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鼻を持ち上げる(Nose up):犬のカーミングシグナル(9)

鼻を持ち上げる(Nose up)

  • 空を仰いで匂いを嗅いでいるようなしぐさ
  • 自分が相手に敵意を持っていないと言うことを訴えるシグナル
  • 人間に対して行なうばあいは何かして欲しいとき
使用頻度★★★☆☆

カーミング・シグナルとは

犬たちはほかの犬や人とのコミュニケーションにおいて視覚的・身体的なサインであるボディランゲージを通じて自らの感情や意図を伝える能力を持っています。

ボディランゲージの一種

その一つが「カーミングシグナル」(calming signals)と呼ばれるボディランゲージです。

カーミングシグナルは他者とコミュニケーションを図るために犬たちが使う自然なボディランゲージで自分や相手を落ち着かせるための「平和のサイン」です。

ノルウェーのドッグトレーナーであるTurid Rugaas(トゥーリッド・ルガース)氏により犬のボディランゲージのうち27~30種類がカーミングシグナルであると定義されました。

このカーミングシグナルは犬の行動学において重要な要素とされています。

平和のサイン

カーミングシグナルはおもに犬がストレスを感じた時や緊張状態にあるとき自分や相手の感情を落ち着かせるために使用されます。

緊張状態を軽減し相手との衝突を避けるために使われるボディランゲージの一種です。

犬同士のあいだのみならず飼い主を含む人間や犬以外の動物に対してもこのカーミングシグナルを通じて平和的なコミュニケーションを試みます。

「鼻を持ち上げる」の意味

「鼻を持ち上げる」とは犬が頭を少し上げてまるで空中の匂いを嗅いでいるような行動のことを指していいます。

この行動をするケースとしては以下の5つが考えられます。

  1. 遠くの匂いを嗅ぎ取ろうとしている
  2. 周囲の情報を集めている
  3. リラックスや探索行動の一環
  4. 特定の音や動きに気を取られている
  5. カーミングシグナル

1)遠くの匂いを嗅ぎ取ろうとしている

犬の嗅覚は非常に鋭く、空気中に漂う微細な匂い分子をキャッチできます。

風に乗ってくるほかの動物の匂いや人間が気づかない香りを探している場合があります。

たとえば、野生の動物やほかの犬の存在、食べ物の匂いなどを確認しようとしているばあいなどが挙げられます。

2)周囲の情報を集めている

犬は鼻を使って環境を「読む」ことが得意です。

空を仰ぐような仕草は嗅覚を使って遠くの状況を確認しようとしている可能性があります。

新しい場所や初めて嗅ぐ匂いの多い環境でこのような行動が目立つことがあります。

3)リラックスや探索行動の一環

外でリラックスしているときや、のんびりと探索しているときに、特定の対象がなくても空気の匂いを感じ取ろうとすることがあります。

4)特定の音や動きに気を取られている

鼻を空に向けているのは嗅覚でなく「視覚」を使うためであるケースもあります。

たとえば、鳥の声や飛行機の音などに気づき嗅覚と視覚の両方で確認するために頭を上もちあげているなどです。

5)カーミングシグナル

不安や緊張を感じている犬が空を仰ぐような動作をすることがあります。

これは匂いを嗅ごうとしているのではなく、相手の注意をそらしたり、状況を把握して自分の気持ちを落ち着けようとするための仕草です。

類似するカーミングシグナル

また、「鼻を持ち上げる」ことと併せて犬が示すカーミングシグナルには以下のようなものがあります。

同時に複数のカーミングシグナルを駆使することで相手に対して確実に自分は敵ではないことを伝えようと努力しているのです。

飼い主のとるべき対応

犬の「鼻を持ち上げる」行動に気づいた飼い主は、その行動の背景にある理由を判断して適切に対応します。

犬の様子を観察する

行動の頻度や周囲の状況を確認します。

そして、愛犬がリラックスしているのか警戒しているのかを見極めましょう。

環境要因をチェック

風向きや音など愛犬が反応している可能性のある要素を探ります。

無理に注意をそらさない

犬にとって重要な情報を収集している可能性があるため無理に止めるのではなく、行動を見守ることが重要です。

ストレスサインがある場合はサポート

緊張や不安から来ている場合は優しく声をかけたり、安心できる環境に誘導することも効果的です。

まとめ:理解と対応

「鼻を持ち上げる」という仕草は犬の本能的な行動であり、その行動の背景として考えられる理由はいくつかあります。

そのうちのひとつがカーミングシグナルです。

カーミングシグナルは自分の緊張や不安、相手に対して敵意がないことを伝えるために使われる大切なボディランゲージ(犬語)です。

愛犬がカーミングシグナルを出しているとき、飼い主は愛犬の気持ちを尊重した対応をすることが求められます。

また、ほかの犬がこちらに対してこのシグナルを使ってきたときも相手の犬の気持ちを尊重した対応をすることが大切です。

犬のカーミングシグナルを正しく読み取るスキルを身につけて、日常生活のなかでこうしたサインに気づき、犬の気持ちに寄り添うことが愛犬とのより良いパートナーシップの構築につながります。

カーミングシグナル全30種

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Shizuka “Suzy” Ishida

2005年より東洋思想をベースにした「ごほうびにオヤツを使わない犬のしつけ方」を提唱。吠える・噛むの問題を抱えた小型犬のしつけを得意としていますが、保護犬の心のリハビリもしています。当サイトで提示しているしつけ方法はすべての犬に100%当てはまるものではありません。性格や状況によって対処方法はさまざまです。お試しになる際はあらかじめご理解のうえお願いいたします。

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