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犬の年齢を人間の年齢に換算すると?

Dog Year

という言葉があります。

イヌはヒトよりも、うんと早く歳をとり寿命を迎えるので、

ものすごく(時間の)スピードが速いことをさして、そのように表現します。

How Old Is My Dog? Identification of Rational Age Groupings in Pet Dogs Based Upon Normative Age-Linked Processes

行動と認知の面からみた犬と人間の年齢の比較にかんして「Frontiers in Veterinary Science 」Vol. 8において新しい研究結果がでたそうです。

  • 子犬期:0〜6カ月
  • 思春期:6〜12カ月
  • 若年成犬期:12〜24カ月
  • 成犬期:2〜6歳
  • シニア期:7〜11歳
  • 高齢期:12歳以上

さらにシニア期を細かく分類すると、

  • シニア前期:7〜9歳
  • シニア後期:10〜11歳
  • 高齢期:12〜14歳
  • 超高齢期:15歳以上

というふうに分類するのがよいと説明しています。

大型犬と小型犬での年齢の差はない

また、この研究では大型犬と小型犬での年齢の差はないとしています。

大型犬が小型犬より短命なのは大型犬が早く歳をとるのではなく大型犬種が遺伝的に若死にするように作られているのだと論じています。

大型犬は小型犬より早く寿命を迎えますが同じ年齢の小型犬と比べて認知機能が劣るということはないのだそうです。

これは、わかりやすくてとても良い説だと思いました。

これからは犬の大きさに関係なくシンプルに年齢換算できます。

犬の年齢を人の年齢に置き換えたら?

以下はSuzyのこれまでのトレーナーとしての経験値から想定する犬=人の年齢換算です。

犬たちは人間の何倍ものスピードで大人になり歳をとっていきますが、そのスピードは一定ではありません。

ライフサイクルにおいてキーポイントとなるステージがいくつか存在しています。

子犬期(~5カ月くらいまで)

犬は最初の1年間で人の約15年分に相当する成長を遂げます。

たったの1カ月が1年以上に相当するため子犬を飼う人は予め犬の月齢と人間の年齢の比較を頭に入れておく必要があります。

生後2カ月は人間の1歳くらい

「動物の愛護および管理にかんする法律」(動愛法)により生後8週齢に満たない子犬の販売は禁止されています。

このため一般の飼い主の元へ子犬がやってくるのは生後56日以降となります。

人間に置き換えると卒乳を始めた1歳前後といったところです。

生後3カ月は幼稚園生

生後3カ月は

生後4カ月は小学1・2年生

 

生後5カ月は小学3・4年生

 

和犬は精神的に早熟な傾向

 

思春期・若犬期(生後6カ月~2歳くらい)

生後6~7カ月

 

生後8~12カ月

 

1歳半(18カ月)

 

成犬期(2〜6歳くらい)

早い子では2歳を迎えるあたりで「性格」が定まってきますが、2歳頃から「遅れてやってきた思春期」が始まる子もいます。

2~3歳は20代

心身ともに充実してくるのが2~3歳くらいです。

2~3歳くらいの成犬でもともと相性があう(活動レベルが家族と同じくらい)の犬を飼い始めるとスムーズに家庭に馴染むことができます。

まだまだ体力がたくさんある年齢なので、愛犬と毎日たくさんお散歩したり、アクティブに活動したい方は、すでにこの年齢まで育ち済みの犬を迎えることをお勧めします。

4~5歳は30代前半

より、落ち着きが出てくる年齢です。

個体によりますが、これまでよりも運動欲求が減ってくる年齢です。

たとえば、これまで毎日朝晩1時間以上散歩に行き、走ったりボール投げなどをして体力を発散させなければ、家のなかで吠えたりイタズラが激しかったような犬であっても、走らない30分零度のお散歩でも満足できるようになるなどしてきます。

このため、夫婦でフルタイムの共働きで朝晩に1時間も散歩をする時間をとれない家で犬を飼いたいと考える人は、この年齢の犬をお迎えするとスムーズに家庭に馴染みやすいです。

もちろん、休日は一緒にお出かけすることも十分楽しめます。

6歳は30代後半

 

シニア期

医療や食が向上した結果、家庭で暮らしている犬たちの多くが長生きするようになり、犬生の大半が「シニア期」となっています。

7歳は犬の厄年=人の40代に突入!

シニア前期(7〜9歳)

血液検査などの健康診断をすると老化現象が見られはじめるのが一般的に「7歳」と言われます。

今まで健康優良児だった愛犬に初めて「病気」が発覚するのも「7歳」が多い傾向にあります。

このため犬の7歳は「犬の厄年」と呼ばれます。

見かけは元気そのもので今までの愛犬と何も変わらないのですが、少しずつ「老い」がはじまってくる時期です。

しつけの見直し時期

今後、病気の治療のために「投薬」が必要になったり、頻回に病院通いをすることになっていきます。

そのとき、過剰に犬が負担を感じてしまうようでは「長生き」は見込めません。

このため、診察や投薬、もしくは入院などに対して愛犬が過剰に負担を感じることがないような「しつけ」を予めしていく必要があります。

全身麻酔の処置をする最後のチャンス

避妊手術をしていないメスは「乳腺腫瘍」にかかるリスクが高まります。

まだ体力がある若いころに「麻酔をかけるなんて可哀そう」という理由で「避妊手術」をしなかったために10歳を超えてから命がけで全身麻酔をして「乳腺腫瘍」の手術をする飼い主さんは少なくありません。

死因に直結する「歯周病」

歯石の除去には全身麻酔が必要です。

歯みがきをきちんとやっていても奥歯にどうしても歯石が溜まってしまうこともあります。

歯石が原因となって罹患する歯周病ですが、この歯周病菌が「心臓病」や「糖尿病」の一因であることは犬の飼い主にあまり知られていません。

全身麻酔のリスクが一段と高まるシニア期になる前までが予防医療での全身麻酔の最後のチャンスであるともいえます。

10歳は犬の還暦=60代に突入!

シニア後期(10〜11歳)

気持ちはまだまだ若いですが身体の老いが目に見えてくるのが10歳あたりからです。

黒い子でなくとも白髪が目立ってきたり毛のボリュームが減ってきたことが見た目で分かるようになってきます。

また、暑さ・寒さに弱くなってきたりジャンプ力が明らかに落ちたのを飼い主が実感するタイミングです。

これまでは健康診断の結果以外で愛犬の「老い」を感じることがなかった飼い主も客観的に老いを実感しはじめる時期といえます。

超大型犬や短頭種などもともと寿命の短い犬種では寿命を迎える子も出てきます。

12歳は人の70歳

高齢期(12〜14歳)

目の奥が白く濁って視力が衰えたり、トイレを失敗するなどが起きはじめます。

ある日、突然病気で倒れて飼い主を驚かせることも少なくない年齢で、思いがけず重病が発覚することもあります。

世界一の長寿国である日本でも70代で亡くなる方は少なくありません。

同じ犬種であっても寿命に大きな差が出てくるのが12歳を迎えるあたりからとなります。

犬の15歳は80代

超高齢期:15歳以上

15歳を超えると何かしら介護が必要になっていることも少なくありません。

認知機能の衰えによって夜泣きや徘徊なども起きてくる年齢です。

ここまで来たらしつけで犬の行動を改めるという考え方ではなく、別れがやってくるその日までいかに快適に過ごせる工夫を飼い主がしてあげられるか?という意識で対策を考えることが必要になります。

比較的寿命が長い小型犬であっても15歳のお誕生日を迎えることができたなら「大往生」です。

飼い主は愛犬の死を悔やむ必要はないと言えます。

18歳は100歳

15歳の壁のつぎには17歳の壁が存在します。

大切に飼われて17歳まで生きたワンちゃんはたくさんいますが、18歳のお誕生日を迎えられる子はかなり少ないです。

人でいえば100歳を超えるのに相当するものと考えられます。

20歳は110歳

犬で20歳を超えることはなかなか難しく本当にまれなケースと言えます。

このため、人間に置き換えるとギネス記録の候補者に相当すると考えられます。

教えるべき内容や教え方が年齢で変わることは意外と知られていない

実際、犬のしつけにおいてもこの年齢区分で教え方や教えるべきことが変わってきます

とくに、子犬期と思春期~青年期(上記分類における若年成犬期)では、まったく手法が変わってきます。

子犬向けのしつけをいつまでもしていると、いつまでも赤ちゃんじゃないので愛犬もツラいですよ。

たとえばトイレの教え方ひとつとっても、

  • 子犬期のトイレトレーニング
  • 思春期のトイレトレーニング
  • 老犬期のトイレトレーニング

は、まったく違うのです。

いつまでも子犬扱いせず精神年齢に応じた対応をしてあげたいですね。

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Shizuka “Suzy” Ishida

Shizuka “Suzy” Ishida

2005年より東洋思想をベースにした「ごほうびにオヤツを使わない犬のしつけ方」を提唱。吠える・噛むの問題を抱えた小型犬のしつけを得意としていますが、保護犬の心のリハビリもしています。当サイトで提示しているしつけ方法はすべての犬に100%当てはまるものではありません。性格や状況によって対処方法はさまざまです。お試しになる際はあらかじめご理解のうえお願いいたします。

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