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家の中でも首輪はつけたままに

お散歩から帰ってくると愛犬から首輪を外していませんか?

首輪をつけるのはお散歩のときだけだと思っている飼い主さんも少なくありません。

しかし、犬の首輪はお風呂に入るとき以外ずっとつけっぱなしにしておくものなのです。

なぜ、首輪はつけっぱなしが良いのか?

なぜ、犬に首輪をつけたまにしておくほうが良いのでしょうか?

おもな理由として以下の2つが挙げられます。

  1. 迷子札として
  2. 気持ちを引き締めるため

理由1:迷子札として

災害が日常的に発生する今日、いつ何時、自宅が被害に遭うか分かりません。

飼い主不在時に犬だけで留守番をしているときに災害が発生する可能性もあります。

つねに愛犬に迷子札付きの首輪を着けておけば万が一そのような事態が起きてしまったとしても、飼い主と離れ離れになった犬を救助した人が飼い主にすぐ連絡を取ることができます。

そして、愛犬は飼い主と早く再会することが可能になります。

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東日本大震災の教訓として

東日本大震災(2011年)当時、福島をはじめとする東北地方では「首輪を着けていない」「避妊去勢をしていない」犬たちがたくさん飼われていました。

これらの犬たちが飼い主とともに避難できなかったことで多くの飼い主不明犬が発生しました。

保護することができなかった犬たちは野犬化し、たくさんの野犬の群れが生まれました。

当時、保護することができた犬たちの多くは寿命を迎える時期となりましたが、野犬化した犬たちは代々繁殖を繰り返し、今も多くの野犬の群れが存在しています。

つぶやき震災をきっかけに東北地方で生じた犬の問題は今もなお続いています。愛犬に常日頃から首輪(迷子札)を着けておくのはもちろんのこと、「避妊・去勢」も犬を飼う者の責任として行なうべき災害対策のひとつと言えます。

マイクロチップは最終手段

東日本大震災で起こった飼い主不明犬の大量発生の反省から「動物の愛護及び管理に関する法律」(動愛法)が改正され、犬を飼い始める際にはマイクロチップを身体に埋め込むことが2022年6月より義務化されました。

ペットショップやブリーダーなど飼い主に犬を販売する者はあらかじめマイクロチップを埋め込んだ状態で飼い主に犬を渡さなければなりません。

つぶやき保護団体が保護犬を譲渡する際もマイクロチップの埋め込みをしてから里親に譲渡しているはずです。

マイクロチップの読み取りには専用の機械が必要ですが、この読み取り機は動物病院や保健所などにあります。

また、マイクロチップの情報の登録先が環境省のみであった場合は、個人情報保護法によって、だれもがその情報の照会をできるわけではなく、飼い主を特定するためにはさまざまな手続きが必要となってしまいます。

マイクロチップの情報の登録時に獣医師会にも併せて届け出を出しておけば、動物病院が直接マイクロチップの番号に紐づく飼い主の情報を照会できることから、より早く飼い主を見つけることができるため便利かもしれません。

このように、愛犬の身元情報をマイクロチップのみに頼るというのは、有事の際には心もとないといえます。

有事に役立つアナログ情報

迷子札には犬の名前や飼い主の電話番号などが書かれていて、特殊な道具がなくても読むことができ、すぐに飼い主に連絡することができます。

そのため、愛犬の迷子対策はマイクロチップのみに頼るのではなく、迷子札も併せて身に付けておくことが必要です。

迷子札については以下の記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

なお、マイクロチップは首輪が外れてしまったときに飼い主と愛犬をつなぐ最後の砦となります。

マイクロチップをいれておくことは決して無駄ではありません。

つぶやき改正法施行時にすでに飼われている家庭犬のマイクロチップの挿入は努力義務となっていますが、今からでも愛犬にマイクロチップを入れておくことをお勧めします。
愛犬の災害対策についてもっとたくさん知りたい方はこちらもどうぞ↓

理由2:気持ちを引き締めるため

犬たちは飼い主から何の制限をかけられることもない「いつでも自由」「なんでも自由」な生活を続けていると、だんだん「飼い主のいうことを聞く側」であることを忘れがちになります。

時間をかけて一生懸命がんばってトレーニングをしたのに「やめたら元に戻ってしまった」というときは、愛犬が「飼い主のいうことを聞く側」であることを忘れそうになっている状態です。

このような状態にならないためには「首輪を着けている」ことが有効なのです。

犬の首輪はネクタイみたいなもの

男性の飼い主さんには、「犬の首輪はネクタイみたいなものですよ」とお話しています。

ネクタイも「きつくもなく」「ゆるくもなく」が「きちんと締めている」状態になります。

ネクタイは締めていても息が苦しいわけでもなく仕事中は着けていることを忘れる程度のものです。

でも、「きちんとネクタイを締めている」というだけで気持ちが引き締まる感覚があるはずです。

お父さんたちはネクタイを締めると気持ちが引き締まる感覚を身体で理解できるようです。

犬に何かを具体的に教えなくても首輪を着けていることそのものが「飼い主への気持ち」をつくりだすのです。

上手な叱り方を身につけるとより効果的

それだけでは何も改善する気配がないばあいは首輪にショートリードを着けて常日頃自宅内でもしっかりと関係づくりをしていく必要があります。

してはいけないことを愛犬がした(しそうになった)とき、すぐに飼い主の「叱り」(=注意)が愛犬の心に届くように(飼い主が)「上手な叱り方」のトレーニングを重ねる必要があります。

ショートリードの使い方と上手な叱り方については以下の記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

また、「叱り」が愛犬の心に響いているかどうか分かるようになるために、飼い主は犬のボディーランゲージやカーミングシグナルを知っていることが必要です。

ハーネスに「ネクタイ効果」はあるか

動物病院やドッグトレーナーから首輪よりも「ハーネス」(胴輪)の装着を勧められることも少なくありません。

ハーネスにも首輪のような「ネクタイ効果」はあるのでしょうか?

ハーネスは腹巻

何千頭もの犬たちをトレーニングしてきた結果いえることは、残念ながらハーネスには首輪のような「ネクタイ効果」はありません

お腹側にも生地があるハーネスであれば、犬はお腹を守られている安心感を得られるかもしれません。

いうなれば腹巻でしょうか?

つぶやきしかし、そうしたハーネスは熱がこもりやすいため夏場は熱中症に注意が必要です。

犬は全く異なるとらえ方をする

胴回りは首回りに比べて感覚が鈍い部位です。

ネクタイ効果がないハーネスを使用したドッグトレーニングは犬を「オヤツ」で釣りながら犬を操作する以外に犬を従わせる方法がありません

飼い主に操作されて指示した行動をとることは学習しますが、自らの頭で考えて行動できる犬には育ちません。

今までハーネスしか使ったことがない…

首輪を勧めない獣医師やトレーナーもいるため首輪は犬に良くないものと考え、一度も使ったことがない飼い主さんもいるでしょう。

それでもやはり首輪「」使えるようにしていくことをお勧めします。

理由は、ハーネスでは犬と心の通う関係を築くのが困難だからです。

首輪とハーネスを併用する

普段、ハーネスしか使っていない方は、すぐに首輪に切り替えることに抵抗があるかもしれません。

そのばあいは、首輪とハーネスを併用して、自宅内でも首輪だけは着けたままにしておくことをお勧めします。

首輪とハーネスの併用については以下の記事で詳しく解説しています。

つぶやき引っ張りの強い犬や力の強い犬にはハーネスと首輪を併用して力を分散させたうえで首輪のトレーニングをすると、気管を傷めずにトレーニングを進めることができます

まとめ

これまでみてきたとおり犬の首輪は単なるファッションアイテムではないことはお分かりいただけたと思います。

首輪は大切なコミュニケーション・ツール

首輪は愛犬と心を通わせ、ともに楽しく暮らしていくために欠かせないコミュニケーション・ツールです。

このような首輪の重要性を踏まえて、今一度、愛犬の首輪を見直してみましょう。

次のステップ

お家のなかで「安全に」首輪を着けっぱなしにしておくために気を付けることを確認します。

「ゆるゆる首輪で愛犬の身に起こる4つの危険」

つぎに、愛犬に正しいサイズで首輪をつけているかどうかも確認しておきます。

「首輪の正しい着け方」
首輪についてもっと知りたい方は

ほかにも首輪に関連した記事をたくさん書いていますのでどうぞご覧ください↓

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Shizuka “Suzy” Ishida

Shizuka “Suzy” Ishida

2005年より東洋思想をベースにした「ごほうびにオヤツを使わない犬のしつけ方」を提唱。吠える・噛むの問題を抱えた小型犬のしつけを得意としていますが、保護犬の心のリハビリもしています。当サイトで提示しているしつけ方法はすべての犬に100%当てはまるものではありません。性格や状況によって対処方法はさまざまです。お試しになる際はあらかじめご理解のうえお願いいたします。

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