犬の健康管理の一環として定期的な爪切りは欠かせません。
多くの犬は爪切りを嫌がるものです。
爪を切られるたびにストレスや不安を感じる犬も少なくありません。
多くの飼い主は足先を触ろうとすると嫌がられるため動物病院やトリミングサロンに愛犬の爪切りを任せがちです。
しかし、自宅で飼い主自身が爪切りを行うことには多くのメリットがあります。
本記事では犬の爪切りの重要性、自宅での爪切りの方法や準備、爪切りに使う道具の種類について詳しく説明します。
飼い主が自宅で愛犬の爪切りをできるように日々実践していくことで、爪切りのストレスを減らし愛犬の安全を保つケアが可能になります。
愛犬の命と健康を本気で守る
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犬に爪切りが必要な理由
爪が伸びすぎると犬にさまざまな健康リスクが生じます。
伸びすぎた爪はカーペットや床に引っかけやすく怪我の原因になります。
また、爪は伸びすぎると爪の中にとおっている血管も長くなり短く切ることができなくなります。
そして、だんだん歩きにくい足になっていきます。
犬の歩き方が不自然になり姿勢のバランスが崩れることで体調に影響が出ることもあります。
飼い主が自分で愛犬の爪切りをすることの重要性
病院やトリミングサロンでは診察やトリミングのついでに安価で愛犬の爪を切ってもらえます。
犬の爪切りを病院やトリミングサロンでお願いすることはごく一般的なことです。
飼い主が誤解していること
しかし、犬にとっては病院やサロンでなら嫌がらずに喜んで爪切りをする訳ではありません。
この点について飼い主さんたちは勘違いしています。
ほとんどのばあい動物病院やトリミングサロンでの爪切りの処置は飼い主のいない別の場所で行ないます。
もちろん、飼い主のいない場所で処置をする理由は「飼い主がいないほうが犬が落ち着いて処置できる」からです。
それでもやはり、爪切りの際に暴れてトリマーや看護師に噛みいてきたり、金切声で吠えたりしているという事実を現場を見ていない飼い主は知る由もありません。
犬の気持ちは二の次にならざるを得ない
動物病院やサロンで爪切りをする際は4本の足の爪を一気にまとめて切ることになります。
犬が1本ずつ気持ちを落ち着けて覚悟を決めるまで待ってはくれません。
犬の気持ちはひとまず置いておき処置をする人がケガをしない方法でさっさと爪切りを済ませます。
自宅で飼い主が爪切りをするメリット
シニア期になり体力や免疫力の落ちた犬たちにとって爪切りのためだけに動物病院やトリミングサロンに通うこと自体が体への大きな負担となります。
シニア期の負担を減らせるセルフケア
シニア期になるまでに飼い主自身が愛犬のさまざまなケアを自宅でできるようになっておくことが重要です。
爪切りが苦手な犬にとってはすべての爪を切るまで耐えなければならないことが大きなストレスとなります。
ですが、もっとも愛犬がくつろげる自宅で最も信頼する飼い主が愛犬の体調や気分に合わせて少しずつ爪切りをすれば、愛犬の爪切りのストレスを大幅に軽減することが可能です。
一朝一夕にはできるようにならない
シニア期に入るよりずっと前の若犬(子犬)のうちから自宅での爪切りに慣れさせておくことで将来的な愛犬の爪切りの負担を減らすことができます。
大好きな飼い主が自分の気持ちを汲んでゆっくり時間をかけて爪切りをしてくれることで爪切りが恐怖ではなくなるかもしれません。
歳を取れば若いころより新しいことを受け入れにくくなるのはヒトもイヌも同じです。
若いうちから自宅でケアをできるようにしつけを進めていくことが大切です。
爪切りに慣らすためのトレーニング方法
いきなりバチバチと爪切りをしても平気な犬はそうそういるものではありません。
いきなり爪を切り始めると犬は驚いて次から警戒してしまいます。
最初は爪に触れるだけ
ホンモノの爪切りをスタートする前に、まずは愛犬が足先や爪に触れられることに慣れさせていく必要があります。
最初は爪に触れるだけのステップから始めましょう。
爪の根本をつまむ
まずは爪の付け根を1本ずつ親指と人差し指でつまんで軽く刺激を与えます。
これは爪を切る際に爪をつかまれることに慣らすということです。
爪切りの際に感じる感覚に少しずつ慣れさせていきます。
爪切りを見せる
次に実際の爪切りを愛犬の目の前で見せます。
見ることで納得して爪切りを受け入れやすくなります。
匂いを嗅ぐ子もいるかもしれません。
そのときは爪切りの匂いを嗅がせてあげます(ケガには注意)。
爪切りで爪をトントン
そして、爪切りで爪をトントンと軽く叩いて刺激します。
まだ、この段階では爪を切りません。
このとき、暴れたり怖がったりする様子を見せなかったことを良く褒めてあげます。
これらを繰り返して爪切りが爪に当たることに慣れさせていくことでスムーズに爪切りができるようになります。
爪切りの種類
犬用の爪切りにはいくつかの種類があり犬のサイズや飼い主の使いやすさに応じて選ぶことができます。
ここでは、代表的な3つのタイプの爪切りについて紹介します。
- ハサミタイプ
- ギロチンタイプ
- ニッパータイプ
1. ハサミ・タイプ
ハサミタイプの爪切りは猫や小型犬の子犬用として使用されることが多いです。
ハサミタイプの爪切りはまだ爪が細く柔らかい子犬には適していますが成長とともに爪が硬くなるとハサミタイプでは爪を切る際の衝撃で犬が痛みを感じることがあります。
このため、たとえ小型犬であっても(成犬の大きさになりつつある)生後6カ月頃には別のタイプの爪切りに買い替えることを勧めます。
爪を切るたびに痛みを感じていては爪切りを好きになれるわけがありません。
2. ギロチン・タイプ
プロのトリマーがよく使用するのがギロチンタイプの爪切りです。
爪を小さな穴に通して一気に切り落とす仕組みで太い爪や固い爪も素早く切ることができます。
ただし、犬の爪には血管が通っているため誤って血管を切ってしまうと大量出血を引き起こす可能性があり慎重な操作が必要です。
プロが愛用するギロチンは普通の飼い主はこれまでに似たような器具を使った経験がないため扱いに慣れるのに少々時間がかかります。
それと同時に犬も爪切りに慣れていかなければいけないため、お互いに初心者だとなかなかうまく進みません。
3. ニッパー・タイプ
ニッパータイプはハサミに近い感覚で操作できるため初心者にも扱いやすい爪切りです。
硬い爪も容易に切り落とせるため小型犬から大型犬まで対応でき便利です。
また、犬にかかる負担も少なく手軽に使用できることから、とくに初心者にはおすすめのタイプの爪切りです。
おすすめの爪切り
初心者はニッパータイプ
初心者にはニッパータイプの爪切りがもっとも使いやすいでしょう。
ハサミタイプに慣れていた飼い主にとってもニッパータイプの爪切りはハサミタイプに近い操作感があり抵抗なく使えます。
また、ギロチンタイプに比べて操作が簡単で硬い爪もスムーズに切れるため犬にかかるストレスも少なくなります。
動物病院でも獣医師が爪を処置する際にはニッパータイプを使用することが多いです。
トリミングの専門家でなくとも使いこなせることの証左と言えます。
初心者はまずはニッパータイプの爪切りを購入して犬の爪切りに慣れていくのが良いでしょう。
爪切りの寿命とメンテナンス
爪切りは消耗品です。
長期間使用していると刃の切れ味が落ちてきたりバネが効かなくなることがあります。
パーツ交換や研ぎ直しができる製品は少なく切れ味が悪くなったら新しいものに買い替えるのが一般的です。
爪切りは犬の健康と快適な生活に直結するため道具の状態にも気を配ることが大切です。
まとめ
犬の爪切りは健康維持のための重要なケアです。
飼い主が自宅で行うことで爪切りが苦手な愛犬のストレスを減らすことができます。
伸びすぎることで生じるリスクを防ぐために犬の爪には日常的なケアが欠かせません。
愛犬を自宅での爪切りに慣れさせるためには爪切りをする以前に飼い主に爪を触られることに慣らす練習が必要です。
そして、すべての爪を一度で切ろうと思わずに少しずつ切り進めていくことがポイントです。
ニッパータイプの爪切りを選ぶと初心者でも比較的簡単に爪切りができるようになります。
まずは1本試しに購入して、さっそく愛犬とともに爪切りに慣れていきましょう。
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