私たち飼い主は、愛犬に何かを教えようとする前に、
- 彼らがどんな生き物なのか、
- どんなところが人間と同じで、
- どんなところが人間と違うのか、
身体と心の両面について、知っておかなければなりません。
犬は群れの役に立ちたいと考えて行動する生き物だ
犬は本来「自ら群れの役に立とうとする生き物」です。
群れの役に立つことが犬たちにとって幸福なのです。
家族(群れ)に喜ばれるために、
- 群れの安全を守りたい、
- 外敵の襲来を知らせたい、
- 飼い主が弱い(優しすぎる)ので自分より強そうな相手を追い払いたい、
- 群れのために勝手に行動させないよう群れのメンバーを取り締まりたい、
といった群れへの貢献意欲のかたまりです。
犬は人間から教わる機会がない限り「犬」としての価値基準を基に行動する
どんなふうに群れに貢献すべきなのか?
そのために自分に何が必要なのか?
犬たちは、人間である飼い主から人間が望む価値観や基準を教わらなければ、本能的に備えている「犬社会の掟」を基準に群れに貢献しようと考えます。
そして、自分なりの方法で持てる能力を全力で発揮しようという強い信念をもっています。
人間のわが子にはあれこれと口出しをして思い通りに行動させようとするのに、わが犬には何も言わず、完全に犬任せ…。
つねに犬基準で行動させておきながら、それに不満をいう飼い主のなんと多いことか…。
飼い犬たちは、人間家族のルールを生まれながらに身につけることはできません。
犬が何も教わらなくてもできる行動は「犬の価値観」に基づいた行動だけなのです。
人間の家族とともに、家族の住む地域でともに暮らしていくためには、人間の子ども以上に丁寧に、細かく、地域社会で暮らしていくためのルールを教えてあげる必要があるのです。
生まれつき「犬らしさ」すら奪う繁殖環境も
また、日本のペット産業が無理な繁殖を積み重ねてきた結果、犬としての本能すら備えることができない犬たちが再生産され続けていることもトレーニングをしていて感じることです。
つまり、生まれつき犬らしい行動を取ることすらできない子犬もたくさん販売されています。
こうした犬たちが生産され続けるのは、お金を払って買う消費者(飼い主)がいるからなのだということを、飼い主一人ひとりが考えるべきだと思います。
専門用語が誤解されて広まった犬のしつけ方法の弊害
また、心理学の専門用語を一般用語と誤解して解釈された「叱らないしつけ」がドッグトレーニング界隈で流行し、多くの飼い主に市民権を得てしまいました。
この結果、本来はその犬が十分乗り越えることのできる課題すらも避けて生活させることが推奨され、不安やおそれ、負担感などのマイナス感情を克服できないまま生づらさを抱えて生きる犬たちがあまりにも多いのです。
犬は「犬らしく育とうとする生き物」であり、「人間のように育てられたくない生き物」です。
したがって、犬たちは思春期を迎えて自分の考えを持ち始めると、全身で膨大なエネルギーを使って、飼い主による育てようとするコントロールに抵抗します。
本来であれば自ら育つために使うはずであったエネルギーが、抵抗するために使われてしまうとは、なんとももったいないことです。
人の性格がそれぞれであるように、犬の性格も「それぞれ」
同じ犬種でも、同じ親から生まれても、それぞれの個体によってもって生まれた性格はさまざまです。
にもかかわらず、ほかの犬種と比較して、できないことを本気で嘆いている飼い主さんがいます。
同じ犬でも、扱う人が変われば、全く別の犬のように行動が変わることさえあります。
持って生まれた性格は変わりませんが、おかれた環境とかかわる人次第で、犬の伸びしろは無限大です。
縁あって我が家へやって来た愛犬を、生かすも殺すも飼い主次第なのです(比喩的にも物理的にも)。
どうやってその子を知るのか
飼い主が犬の気持ち知るための方法は3つです。
- 犬の習性を学ぶ
- 犬種について学ぶ
- 犬語を学ぶ
です。
犬の習性や犬種についての知識は、本やインターネット等でさまざまな情報を得ることができるでしょう。
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大型犬では、以下の犬種のご依頼が多い傾向です。 オーストラリアンラブラドゥードル ラブラドールレトリ...
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犬のボディランゲージを学ぶ方法は、以下のリンク先を参考にしてください。
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