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2. 犬鞭虫(Trichuris vulpis)

犬鞭虫(Trichuris vulpis)

犬鞭虫(いぬべんちゅう)は盲腸に寄生する寄生虫です。

ご注意本記事は獣医師ではないドッグトレーナーのSuzyが、さまざまな資料を基に記録した備忘録を公開しているものです。ご自身の愛犬の治療や薬の選択の際はかかりつけの獣医師にご相談ください。

感染経路

犬鞭虫のおもな感染経路は以下のとおり。

経口感染

犬鞭虫は感染した犬の糞便に含まれる卵を経口摂取することで感染します。

感染拡大しやすい特徴をもつ虫卵

糞便とともに排泄された犬鞭虫の卵は2~4週間で感染能力をもちます。

また、非常に耐久性があり土壌などで長期間生存することができるため感染拡大しやすいことも特徴です。

症状

犬鞭虫に感染した犬が示すおもな症状には以下のようなものがあります。

  • 血便
  • 下痢
  • 体重減少
  • 貧血
  • 脱水

少数の寄生では症状が現れないこともあります。

慢性化してから感染に気づくことも

ただし、感染に気付かず慢性化すると難治性の慢性腸疾患を引き起こすことから腸炎をきっかけに犬鞭虫の感染が発覚することがあります。

感染が分かったら

治療と清掃の2つの対応が必要となります。

駆虫薬の投与

犬鞭虫の感染に対する治療には駆虫薬の投与が有効です。

以下に、犬鞭虫の駆虫に使われるおもな駆虫薬を挙げます。

  1. ミルベマイシン
  2. ドロンタールプラス錠
  3. フェンベンダゾール

ミルベマイシン

ミルベマイシンはフィラリア予防薬としても使われるお薬です。

フィラリア予防薬をミルベマイシン系にすることで犬鞭虫の寄生を防ぐこともできます

ミルベマイシンを含む駆虫薬は個人輸入で入手することもできます。

ネクスガードスペクトラ

ネクスガードスペクトラ

クレデリオプラス

クレデリオプラス

コンフォティスプラス

コンフォティスプラス

ドロンタールプラス

ドロンタールプラス錠にはジェネリック医薬品があり個人輸入で入手することもできます。

キウォフプラス

ドロンタールプラス錠のジェネリック医薬品(キウォフプラス)

フェンベンダゾール

フェンベンダゾールを含む駆虫薬は個人輸入で入手することもできます。

パナクールKH 250ml

フェンベンダゾール含有の駆虫薬「パナクールKH 250ml」

パナクールオーラルペースト(Panacur)

パナクールオーラルペースト(Panacur)

 

清掃・消毒

このほか、感染が分かったら再感染を防ぐために室内の清掃や消毒をすることも重要です。

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まとめ

犬鞭虫は盲腸に寄生する寄生虫で感染した犬の糞便に含まれる卵を経口摂取することで感染します。

卵は土壌で長期間生存でき感染が拡大しやすい特徴があります。

おもな症状は血便、下痢、体重減少、貧血などですが少数の寄生では無症状の場合もあります。

治療にはミルベマイシンやフェンベンダゾールなどの駆虫薬が有効で定期的な投与が推奨されます。

再感染防止には清掃・消毒が重要です。

予防方法

愛犬を犬鞭虫をはじめとした寄生虫感染症にさせないためには以下の対策が必要です。

駆虫薬の定期投与

治療に使用した駆虫薬を通年で定期投与することにより感染を防ぐことができます。

フィラリア、ノミ・マダニの予防と併せて犬鞭虫の駆虫にも効果のある寄生虫予防薬を選択することをお勧めします。

室内環境衛生

日ごろからの室内の清掃や消毒も大切です。

室内トイレでの排泄に気づいたら速やかに片づけ定期的に消毒もしておきます。

また、犬用の敷物やベッドなどはこまめに抜け毛を取り除いたり洗濯して清潔に使います。

放置ウンチは危険だと知る

お散歩ルートに放置されている犬のウンチには多くの寄生虫の卵や幼虫が含まれている可能性がります。

時間が経つほど寄生虫の量が増えたり、感染力が高まるものもあります。

放置ウンチは巡り巡って自分の愛犬の健康を損なうということを飼い主一人ひとりが肝に銘じる必要があります。

また、お散歩中は愛犬のリードを短くもち、放置ウンチの匂いを嗅がせたり、食べられてしまわないように十分な注意を払いながら歩くことも大切です。

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Shizuka “Suzy” Ishida

Shizuka “Suzy” Ishida

2005年より東洋思想をベースにした「ごほうびにオヤツを使わない犬のしつけ方」を提唱。吠える・噛むの問題を抱えた小型犬のしつけを得意としていますが、保護犬の心のリハビリもしています。当サイトで提示しているしつけ方法はすべての犬に100%当てはまるものではありません。性格や状況によって対処方法はさまざまです。お試しになる際はあらかじめご理解のうえお願いいたします。

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