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座る(Sitting down):犬のカーミングシグナル(6)

座る(Sitting down)

  • 状況が難しくなったときに出されるはっきりとした争いを避けるシグナル
  • 服従を表すだけではなく安全確保のためシグナル
使用頻度★★★★★

カーミング・シグナルとは

犬たちはほかの犬や人とのコミュニケーションにおいて視覚的・身体的なサインであるボディランゲージを通じて自らの感情や意図を伝える能力を持っています。

ボディランゲージの一種

その一つが「カーミングシグナル」(calming signals)と呼ばれるボディランゲージです。

カーミングシグナルは他者とコミュニケーションを図るために犬たちが使う自然なボディランゲージで自分や相手を落ち着かせるための「平和のサイン」です。

ノルウェーのドッグトレーナーであるTurid Rugaas(トゥーリッド・ルガース)氏により犬のボディランゲージのうち27~30種類がカーミングシグナルであると定義されました。

このカーミングシグナルは犬の行動学において重要な要素とされています。

平和のサイン

カーミングシグナルはおもに犬がストレスを感じた時や緊張状態にあるとき、自分や相手の感情を落ち着かせるために使用されます。

緊張状態を軽減し相手との衝突を避けるために使われるボディランゲージの一種です。

犬同士のあいだのみならず飼い主を含む人間や犬以外の動物に対してもこのカーミングシグナルを通じて平和的なコミュニケーションを試みます。

「座る」の意味

「座る」(=オスワリ)は犬がほかの動物や人間に対して敵意がないことを示すとともに自分を落ち着かせようとする重要なサインのひとつです。

敵意がないことを示す

犬が座るという動作を見せたときは「敵意はないから安心してほしい」といったメッセージが込められており相手に対してリラックスを促しているのです。

たとえば散歩中やドッグランなどで見知らぬ犬と初めて対面したときにお座りすることがあります。

これは争いたくないという気持ちを相手の犬に相手に伝えようとしている行動です。

単にズルをしているケースも

しかし、実際には自分のほうが興奮してグイグイと接近して匂いを嗅いでおきながら相手に自分の匂いを嗅がれたくないために座ってお尻をブロックする「嗅ぎ逃げ犬」であることがほとんどです。

自身を落ち着かせる

また、座ることは自身が緊張しているときに呼吸を落ち着かせたり少し距離を置いて状況を観察できるといった効果が得られます。

このため、自分自身を落ち着かせる方法としても「おすわり」はよく使われます。

相手の興奮を鎮めたい

また、飼い主とのコミュニケーションにおいても叱られた後の気まずさを鎮め飼い主の興奮を抑えたい気持ちからオスワリすることがあります。

叱られた後に座るのは飼い主に対して「これ以上怒らないで」というメッセージです。

このように「座る」というシンプルな動作には犬が相手や自身の心を落ち着かせようとする重要な意味が込められているのです。

つぶやきただし、叱られた意味を理解しているかどうかは別です。ただ飼い主が興奮している状況が嫌なだけなのでその点を勘違いしてはいけません。

飼い主のとるべき対応

では、愛犬が「オスワリ」の姿勢を取ったとき飼い主はどのようにすればよいでしょうか。

1)落ち着いて観察する

まず飼い主は焦らずに犬の行動を観察しましょう。

飼い主は愛犬が「誰かとコミュニケーションをとろうとしているのか」または「何かに対して不安を感じているのか」を見極めてカーミングシグナルかどうかの判断をすることが必要です。

そのためには、周囲の状況と愛犬の全身のボディランゲージ(とくに表情)をよく見て理解することが重要です。

2)距離を保つ

ほかの犬や人と出会った際に愛犬がオスワリをしたなら飼い主は無理やり相手との距離を詰めさせようとプレッシャーをかけてはいけません。

犬同士のばあい

愛犬にその場から落ち着いて相手を観察させ友好的に交流する意思があるかどうかを見極めます。

相手の犬に近づいていきたいかどうかは「愛犬」に判断させるようにします。

相手人のばあい

人のほうが犬に対して正しい挨拶の方法を知っているかどうか分かりません。

飼い主としては無理に避けるのではなく愛犬を怖がらせない方法で撫でてもらえるようにうまく誘導します。

避けているだけでは愛犬は何も学べないし成長できません。

まとめ:理解と対応

犬の「座る」というカーミングシグナルは自分の緊張や不安、相手に対して敵意がないことを伝えるために使われる大切なボディランゲージ(犬語)です。

愛犬がカーミングシグナルを出しているとき飼い主は愛犬の気持ちを尊重した対応をすることが求められます。

また、ほかの犬がこちらに対してこのシグナルを使ってきたときも相手の犬の気持ちを尊重した対応をすることが大切です。

犬のカーミングシグナルを正しく読み取るスキルを身につけて、日常生活のなかでこうしたサインに気づき、犬の気持ちに寄り添うことが愛犬とのより良いパートナーシップの構築につながります。

カーミングシグナル全30種一覧

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Shizuka “Suzy” Ishida

2005年より東洋思想をベースにした「ごほうびにオヤツを使わない犬のしつけ方」を提唱。吠える・噛むの問題を抱えた小型犬のしつけを得意としていますが、保護犬の心のリハビリもしています。当サイトで提示しているしつけ方法はすべての犬に100%当てはまるものではありません。性格や状況によって対処方法はさまざまです。お試しになる際はあらかじめご理解のうえお願いいたします。

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