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愛犬に『おすわり』を教えよう

「お座り」お手、トイレと並んで犬を飼い始めた人たちが必ず教える「3大しつけ」項目です。

しかし「正しい方法」で愛犬にオスワリを教えることができている飼い主さんは少ないです。

そして、本来使うべきでない状況でオスワリを強要しているケースも散見されます。

本記事では犬にとってのオスワリの意味や目的と、どのように教えたらよいかについて解説していきます。

「お座り」は犬のことば

「お座り」は単なる服従の動作ではありません

犬たちの重要なボディーランゲージであるカーミングシグナルのひとつです。

本来の意味は「カーミングシグナル」

カーミングシグナルはほかの犬や人と交流する場面においてその場の緊張を和らげて争いに発展することを避けるために使われる犬のボディーランゲージです。

お座りは犬たちが本能的に使用する「意味のある」動作です。

オヤツを使って教えてはいけない「お座り」

ほとんどの飼い主さんがエサを使って愛犬にオスワリを教えていることと思います。

オヤツを見せて、上を向かせ、ちょっとお尻を落としたらすぐに「座れた」ことにしてオヤツを与えオスワリを教えていることでしょう。

しかし、このように飼い主がエサで釣って「一瞬だけ座らせる」やり方でオスワリを教えてしまうとどのような結果になるでしょうか。

落ち着くことができなくなってしまう

エサで釣って「お座り」を覚えさせる方法は効果的とは言えません。

本来、「お座り」のポーズは争いを避け、自分の気持ちを落ち着かせるために犬たちが自らとる行動でした。

しかし、オヤツのご褒美を交換条件にしてオスワリを教えてしまうと「オスワリ」の行為本来の意味が書き換えられてしまいます。

落ち着きのない犬を育成?

お座りをしていたとしても「いつオヤツがもらえるのか?」ばかりが気になってしまい、ちっとも気持ちを落ち着けることができなくなってしまうのです。

愛犬に落ち着いた犬になってほしいと思って一生懸命しつけに取り組んでいるのに、頑張れば頑張るほど愛犬が「落ち着きのない犬」に育ってしまうのです。

オヤツがもらえないことでイライラしてトリーツバッグに飛びついたり吠えてオヤツを催促するようになります。

そして飼い主は「こんなはずじゃなかった」とガッカリしてしまうのです。

こうした結果になることを避けるためには犬が心から落ち着きを得ることができる方法で「お座り」を習得させることが重要です。

正しい「お座り」の教え方

「お座り」を効果的に教えるためには声符(声の指示)、視符(手の動作)、触覚(首輪)の合図の3つを組み合わせて使っていくのがコツです。

1)声符(コマンド)

声を使って犬の聴覚に働きかける合図です。

コマンドを覚えさせれば、もし目が見えなくなっても耳が聞こえていれば飼い主の指示を理解することができます。

お座りを教える際は犬に「お座りしてね」「座って~」などとと優しく声を掛けるのがコツです。

2)視符(サイン)

手のひらを見せたり人差し指を立てるなど、見てわかる合図を決めて視覚的に分かりやすい方法で飼い主の指示を伝えるのが「視符」(サイン)です。

声符とともに使っていくことで犬は視符の意味も覚えていきます。

もし、声を出してはいけない場面であっても、愛犬の耳が遠くなってしまったとしても指示を伝えることができるようになるため、声符とともにセットで教えていくことをお勧めします。

3)触覚(首輪とリード)

教え始めたばかりの頃は声掛けとサインだけではなかなか飼い主の意図が伝わらないことがほとんどです。

このため教え始めの頃は声かけをしながら飼い主が補助して具体的にとって欲しい動作を取らせます

これによって犬たちはコマンドの意味を覚えていくのです。

お座りを教える際は、声かけ(声符)と同時にリードを軽く上に引いて合図を送り座る姿勢に導きます。

これらの合図を複合的に使うことで、犬は「お座り」の指示でとるべき動作が何かを理解しやすくなります。

声のかけ方にも注意

声のトーンも重要です。

大きな声で厳しく「お座り」と命令してばかりいると叱られたときに「叱られた」と理解することができません

また、低い声で威圧的に命令するのも逆効果です。

間違っても「スワレ」「Sit!」などと号令をかけていはいけません。

愛犬がしつけの指示と叱責を混同しないように、2歳の幼児に話しかけるような優しいトーンで「お座り」を伝えましょう。

「叱っても効き目がない」「コマンドを言っても言うことを聞かない」というときはコマンドの出し方が厳しすぎることと、叱るときの言い方が優しすぎることが原因です。

何度も「お座り」と言わない

「お座り」と何度もコマンドを繰り返し言ってしまうと、犬は何回も言われてから座るものだと覚えてしまいます。

一度のコマンドで理解するためには言葉(コマンド)と行動がしっかり結びついている必要があります。

もし1~2回「お座り」と言っても愛犬が座らないときはお尻を軽く押して座らせてしまい「座れた」ことを褒めます

お尻を押しても座らない場合は膝の裏に手を差し込む(通称、膝カックン)と自然に座ることもあります。

こうした物理的なサポートを加えることで犬は「お座り」の指示では「座る」ことが求められていることを理解しやすくなります。

正しい褒め方

「お座り」をした後は、その行動をしっかりと褒めることが重要です。

ただし、ここでも注意が必要です。

大げさな「グッドボーイ」などの声かけや激しい撫で方は、犬を興奮させてしまうため逆効果です。

赤ちゃんを寝かしつけるような優しいトーンで静かに褒めてあげましょう。

また、撫でる際もゴシゴシと強く撫でません。

軽く頭をなでるだけで十分です。

興奮しやすい性格の犬は撫でられると嬉しすぎて立ち上がってしまいます。

触らずに声だけで褒める方法が有効です。

座り続けることをルールにする

「お座り」は一瞬だけの動作ではありません。

本来のオスワリは座って気持ちを落ち着ける行為です。

このため、飼い主が許可を出すまで座り続け気持ちを落ち着けられるようにするのが理想です。

このルールを実践することでお座りを使って愛犬に感情のコントロールの仕方を教えることができます。

レベルアップを図る

愛犬が「お座り」を身につけたらどんどんレベルをアップさせていきます。

具体的には以下のステップでレベルアップを図ります:

1)時間を延ばす

最初は短い時間で構いませんが、徐々に時間を延ばす練習をします。

まずは2分間を目標にします。

2分座っていられるようになることは愛犬の「聞く耳」が育ってきた証拠となります。

2)距離を伸ばす

お座りのトレーニングは首輪にリードをつけて行ないます。

飼い主との距離が離れれば離れるほど愛犬は集中を保つのが難しくなります。

このため、徐々に愛犬との距離を増やしていきます。

3)場所を増やす

今までできていたオスワリも「環境」の条件が変わるとできなくなるのは当たり前です。

家の中だけでなく、いつものお散歩コースや公園、人混みの近くなど、愛犬の集中を削ぐ条件が加わる環境でトレーニングをしていきます。

まとめ:お座りを極めよう

さまざまな場所でおすわりの時間や距離を伸ばすことができるようになったら最終テストです。

悟りをひらく

以下の条件での「オスワリ」にトライします。

  • 自宅内で
  • リードなし
  • 飼い主と数メートル離れた場所で
  • 一度だけコマンドを言って
  • 1時間座り続ける

もちろん、集中力が切れてきて愛犬がオスワリをやめそうになるタイミングはたびたびやってきます。

そのたびに、飼い主が「声掛け」「顔の表情」「サイン」などの助け舟を出してあげます。

身体に触れられることなく愛犬が気持ちを持ち直して60分間座り続けていられたら、愛犬は「悟り」をひらくことができ滅多なことでは動じない「器の大きな犬」に成長しています。

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Shizuka “Suzy” Ishida

2005年より東洋思想をベースにした「ごほうびにオヤツを使わない犬のしつけ方」を提唱。吠える・噛むの問題を抱えた小型犬のしつけを得意としていますが、保護犬の心のリハビリもしています。当サイトで提示しているしつけ方法はすべての犬に100%当てはまるものではありません。性格や状況によって対処方法はさまざまです。お試しになる際はあらかじめご理解のうえお願いいたします。

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