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子犬のように振る舞う(Like a puppy):犬のカーミングシグナル(15)

子犬のように振る舞う(Like a Puppy)

  • 子犬のようにじゃれついてきたり周りをまわったりする行動は遊びの誘いのシグナル
  • 一緒にいることを喜んでいる
使用頻度★★☆☆☆

カーミング・シグナルとは

犬たちはほかの犬や人とのコミュニケーションにおいて視覚的・身体的なサインであるボディランゲージを通じて自らの感情や意図を伝える能力を持っています。

ボディランゲージの一種

その一つが「カーミングシグナル」(calming signals)と呼ばれるボディランゲージです。

カーミングシグナルは他者とコミュニケーションを図るために犬たちが使う自然なボディランゲージで自分や相手を落ち着かせるための「平和のサイン」です。

ノルウェーのドッグトレーナーであるTurid Rugaas(トゥーリッド・ルガース)氏により犬のボディランゲージのうち27~30種類がカーミングシグナルであると定義されました。

このカーミングシグナルは犬の行動学において重要な要素とされています。

平和のサイン

カーミングシグナルはおもに犬がストレスを感じた時や緊張状態にあるとき、自分や相手の感情を落ち着かせるために使用されます。

緊張状態を軽減し相手との衝突を避けるために使われるボディランゲージの一種です。

犬同士のあいだのみならず飼い主を含む人間や犬以外の動物に対してもこのカーミングシグナルを通じて平和的なコミュニケーションを試みます。

「子犬のように振る舞う」の意味

すでに大人になった成犬があえて「子犬のように振る舞う」ことがあります。

具体的には以下のような行動が含まれます:

  • 小刻みに動き回る
  • 甘えたような表情や仕草
  • 過剰な舐める行動
  • わざと拙い動きをする(ぴょこぴょこ歩いたり、滑稽な転がり方をするなど)
  • 高い音の鳴き声を出すことも

どのような意味を込めて犬たちはこれらの行為を行なっているのでしょうか。

  1. 相手を安心させるため
  2. 緊張を和らげるため
  3. 注意を引くため

1)緊張を和らげるため

成犬が「子犬のように振る舞う」の仕草を見せるのは相手の犬や人間に対して「私は攻撃的ではない」「敵意はないよ」という意図を伝えるためです。

とくに相手の犬が警戒している場合や、相手の犬よりも自分が劣勢だと感じたときに使われます。

また、飼い主に叱られた後にこの仕草を見せて「怒らないで」と伝える場合もあります。

2)相手を安心させるため

成犬が「子犬のように振る舞う」仕草は相手に親しみやすさを感じさせ、遊びや接触を促す役割も果たします。

このため、犬たちは相手の緊張を察知すると自ら子犬らしい無防備な姿を見せて安心感を与えようとします。

初対面の犬同士の挨拶場面や、相手と距離を縮めたいときに見せることがあります。

これはとくに社会性の高い犬たちがよく使うカーミングシグナルです。

つぶやきタラ氏がめちゃくちゃ使います。

3)注意を引くため

成犬が「子犬のように振る舞う」相手の注意を引きたいときにも使われることがあります。

たとえば、飼い主が忙しそうにしているときや無関心な態度を見せたときに犬が子犬のような甘えた仕草をすることで関心を引こうとします。

つぶやき思いっきり「愛犬の策にはまっている」と心当たりのある飼い主さんは少なくないでしょう。

飼い主のとるべき対応

犬の「子犬のように振る舞う」行動に気づいた飼い主は、その行動の背景にある理由を判断して適切に対応します。

状況を見極める

ほかの犬との交流時に成犬が「子犬のように振る舞う」カーミングシグナルを使うときは、背景に緊張を和らげて友好的に関わりたいという意図を示しています。

犬が本能的に備えている「犬のことば」であるため、そのまま様子を見守るのが良いです。

ただし、イヌのボディランゲージは瞬時にコロコロと切り替わっていきます

ほかのシグナルを見逃さないようにして状況判断をしていく必要があります。

過度な場合は生活を見直す

飼い主に対して注意を引く目的で過剰に「子犬のように振る舞う」を見せるばあい、愛犬は精神的に不安定になりつつある可能性もあります。

犬の犬らしさを損なう扱い方をしていないかどうか生活を振り返ってみる必要があります。

以下の関連記事のチェックテストを確認してみることをお勧めします。

犬社会のルールを教える

じつは、「子犬のように振る舞う」というカーミングシグナルは上級者テクニックです。

さまざまなボディーランゲージやカーミングシグナルを駆使できる「犬語の使い手」が使うときにかぎってカーミングシグナルの意味をもちます。

ほとんどの犬が「子犬のように振る舞う」のは「大人の犬としての振舞い方が分からない」からというのが理由です。

どのように振舞えばよいか分からないので、これまで使えていた自分の持てるワザを精一杯使っているだけというケースが大半です。

飼い主が母犬に代わって「大人の犬の振舞い方」を教える必要があります。

具体的な方法は以下の関連記事で紹介していますのでぜひお読みください。

まとめ:理解と対応

犬の「子犬のように振る舞う」という仕草は犬の本能的な行動であり、その行動の背景として考えられる理由はいくつかあります。

そのうちのひとつがカーミングシグナルです。

カーミングシグナルは自分の緊張や不安、相手に対して敵意がないことを伝えるために使われる大切なボディランゲージ(犬語)です。

愛犬がカーミングシグナルを出しているとき、飼い主は愛犬の気持ちを尊重した対応をすることが求められます。

また、ほかの犬がこちらに対してこのシグナルを使ってきたときも相手の犬の気持ちを尊重した対応をすることが大切です。

犬のカーミングシグナルを正しく読み取るスキルを身につけて、日常生活のなかでこうしたサインに気づき、犬の気持ちに寄り添うことが愛犬とのより良いパートナーシップの構築につながります。

カーミングシグナル全30種

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Shizuka “Suzy” Ishida

2005年より東洋思想をベースにした「ごほうびにオヤツを使わない犬のしつけ方」を提唱。吠える・噛むの問題を抱えた小型犬のしつけを得意としていますが、保護犬の心のリハビリもしています。当サイトで提示しているしつけ方法はすべての犬に100%当てはまるものではありません。性格や状況によって対処方法はさまざまです。お試しになる際はあらかじめご理解のうえお願いいたします。

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