犬の健康管理には、飼い主による日々の手入れと観察が欠かせません。
また、ブラッシングがコミュニケーションとなり、愛犬との信頼関係を深めることにも有効です。
換毛期のみならず、日々のコミュニケーションの一つとしてマッサージと健康管理を兼ねたブラッシングを習慣にしましょう。
たくさんあるブラシの種類
ブラシは用途によって、さまざまな種類があります。
- タワシ
- ラバーブラシ
- ピンブラシ
- スリッカー
- コーム
それぞれ、順番に特徴や使用する犬種、お勧めの商品をご紹介していきます。
タワシ
譲渡されて間もない保護犬のなかには、触られることも怖がってしまい、とてもブラシを掛けるどころではない状態の犬も少なくありません。
だからといって、いつまでもブラシをかけることができないままでいると、毛玉ができてしまったり、健康を損ねてしまうことにもなります。
人の手やブラシに慣れるためのタワシ
このため、ブラシの前段階のステップとしてタワシを使うことがあります。
ブラシを嫌がる子には、ブラッシング用具でブラシをかける前に、タワシでブラッシングされることに慣れさせます。徐々に慣れていきます。
また、人の手も怖がる犬に対しても、まずはタワシで撫でられることに慣らしていくと、人の手を受け入れやすくなります。
マイリーも人に触られるとお口がでましたが、タワシでナデナデが大好きになりました↓
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ペット専用タワシ
タワシであればなんでも良いですが、人との距離が遠いほうが良いため、柄が長いものがお勧めです。
ペット用として、犬用と猫用の専用タワシも販売されています。
犬用のタワシはこちら↓
猫用は、犬用より柔らかいので、よりソフトタッチで撫でることができます。
犬用タワシが怖い犬は、よりソフトな猫用タワシからスタート↓
ラバーブラシ
短毛種向き
トリミングのいらない短毛の犬種向きのブラシです。
アンダーコードの抜け毛を絡めとります。
マッサージ効果が高く、血行促進や被毛にツヤを出すために使うこともあります。
犬種例
チワワ(スムース)、ダックスフント(スムース)、ミニチュアピンシャー、イタリアングレーハウンド、ラブラドールレトリバーなど
お勧めのラバーブラシ
ひとくちにラバーブラシといってもゴムの固いものもあり、ゴムが柔らかいもののほうが毛をよくとります。
抜け毛処理を目的に使用するばあいは、ゴムの柔らかいタイプをお勧めします。
以下の製品は、ゴムが柔らかく抜け毛を集めるのにお勧めです。
ピンブラシ
人間のブラシのような形状のブラシです。
やや長めの毛質向き
ラバーブラシの対象外の犬種のブラシ掛けに使います。
後述するスリッカーと比べて目が粗いので、大まかに整えるために使います。
スリッカーを掛ける前に、毛のもつれを取っておくために使うこともあります。
犬種例
パピヨン、チワワ(ロングコート)、ダックスフント(ロング)、ヨークシャーテリアなど
スリッカー
剣山に柄をつけたような金属のブラシ。
犬用ブラシというと、これを思い浮かべる人が多い犬用ブラシです。
ほとんどの長毛種に使用
細いピンが密集したブラシで、毛の根本までしっかりと空気を入れてほぐし、抜け毛を取り除くものです。
ほとんどの長毛犬種で使用します。
犬種例
トイプードル、ミニチュアシュナウザー、柴犬、ボーダーコリー、ゴールデンレトリバーなど
扱いが難しいスリッカー
しかし、これを上手に使うのは難しく、使い方を教わらないまま使っていると、以下のような事態を招いてしまうことがよくあります。
- 毛の表面しかとかせていなかった
- 力の入れすぎ
毛の表面しかとかせていなかった
お手入れしているつもりでも、ブラシの歯が表面の毛にしか届いておらず、皮膚近くの毛がフェルトのように固まって、皮膚炎を起こしていることがあります。
力の入れすぎ
力を入れすぎてしまい、愛犬が痛がっていることがよくあります。
ブラシをかけようとすると嚙みついてくるというご相談をよくいただきますが、多くの場合原因はここにあります。
スリッカーを使用する場合は、トリミングサロンでブラシのかけ方を教わることをお勧めします。
スリッカータイプのブラシの例↓
コーム
いわゆる「櫛」です。直毛の長毛種の毛をとかすのに使います。
その他のブラシ類
他にも、用途別にいろいろな形状のブラシがあります。
ファーミネーター
スリッカーよりも強力に下毛(アンダーコート)を取り除いてくれます。
下毛が大量の犬種(柴犬、ゴールデンレトリバー、ボーダーコリー等)の飼い主さんたちに大人気の商品です。
犬用と猫用があり、それぞれ短毛種用・長毛種用に分かれています。
犬用はSサイズ(小型犬)とMサイズ(中型犬)、そしてLサイズ(大型犬)にも分かれています。
ノミとりグシ
名前こそ「ノミとり」ですが、ノミがついていなくても、活躍の場面がたくさんあります。
目の細かいクシで小さくて扱いやすい形状のため、細かい場所のお手入れにおいて非常に効果を発揮します。
目の近くについた目ヤニをとる・毛の塊をほぐす
ノミとりグシは、目の周りのお手入れにも使います。
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抜け毛の始末
愛犬にブラシを掛けて抜けた被毛を取り除くことは、愛犬の健康管理上とても大切なことです。
しかし、抜いた後の毛の始末までしっかりと考えたいものです。
家の中が毛だらけになること嫌って、自宅外でブラシをかける飼い主さんをときどき見かけます。
公園のベンチやテーブル、路上などで愛犬にブラシをかけ、抜いた毛をそのまま放置して帰ってしまうと、近隣トラブルの原因になります。
近隣の人たちとの関係をよくする
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公園のテーブルは人がごはんを食べるところ
テーブルとベンチが備え付けられた公園では、愛犬をテーブルに乗せ、一心不乱に毛を取っている飼い主さんもいます。
そして、抜けた毛をやはりテーブルに置き去りにしていくのです…。
公園のテーブルはトリミング台ではありません。
公園に遊びに来たお子さんやご家族が食事をしたりする場所です。
こうした行為がマナー違反であることに気付かないほど、盲目的に愛犬を可愛がっていると、次第に周囲の目が厳しくなっていき、結果的に犬と暮らしづらい場所になっていきます。
ベランダから綿毛がフワフワ
マンション住まいの方が自宅のベランダで愛犬のブラッシングをしたところ、抜けた毛がフワフワと転がって隣家のベランダに入り込んでしまうという近隣トラブルもあります。
フワフワと飛んだ毛が思わぬ場所まで飛んでいって問題になったケースもあります。
ブラッシングにお勧めの場所は?
原則として自宅内であることが求められます。
できるだけ狭くて閉め切れる場所で、お掃除しやすい場所がお勧めです。
やむなく屋外でブラッシングをするときの注意点
抜けた毛を入れる袋を必ず用意!
抜け毛は抜いたそばから、すぐに持参した袋に入れてしまいます。
「ある程度溜めてから袋に入れよう」と、思っていると風が吹いてあっという間に飛んでいきます。
結果的に、抜け毛をばらまいて近隣の方を困らせることになります。
やむを得ない理由で屋外でブラシをかける際は、ブラシについてきた抜け毛をきちんと始末するのが最低限のルールです。
すべての人が犬を好きとは限らない
世の中には、犬が苦手な方、大嫌いな方もいます。
また、犬が好きでもアレルギーがあり、犬(の毛)との接触に敏感になっている方もいます。
そして、いくら犬が好きだからといっても、公園のテーブルのうえや路上に放置された抜け毛を見て喜ぶ人はいません。
自分(と愛犬)以外の人たちへの配慮を忘れないことが、犬と暮らしやすい世の中を作っていきます。
ひとたび「嫌い」が多数派になると、その地域では犬と行動できる範囲がどんどん制限されてしまい、犬と安心して生活することができなくなってしまいます。
飼い主の一人ひとりが、犬との行動範囲をもっと広げていけるよう努力をしなければいけません。
近隣の人たちとの関係をよくする
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