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犬のしつけの本質とは:愛犬と築く理想の暮らし

犬を飼い始めたとき多くの飼い主が「しつけ」に関心をもち、しつけ本やネットにマニュアルに頼ります。

多くのしつけ本には犬が従うべきコマンドや訓練方法が事細かに記載されています。

そして、それをすべて達成することが「しつけの成功」と捉えられがちです。

しかし、しつけの本の内容を完全にマスターしたからといって必ずしも愛犬との理想的な生活が築けるわけではありません。

むしろ、そうした方法論に固執するあまり飼い主が「しつけの本質」を見失ってしまい愛犬との生活にかえって問題を抱えてしまうことが少なくありません。

マニュアルに頼る危険性

多くのしつけ本は愛犬をコマンドで従わせるための訓練方法を強調していて犬が指示に従うようになりさえすれば「良い犬」になれるのだと謳っています。

たとえば「座れ」「待て」「伏せ」といったコマンドを完璧にこなすことが犬のしつけのゴールのように書かれていることが多いです。

しかし、実際にはこれらの動作をすべてこなせる犬が必ずしも生活しやすい心の穏やかな犬になるわけではありません

これは、人間の教育に置き換えて考えたとき「問題集をすべて解ける」「テストの成績が良い」ことだけがその子どもの能力を評価する指標であると錯覚するのと似ています。

問題集を解けたからといって必ずしもその人が東大に合格するわけでもありません。

また、東大に合格したからといってその人がその後社会で成功し幸せな人生を送るとは限りません。

犬のしつけも同様でショーや競技会などで優秀な成績を収めた犬が必ずしも飼い主やほかの犬たちと良好な関係を築けるとは限らないのです。

実際に、競技会で優秀な成績を収めた犬が日常生活ではほかの犬や人に吠えついたり、飼い主に(コマンドに従った見返りとしての)オヤツを要求して噛み付くといった問題行動を起こすことはまったく珍しくありません。

また、飼い主のほうも犬の成績を上げることばかりに意識が偏って他人やほかの犬に恐怖を与える行動(公共の場所でノーリードのトレーニングをやりだす等)を平気で取り始めます。

つまり、しつけ本に書かれた方法論に固執すると本当の意味での「共生」や「信頼関係」を築くための手段としてのしつけからどんどん離れていってしまうことが大いにあり得るのです。

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生活におけるしつけの意味

しつけの本質とは犬が飼い主のコマンドを忠実にこなすことではありません。

むしろ、愛犬との生活をどのように豊かに、そして穏やかに過ごせるかという視点が重要です。

そのためには、単に指示に従わせるのではなく愛犬とのコミュニケーションを通じて信頼関係を築き、愛犬の心を育むことが求められます。

人間でいうところの心の知能指数(EQ)を上げる教育です。

しつけ本に書かれている方法はそのための一つの手段に過ぎません。

飼い主は愛犬とどう暮らしたいのか、そしてその暮らしに向けてどのようなアプローチが必要なのかを考え、そのために取り入れるべき内容を選択できるということが犬のしつけの最も大切な部分なのです。

この子とどんな暮らしがしたいか」を考えることは、しつけの根本的なスタート地点です。

それを明確にしないまま、ただマニュアルに沿った方法論だけで進めていくと飼い主自身が教えることに自信をもてず、迷いを感じやすくなり、愛犬も混乱してうまく行かなくなるのです。

しつけ本で学んだコマンドをいくら口に出してみたところで飼い主が明確なビジョンを持たずにただ指示を出しているのであれば、愛犬はその背後にある飼い主の思いを汲み取ることができず指示を理解することが難しくなります。

つぶやきそして、オヤツで釣って表面的な操作をするしかなくなり愛犬との心の距離は離れていきます。

これは、しつけが単なる「訓練」ではなく犬と人との「対話」であることを忘れてしまうことから生じる問題です。

愛犬との暮らしのビジョンを描く

では、具体的にどのようにして「この犬とどんな暮らしがしたいのか」を考え、それに基づいたしつけを進めるべきでしょうか。

まず、飼い主は自分のライフスタイルや価値観を振り返り、どのような生活が理想的かを明確にすることが大切です。

たとえば、

  • ほかの犬とは一切交流させず、
  • 飼い主以外に興味の対象があってはならず、
  • 飼い主の指示に従いさえすれば良い

と考えるのか、

それとも、

  • お散歩中にほかの犬や飼い主さんたちとの交流も楽しみ、
  • 車に乗って一緒に旅行に行ったり、
  • ドッグカフェを楽しみたい

と思っているのか。

飼い主が愛犬との暮らしに求める内容によってしつけの内容や重点は変わってきます。

重要なのは飼い主のライフスタイルと愛犬の性格や特性が調和するようにしつけを進めることです。

つぎに、しつけの過程で愛犬とコミュニケーションを取りながら柔軟にアプローチを変えることが求められます。

すべての犬にはそれぞれに個性があります。

ひとつの方法論が全ての犬に通用するわけではありません。

飼い主が愛犬の反応を見ながら教え方を変える(または指示の強弱を調節する)ことで犬は「自分が理解されている」と感じて飼い主への信頼を深めます。

これは、ただ単にコマンドを繰り返すだけでは得られない真のコミュニケーションといえます。

飼い主と愛犬の心の成長

愛犬にしつけを教えることは飼い主と愛犬がともに成長しより良い関係を築くためのプロセスです。

しつけを通じて犬は飼い主の意図を理解し、飼い主は犬の個性や感情を尊重することを学びます。

このプロセスを大切にすることで犬はただの「おりこうな犬」ではなく家族としての絆を感じられる存在になります。

しつけの本質は犬に指示を従わせることではありません。

また、しつけとは一度行なって完了するものではなく生涯を通じて続けていくものです。

犬の年齢や環境の変化に応じて内容や方法も変化していきます。

つねに愛犬の心に寄り添いその時々の状況に応じた適切な方法でしつけを行うことで愛犬との暮らしがより豊かで意味深いものになるのです。

まとめ

しつけ本に書かれた方法論をただ実践するだけでは愛犬との理想的な生活を築くことはできません。

重要なことは自分が「この犬とどんな暮らしがしたいのか」を明確にし、そのビジョンに基づく内容のしつけを行うことです。

「犬のしつけ」とは単なる訓練ではなく飼い主とその愛犬との対話であり信頼関係を築くためのプロセスです。

飼い主が愛犬とともに学び成長しながら暮らしを築いていくことこそが「犬のしつけ」の本当の目的なのです。

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Shizuka “Suzy” Ishida

Shizuka “Suzy” Ishida

2005年より東洋思想をベースにした「ごほうびにオヤツを使わない犬のしつけ方」を提唱。吠える・噛むの問題を抱えた小型犬のしつけを得意としていますが、保護犬の心のリハビリもしています。当サイトで提示しているしつけ方法はすべての犬に100%当てはまるものではありません。性格や状況によって対処方法はさまざまです。お試しになる際はあらかじめご理解のうえお願いいたします。

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