ワンちゃんのお散歩にシュルシュルと伸び縮みする「伸縮式リード」をつかっている飼い主さんをたくさん見かけます。
あまりにもたくさんのワンちゃんが「伸縮式リード」でお散歩をしている姿を見かけるため、犬のお散歩と言えばコレという定番アイテムだと思っている方も少なくありません。
「伸縮式リード」は、一見便利で犬も楽しそうに見えますが「伸縮式リード」を使用した犬のお散歩には多くのリスクが伴います。
じつは「伸縮式リード」は、飼い主さんと愛犬にとって「百害あって一利なし」であるということをご存じでしょうか?
伸縮式リードとは?
持ち手の付いた巻き尺の紐先に「ナスカン」がついていて、首輪やリードとつなぐことができる形状をしたリードです。
犬が引くと本体に収納された紐が伸び、紐が緩むと本体の中の巻き取られていく仕組みになっています。
飼い主が紐捌きをする必要がなく楽ちんであることから普及したのではないかと考えられます。
伸縮式リードの有名なブランドには、米国の「フレキシ・リーシュ」などがあります。
使用を禁止されている場所もある
そもそも、伸縮式リードは欧米圏で開発された犬具であり、狭い日本の道路で犬を散歩させる目的で設計されていません。
一部の自治体では、公園や公共施設での伸縮リードの使用を禁止している場合があります。
リスクの高い事故・トラブルの例
このため、伸縮式リードに端を発した事故は数十年前から発生していて、裁判沙汰になったケースもたくさんあります。
伸縮式リードを使ってお散歩をしている飼い主さんは、実際に以下のような事故を起こしたり、ヒヤリ・ハットの場面に遭遇したことがきっとあるはずです。
愛犬が事故にあうリスクが高い
- 愛犬が急に思わぬ方向へ走り出して、人や車にぶつかってしまった。
- 愛犬のリードの引っぱりがあまりに強く、伸縮式リードのストッパーが破損し、愛犬が制御できなくなった。
飼い主が「やけど」をするリスクが高い
- 愛犬が急に走り出してストッパーを掛けるのが間に合わず、紐を手で握って止めたら手のひらをやけどした。
- 伸縮リードのストッパーが破損し愛犬が制御できなくなったため、紐を手で握って止めたら手のひらをやけどした。
ほかの犬をケガさせるリスクが高い
愛犬が突然他の犬に向かって突進していき、ストッパーを掛けるのが間に合わず、相手の犬に噛みついてしまった。
ベビーカーの赤ちゃんにケガをさせるリスクが高い
- 愛犬が急に方向転換をしたため、後ろから来たベビーカーを引っかけて転倒させ、乗っていた赤ちゃんをケガさせてしまった。
5. 自転車を転倒させるリスクが高い
- 夕方のお散歩中リードを長く伸ばして愛犬を歩かせていたら、紐が伸びていることに気づかない自転車が紐に引っ掛かり転倒した。自転車は壊れ、人も愛犬も大怪我をした。
「伸縮式リード」が「伸縮」することは、犬を飼っている人しか知らない
まず、「伸縮式リード」というものは、だれもがその機能を知っている道具ではありません。
犬を飼っていない人は、リードが突然伸びるとは夢にも思っていません。
また、細い紐は遠くからは人に見えません。
思わぬ事故につながる可能性があります。
犬の散歩中の事故はケガをしてもさせても不幸です。
近隣の人たちとの関係をよくする
ご近所との関係をよくする 「犬のしつけ3原則」で、取り上げた3つの項目の最後は、「ご近所との関係をよくする」でした。 過剰に強い同調圧力の文化をもつ国、ニッポン 日本社会の欠点として、過剰に同調圧力の強い文化が問題視されています。そんな環境において、「他人の目を気にしない」とい...
飼い主と愛犬の関係性における問題点
伸縮式リードがNGなのは、ケガや事故だけが理由ではありません。
じつは、飼い主としてはこちらのほうが重大な問題かもしれません。
コミュニケーションの問題です。
愛犬のしつけが困難になる
犬とのコミュニケーションの初期段階では、リードを通じたコミュニケーションをつかって意思の疎通を図ります。
しかし、伸縮リードは、巻き取る力が犬に常に一定の負荷をかけ続けるため、リードをもつ手の力加減を利用したコミュニケーション方法を使うことができません。
また、犬が飼い主から離れて自由に行動することを許してしまいます。
このため、オヤツを使って犬を操作するしか方法がなくなってしまい、心の通った関係を構築することができなくなってしまいます。
まとめ:安全で愛犬と心の通った楽しい散歩をするためには
犬の散歩は、愛犬と飼い主の大切なコミュニケーションの時間です。
普段のお散歩(狭い場所や人混み)では、細かな指示を出せる普通のリードを使います。
通常のリードを使って、飼い主さんと心の通い合う関係を構築できた犬は、伸縮式リードを好みません。
飼い主が手からリードを取り落としたら、何も言われなくてもその場に留まり、飼い主がリードを拾うまでじっと待つ子に育ちます。
どうしても使いたいならロングリードの代わりに使う
ボール遊びやフリスビー投げができるほど広い場所に出かけたときに、遊ぶときだけ「つけかえて」使用するのが狭い日本での「伸縮式リード」の正しい使い方です。
この投稿をInstagramで見る
そして、常に周囲に気を配り、周囲の人や犬に迷惑をかけないようにすることと、犬が急に走り出しても、すぐに制御できるように、つねにストッパーに指を置いておくことを忘れないことです。
もし、まだ愛犬のしつけが十分にできていないと思うのであれば、「まだ使用しない」ということも大切です。
LINEでSuzyに質問!
この記事を読んで、もっと知りたいことや疑問が沸いてきたら、以下のページからLINEのお友達登録のうえ、チャットでSuzyにご質問ください。
教えて!Suzy!!
Suzyに聞きたい! 犬のしつけ情報を探してインターネットをしていてこのサイトにたどり着き、いろいろな記事を読んでみて、もっと知りたいと思うことがあったかもしれません。そんなときは、LINEお友達登録のうえ、チャットでご質問をお送りください。 質問受付中 誰かが知りたいと思っていること...