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カーブを描きながら近づく(Walking in a curve):犬のカーミング・シグナル(3)

カーブを描きながら近づく(Walking in a curve)

  • 犬は初対面の相手と近づくときまっすぐに近づいていかないのが礼儀
  • カーブを描くように近づく
  • 相手に敵意がないことを表すポーズ
使用頻度★★★★☆(非常に有効なカーミングシグナルだが使えない犬が少なくない)

カーミング・シグナルとは

犬たちはほかの犬や人とのコミュニケーションにおいて視覚的・身体的なサインであるボディランゲージを通じて自らの感情や意図を伝える能力を持っています。

ボディランゲージの一種

その一つが「カーミングシグナル」(calming signals)と呼ばれるボディランゲージです。

カーミングシグナルは他者とコミュニケーションを図るために犬たちが使う自然なボディランゲージで自分や相手を落ち着かせるための「平和のサイン」です。

ノルウェーのドッグトレーナーであるTurid Rugaas(トゥーリッド・ルガース)氏により犬のボディランゲージのうち27~30種類がカーミングシグナルであると定義されました。

このカーミングシグナルは犬の行動学において重要な要素とされています。

平和のサイン

カーミングシグナルはおもに犬がストレスを感じた時や緊張状態にあるとき自分や相手の感情を落ち着かせるために使用されます。

緊張状態を軽減し相手との衝突を避けるために使われるボディランゲージの一種です。

犬同士のあいだのみならず飼い主を含む人間や犬以外の動物に対してもこのカーミングシグナルを通じて平和的なコミュニケーションを試みます。

「カーブを描きながら近づく」の意味

「カーブを描きながら近づく」という行動は犬が相手に対して敵意がないことや争いを避けたい意思を示す重要なカーミングシグナルです。

この記事では「カーブを描きながら近づく」という犬の行動がどのような意味を持ち、どのような状況で見られるのか、また飼い主としてどう対応すべきかについて解説します。

カーブを描く理由

犬がほかの犬や人に接近するとき、まっすぐ向かうのではなくわざとカーブを描くことがあります。

これは相手に「私は攻撃するつもりはない」というメッセージを伝えるための行動です。

犬は自分に向かって直線的に接近してくる相手には威圧感を受けます。

そして相手に警戒や不安を感じます。

カーブを描きながら接近していくことで相手に対して「敵意はない」という意思を表しリラックスしたムードで交流できるように促します。

初対面の犬同士の礼儀

とくに犬同士が初めて出会う場合一直線に近づくことは挑戦的な行動とされ相手から攻撃的な反応を受ける原因となります。

相手に対してカーブを描きながらゆっくりと接近することで「自分は友好的で安全な相手である」とのメッセージを与えることができるため双方の緊張を和らげながら接触することができます。

この行動は犬たちが適切な距離を保ちながら双方に安心感を提供するための重要なコミュニケーション手段です。

具体的なシチュエーション

「カーブを描きながら近づく」という行動はさまざまな場面で観察されます。

犬たちが具体的にどのような状況で「カーブを描きながら近づく」シグナルを発するのか、いくつかの典型的な状況を見てみましょう。

  1. 散歩中ほかの犬とすれ違う
  2. 知らない人に挨拶をする
  3. グループに新しい犬が加わる

散歩中ほかの犬とすれ違う

散歩中にほかの犬と鉢合わせした際にカーブを描いて歩くことでお互いの距離を保ちつつ過度な接触を避けようとする行動がよく見られます。

まっすぐに接近するよりも距離を保てることからリラックスした状態で挨拶を交わすことができます。

つぶやき愛犬がほかの犬とすれ違うときに自分からこの行動を取ろうとしないときは飼い主がリードで誘導してカーブを描かせ犬社会のマナーを守らせます。

知らない人に挨拶をする

新しい人や普段見慣れない人と接する際、犬がカーブを描くように近づくことがあります。

この場合、相手に対して「私は敵意を持っていませんが少し慎重に様子を見ています」という意味を含んでおり警戒心を持ちつつもフレンドリーに接しようとするサインです。

相手の表情や体の動きを読みながらゆっくりと距離を縮める行動は犬にとって信頼関係を築くためのステップです。

グループに新しい犬が加わる

犬は2匹以上が集まればすぐに「群れ」をつくります。

ドッグランや飼い主の井戸端会議の場に新しい犬が加わるときはこの「群れ」の構成が変化するときです。

このようなときに既存メンバーの犬が新しく加わろうとする犬に対してカーブを描きながら近づいていくことがあります。

つぶやき新しく加わろうとする犬もです。

これは新しいメンバーに対して自分の存在をアピールする一方で敵意ではなく友好的な意図を伝える方法です。

カーミングシグナルを利用して緩やかなアプローチをすることによってグループ全体に調和が生まれ新しいメンバーも安心して環境に馴染むことができます。

愛犬がこのシグナルを使ったら?

愛犬がカーブを描きながら相手に近づこうとしているとき飼い主はその行動を尊重して弧を描くように相手の犬に近づいていきましょう。

リードを引っ張ってまっすぐ一直線に相手に向かわせるようなことをしてはいけません

犬が自然なリズムで歩きながら相手に対して丁寧に近づこうとしているのに無理に進行方向を変えたりまっすぐ進ませようとすると(飼い主に無理やり喧嘩を売らされることになった)犬は飼い主に対してストレスと不信感を覚えます。

たとえば、知らない犬や人に対して慎重に近づこうとしているときは飼い主がその行動の理由を理解し相手に急接近させないようにすると犬が自分のペースで安心できる距離感を保つことができます。

愛犬がこのシグナルを使わないときは

愛犬がほかの犬と接近する場面で「カーブを描きながら近づく」というカーミングシグナルを使うことを知らないばあいは飼い主が親犬に代わって実行させ、犬社会のルールを守らせる必要があります。

愛犬が相手の犬に一直線に近づいていこうとしたら飼い主はリードで誘導して半円を描くような軌道で歩かせながら相手の犬に近づいていかせます。

相手の犬がこのシグナルを使ったら?

お散歩中やドッグランなどでほかの犬が愛犬に対してカーブを描きながら近づいて来ようとしているときは(基本的に)相手の犬は愛犬と友好的な関係を築きたいと思っていると考えられます。

このとき愛犬もその意図を受け入れて相手の犬に対して友好的な態度をとるように飼い主がサポートします。

たとえば、愛犬に以下のようなカーミングシグナルを出させます。

いずれも飼い主がリードを使って誘導すれば愛犬にとらせることのできる行動です。

仮に愛犬が自らカーミングシグナルを使うことが上手でなくとも飼い主がその場にふさわしいボディランゲージを出すように誘導することができれば、愛犬に対して犬同士の自然な関わりを促すことが可能です。

まとめ:理解と対応

犬の「カーブを描きながら近づく」というカーミングシグナルは自分の緊張や不安、相手に対して敵意がないことを伝えるために使われる大切なボディランゲージ(犬語)です。

愛犬がこのシグナルを出しているとき飼い主は愛犬の気持ちを尊重した対応をすることが求められます。

また、ほかの犬がこちらに対してこのシグナルを使ってきたときも相手の犬の気持ちを尊重した対応をすることが大切です。

犬のカーミングシグナルを正しく読み取るスキルを身につけて、日常生活のなかでこうしたサインに気づき、犬の気持ちに寄り添うことが愛犬とのより良いパートナーシップの構築につながります。

カーミングシグナル全30種一覧

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Shizuka “Suzy” Ishida

Shizuka “Suzy” Ishida

2005年より東洋思想をベースにした「ごほうびにオヤツを使わない犬のしつけ方」を提唱。吠える・噛むの問題を抱えた小型犬のしつけを得意としていますが、保護犬の心のリハビリもしています。当サイトで提示しているしつけ方法はすべての犬に100%当てはまるものではありません。性格や状況によって対処方法はさまざまです。お試しになる際はあらかじめご理解のうえお願いいたします。

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