野犬出身のワンちゃんや、お散歩デビューしたばかりのパピーちゃんは、外の世界の経験不足が原因で、さまざまな物事に驚き過剰に反応してしまいがちです。
今回は「教えてSuzy!」に寄せられた質問「愛犬がパニックになったとき落ち着かせる方法」について、解説していきます。
困っていること
こんにちは!早速なのですが質問させてください!
日によりますが散歩の途中で人に囲まれたり人を見ると声を出しながらパニックになり暴れます。
その度落ち着かせる方法がわからなく抱っこをしています。
愛犬のプロフィール
ご相談のワンちゃんのプロフィールは以下のとおり。
- 犬の年齢:3歳
- 犬の性別:オス
- 犬種:雑種
これまでやってみたこと
パニックになったら抱っこをして声がけをする。
オヤツで気を引いてもだめでした。
どのようになりたいか?
パニックになったりしたら落ち着かせる方法がしりたいです!
よろしくお願いします!
byりえ
お散歩の動画を送って頂きました↓
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Suzyの回答
りえさん、ご相談ありがとうございます。
お散歩の動画を拝見して、いくつかアドバイスをさせて頂きますね。
飼い主さんが「うちの子はビビりで」という犬の8割は、ビビりではありません。
- 飼い主が過保護に育ててきた
- 叱られたことがない
- 経験不足
- 苦手なことを避けてきた
ことによって、どのように振舞ったら良いのか分からないだけであることがほとんどです。

今のところ「ビビり」タイプ
りえさんのワンちゃんは、現状では「マイナスのシャイ」に分類されるタイプになりそうです。
この性格の子のしつけは、飼い主さんが自分だけでどうにかしようとすると、悪化させてしまうことが多いです。
無理のさせすぎは禁物
動画を見ると、現状では愛犬にかなり無理をさせているようです。
このまま無理をさせすぎてしまうと、外の世界への恐怖は増すばかりとなってしまいます。
普段は食いしん坊なコがオヤツも目に入らないほど興奮している状態は、解消していく必要があります。
避けていては前に進めない
このようなとき「苦手なものは避けましょう」というアドバイスをもらうことがあるかもしれません。
しかし、苦手なものをいつまでも避け続けていると、今まで大丈夫だったものも苦手になってしまいます。
段階を踏みながらも、前向きに乗り越えていくことが必要です。
7つの改善策
そこで、以下の改善を提案したいと思います。
- 刺激の少ない散歩コースから慣らす
- 無理してドッグランに行かない
- 愛犬がパニックになったらまず自分が落ち着く
- ダブルリードのやり方を変える
- リードは短くもつ
- パニックになっても抱っこしない
- 股に入った尻尾はもちあげる
以下、ひとつずつ解説していきます。
1)刺激の少ない散歩コースから慣らす
ビビりタイプのワンちゃんは、さまざまな物事を同時並行的に受け入れていくことが難しいです。
このため、お散歩ルート(時間帯を含む)を決めて、一つの「お散歩ルート」にじっくりと慣らしていきます。
苦手なものが少ないコースから
このタイプのワンちゃんは、お散歩ルートに克服の必要な要素が多いと消化しきれません。
苦手な要素の少ないコースを選び、段階的に慣らしていく方法を取ります。
徐々にレベルアップ
一つのお散歩ルートに慣れたら、時間帯を変えて、また慣らしていきます。
ビビりさんにとっては、明るい時間のお散歩が大丈夫になった道でも、暗い時間はまた新たなチャレンジとなります。
雨が降っている、風が吹いている、車や人の往来が多いなどの変化も、ビビりの子たちにとってはたとえ何度も通っているお散歩コースであっても、新たなチャレンジとなります。
少しずつ、ステップアップしていくことが大切です。
2)無理してドッグランに行かない
ドッグランを幼児が遊ぶ「平和な児童公園」のようにイメージしている飼い主さんはとても多いです。
しかし、犬たちから見れば全くちがいます。
無法地帯それがドッグラン
ドッグランはどちらかというと「フェス会場」か「クラブ(パーティー)」のようなものとお考えください。
あちこちからやってきた見知らぬ老若男女が入り乱れハイになってはしゃぐ場所です。

ドッグランを楽しめる犬はごく一部だけ
場所の特性上、性格の向き不向きがあります。
愛犬がフェスやクラブのパーティーを楽しむタイプでないばあい、ドッグランの中は「地獄」にいるのと同じです。

また、居合わせたメンツによる雰囲気で環境が大きく左右されます。
このような理由から、そもそもドッグランは、すべての犬が必ずしも行くべき場所ではありません。
すべての犬が行くべき場所は、しつけ教室とパックウォークです。
ドッグランを楽しめる犬はごく一部だということを知っておいてください。
愛犬をのびのびと走らせてあげたいときは、仲良しの犬友だちを誘って、貸し切りドッグランを利用しましょう。
ドッグラン付きの貸別荘やグランピング施設なども増えてきました。
3)愛犬がパニックになったらまず自分が落ち着く
犬たちはもっとも大切な飼い主の感情を自分の感情としています。
飼い主の感情=愛犬の感情
犬の意識と行動を変えるためには、まず飼い主が自分の意識と行動を変えなければいけません。
愛犬が恐怖の感情を表したとき、飼い主がその感情に巻き込まれてはいけません。
愛犬に「こういう状態でいて欲しい」という心の状態を飼い主自身が意識的にもつことが必要です。
そうすれば、飼い主の感情を感じ取った愛犬は、気持ちを落ち着けることができます。

4)ダブルリードのやり方を変える
私たちは、犬の言葉を話すことができません。
このため、首輪を使ったコミュニケーションが愛犬との関係づくりの大きな助けになります。

首輪とハーネスに別々のリードをつける
ハーネスと首輪の2か所にフックを取り付けるタイプのダブルリードもありますが、これでは興奮している愛犬に飼い主の指示を伝えることができません。
具体的な方法については、以下のページをご参照ください。


5)リードは短くもつ
不安を感じやすい犬は(正しい態度をとっている)飼い主のそばにいることで、安心感を得ることができます。
伸縮式リードでは、不安を感じている愛犬に対して、何のサポートもしてあげることができません。
伸縮式リードを使っていては、いつまでたっても愛犬と心の通う関係を築くことができません。
その理由については以下の記事をご覧ください↓


6)パニックになっても抱っこしない
ほとんどの飼い主さんは、愛犬が怯えて暴れると急いで抱き上げます。
そして、優しく声を掛けながら撫でさすります。
なんなら、抱っこした愛犬の身体をトントンと叩いたり、愛犬を抱っこした飼い主が身体をゆらゆらと揺らして落ち着かせようとします。
たしかに、人間の赤ちゃんが泣いたときはそのようにしてあやして落ち着かせます。
犬と人では対応を変える必要がある
しかし、相手は「犬」であり、人間とは飼い主のその行為に対する解釈が異なります。
抱っこしてしまうと、犬は「飼い主に褒められた」と勘違いしてしまいます。
つまり、「飼い主は怯えた状態でいることを望んでいる」と考えます。
悪循環のスパイラル
自分が怯えた態度や行動をとることを飼い主が望んでいると信じているので「どんどん怖がって怯えよう」と考えて、恐怖の感情をより強くもつようになり、どんどん過敏になっていきます。
こうして、お互いの解釈のズレから悪循環のスパイラルが回り始め、飼い主も愛犬もお互いに辛くなっていきます。
「その態度は認めない」と伝える
では、どうすれば犬に分かってもらえるかというと「怯えた態度は認めない」と伝えます。
ここで、気をつけたいことがあります。
犬が望まない態度を取ったときは「無視をしましょう」というトレーニング方法を聞きかじり、このような状況で、犬を無視をする飼い主さんがいます。
興奮した犬に無視は通じません
しかし、興奮しているときに飼い主が無視をしたところで、本犬はそれどころではありません。
無視とは「放置」です。
無視することは、愛犬の助けになっていません。
放置された犬は、飼い主を頼ることができず、自分だけでその状況に決着をつけなければなりません。
そばにいる飼い主が力にならないのであれば、「信頼」できる相手とは思えなくなってしまいます。
我に返らせる方法をもつ
ではどうすれば良いかというと、我を忘れて興奮している犬を1秒でも早く落ち着かせることに尽きます。
このため、興奮が過剰になり始める前に、飼い主が気づいて興奮を鎮める手段をもっておく必要があります。
Suzyのトレーニングでは、「オスワリ」を犬の心を落ち着けるルーティンにするトレーニングをしています。
7)股に入った尻尾はもちあげる
犬は恐怖や不安を感じているとき、尻尾をお腹にくっつけるように股のあいだに挟み込みます。
これは犬のボディランゲージであり、犬の感情表現のひとつです。
(犬語を理解できる犬や人は)尻尾を股のあいだに挟み込んだ犬を見たら「怖がっているのだ」と判断して、そっとしておくことが普通です。

犬の猫背!?
一時的に恐怖や不安を感じたときに、股のあいだにシッポが入るのは普通ですが、ビビりの犬たちはつねに尻尾を股のあいだに挟んでいます。
頻繁に股のあいだにしっぽを挟んでいるうちに、尻尾のホームポジションがいつのまにか「股のあいだ」になってしまうことがあります。
しっぽのホームポジションがいつのまにか「股のあいだ」になってしまうと、その姿勢が気分を支配し始めます。
つまり、いつでもなんとなく不安を感じやすく自信を持てなくなってしまうのです。
人間でいうところの「猫背」のような状態です。
姿勢が気分をつくる
猫背の姿勢をまっすぐにすると気持ちが落ち込みにくくなるように、犬も股に挟んだ尻尾を上にもちあげてやると不安を感じにくくなります。
愛犬が股のあいだに尻尾を挟んでいるのを見つけたら、何度でも尻尾を股のあいだから出して持ち上げてやることにも不安解消の効果があるのです。
実践したい3つのトレーニング
ただし、上記の改善策を実行するだけでは、何か驚くような出来事に遭遇したときに「過剰な反応」をすることは変わらないままです。
上記の対策と並行して、愛犬の「感情のコントロール力」を養うトレーニングを積み重ねていくことが必要です。


最低でも、以下のトレーニングに取り組むことをお勧めします。
- 保定
- 首輪のコミュニケーション
- オスワリ瞑想
保定(ホールド)
保定で愛犬と身体を密着させることで、飼い主の感情を愛犬が感じ取りやすくなります。
保定は飼い主と愛犬の心を通わせ、気持ちを安定させる効果もあります。
具体的な方法は、以下のページをご覧ください↓

首輪のコミュニケーション
「ダブルリードのやり方を変える」という改善策で挙げたとおり、「首輪」は飼い主と愛犬が心を通わせるための大事なツールです。
ハーネスには、この代わりをすることができません。

オスワリ瞑想
「パニックになっても抱っこしない」の解説において「オスワリ」を犬の心を落ち着けるルーティンにするトレーニングを取り上げました。
お座りはカーミングシグナル
犬にとってお座りの姿勢は、もともと犬たちが自分や周囲の気持ちを落ち着かせるために表す「ボディランゲージ」のひとつです。
犬たちは本来オスワリの姿勢をとれば気持ちを落ち着けることができる生き物なのです。

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芸のオスワリが心を壊す
「うちの子はオスワリはできます」とは、飼い主さんたちからよく聞くセリフです。
しかし、オヤツで釣って座らせ、座ったらすぐにオヤツを与えて、「グッドボーイ」などと言ってテンションMAXで興奮させるように褒めて、オスワリを教えていないでしょうか?
このようなオスワリは、しつけではなく「単なる芸」です。
ほとんどの飼い主さんが、お手やオスワリを、しつけのつもりで「芸」として仕込んでしまっています。
報酬を前提にオスワリをさせ、一瞬座ったらテンションMAXで褒めるようなことを繰り返していると、犬はオスワリで興奮する犬になってしまい、気持ちを落ち着ける手段を失ってしまいます。

オスワリで落ち着ける子に
本来、オスワリの姿勢は気持ちを落ち着けるための「犬の言葉」なのです。
オヤツを使わず、飼い主の「オスワリ」の指示で、「ヨシ」と言われるまでずっと座り続けていられるようにトレーニングしていきます。
2分ほど座り続けていられるようになると、だいぶ自制心がついて、パニックを起こしにくくなっているはずです。

おわりに
具体的な方法の教え方は、犬と飼い主の状況によって千差万別です。
愛犬に落ち着いてほしいと思っている飼い主さんは、オヤツを使ったしつけを止めて、愛犬の自制心を養う方法に切り替えましょう。
あなたにピッタリの情報かも?
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