶
あけましておめでとうございます。元旦早々、能登地方で大きな地震が発生しました。今も避難生活を余儀なくされる方が多くいらっしゃいます。そんななか、新年のご挨拶を配信して良いのか迷っていましたが、昨年の活動報告と今年の抱負をお伝えするため、メッセージを配信させて頂くことにしました...
2024
6月よりパックウォークイベントをスタート
3C Dogs Presents:パックウォーク・ワークショップ
3C Dogs Presents:パックウォーク・ワークショップ
『ベイタウン・パックウォーク』 レッスンの卒業生さんや保護犬の里親さんたちから長いこと開催のリクエストを頂いてきた「パックウォーク」ですが、10年以上前に米国から日本に「パックウォーク」を初めて導入した3C Dogsのくまこさんのご協力を得て、2024年6月より不定期に開催しています。 コメント...
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