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【総集編】カーミング・シグナルをおぼえよう!

【全30種解説】愛犬の気持ちが手に取るようにわかる:めざせ!カーミングシグナル・マスター!!

犬が身体を使って自分の気持ちを表す「ボディーランゲージ」のなかには「カーミングシグナル」と呼ばれる特別なボディーランゲージがあります。

カーミングシグナル」は犬社会を円滑にし、犬が犬らしく安心して生きていくための術として必ず身につけるべき「最重要語」とされる、犬たちにとって非常に重要なボディーランゲージです。

本記事ではこのカーミングシグナルを、そのレア度とともに[全30種]を徹底解説します。

ボリューム満点ですが、ぜひ最後まで読んでカーミングシグナル30種をマスターしてくださいね。

カーミング・シグナルとは?:犬が命を守るための「最重要語」

ノルウェーのドッグトレーナーであるTurid Rugaas(トゥーリッド・ルガース)氏が、犬が使うボディーランゲージのなかでも、とくに興奮を鎮め争いを避けるために使われているものを選別して「カーミングシグナル」(Calming Signal)と命名しました。

Calming Signals – The Art of Survival – by Turid Rugaas

  • ボディランゲージの一種 “The Language of Peace”
  • 不安やストレス、または興奮を感じたとき
  • 相手(と自分)に、落ち着きを促すための合図
  • 無用な争いを回避するための身体を使った表現
つぶやき:犬は犬だけでなく人に対してもこのサインを使っていますよ

知らないとトラブルを避けられない

犬も人もこのシグナルを読み取り適切な返答(ボディランゲージ・行動)をすることができないと…

  • 犬同士のケンカ(咬傷事故)
  • (人は)犬に噛まれる!
  • 飼い主の言うことを聞かない!!

という事態が発生します…。

カーミングシグナルの理解と読み取りのスキルが、愛犬との暮らしの質を大きく左右します。

犬だって教わらなければ分からない

しかし、一般に購入することができる子犬たちのほとんどは、犬として生きていくための基礎知識であるカーミングシグナルを学ぶ機会がないまま母犬・兄弟犬たちと生き別れ、ペットショップの店頭に並びます。

2~3頭の子犬同士を展示スペースの中で触れ合わせる展示方法を採用しているペットショップもありますが、残念ながら、そこには大人の犬がいません。

「2~3頭の子犬同士」だけでは不十分で、必ず社会性を身に着けた大人の犬の存在が不可欠なのです。

ペットショップの店頭で、こうした子犬たちを

そして、犬としての常識やルールを身につけることができないまま、人間の家族になってしまった結果、思春期を迎えたあたりから「犬としての生き方」が分からずに苦しむ犬たちがたくさんいます。

飼い主には愛犬に教えるが義務ある

飼い主は愛犬がカーミングシグナルを上手に使えているかをきちんと見極め、親犬に代わってカーミングシグナルの使い方を教えられるレベルになることが非常に重要になります。

愛犬が日常で出会うさまざまな相手に対して、適切な対応がとれるように導くことが「犬のしつけ」のスタート地点です。

愛犬が上手に使えるように手伝うことによって、愛犬からの信頼を勝ち取ることができます。

カーミング・シグナルの種類

諸説ありますが、カーミングシグナルに分類できる犬のボディーランゲージには、以下の30種類があるといわれています。

いくつか統合できそうな項目もあり、Suzy個人的には少々分類が冗長な気もしますが、提唱者であるルガース氏の定義に則って(日本語訳しながら)ひとつずつ解説します。

つぶやきなお、タイトル右側の★の数はSuzyの独断と偏見による頻出度を表しています。★の数が多いほど多くの犬が使っているカーミングシグナルです。★の数が少なくなるほど使いこなしている犬の数が減っていきます。★が1コのカーミングシグナルが見られる機会は非常に少ないため見られたらラッキー。ぜひ、見逃さないようにしましょう(もし、動画が撮れたらSuzyに送ってください)。

1)ゆっくりと歩く[★★★★★]

Walking slowly

ほかの犬を見つけたら一旦立ち止まる。

その後、ゆっくりと歩き出し何度か止まりながら相手に近づく。

ほかの犬に近づくとき、正面からまっすぐには近づかない。

相手の犬から(仲良くしてくれるかどうか)メッセージを貰うための呼び掛けのポーズ。

相手からメッセージが返ってこなければ、近づくことはしないのが礼儀。

Suzyの補足解説

犬同士が挨拶をする場面や新しい環境に入る場面では、素早い動きをしたり突然の行動をとることは相手の不安を煽ります。

このため、「ゆっくりと歩く」は犬社会における基本中の礼儀作法となります。

子犬期(~生後5カ月)を過ぎたら、飼い主は愛犬がきちんとこのシグナルの使い方を教えなければなりません。

より詳しい解説は「ゆっくりと歩く:犬のカーミング・シグナル(1)」をお読みください。

2)身体を横に反らす[★★★★★]

Turning the side

犬同士が近づいたとき視線を避けるように体を横に反らす行為。

自分の脇腹を相手に見せ相手に対して敵意がないことを表す。

人間の言葉に置き換えれば「こんにちは!」

Suzyの補足解説

「目と目があったら喧嘩の合図」が犬社会。

初対面で視線を合わせることは絶対に避けるのが礼儀なのです。「身体を横に反らす」のは視線を合わせないための礼儀なのです。

3)カーブを描きながら近づく[★★★★]

Walking in a curve

犬は相手に近づくとき、まっすぐ一直線に向かっていかないのが犬社会におけるルール。

相手に敵意がないことを表すシグナル。

Suzyの補足解説

「身体を横に反らす」の発展バージョンです。

犬社会の常識として、一直線に相手の真正面に向かっていくのは敵意を表す行為となります。

そのような行動を愛犬に許していては、喧嘩になって当たり前。

カーブを描くように斜め前から相手に近づくのが犬社会における礼儀正しい挨拶の方法です。

相手の犬の警戒心を解くための有効なカーミングシグナルなのですが、このシグナルを使える犬が本当に少ない(涙)。

愛犬が自分から礼儀を守った行動がとれないばあいも、礼儀正しい近づき方になるよう飼い主が誘導してやることで、だんだん正しい近づき方ができるようになります。

4)横を見る[★★★★]

See the side

見知らぬ犬同士が近づくとき、目と目や鼻先と鼻先を最初に合わせることはしないのが犬社会の礼儀。

お互いに身体の側面を見せながら、相手のお尻のほうへ近づいていくのが礼儀正しい挨拶。

Suzyの補足解説

目と目があったら「喧嘩の合図」。人間でも、そういう人たちがいますね。

怖い人(犬)と目を合わせないようにして危険を回避するという本能は、犬たちにも備わっています。

(2)の「身体を横に反らす」と似ていますが、こちらは身体の向きは変更しないバージョンであるとSuzyは解釈しました。

より詳しい解説は「横を見る」をお読みください。

5)尻尾を振る[★★★★★]

Wagging tail

大抵は好意を表す。

嫌なら振らない、少し嬉しいときは小さく振る、とても嬉しいときはブンブン振るなど、振り方により内容は変化する。

Suzyの補足解説

尻尾を振っているからといって、必ずしも喜んでいるとは限らないということは、犬の飼い主であるならば必ず知っておきましょう。

6)座る[★★★★★]

Sitting down

状況が難しくなったときに出されるはっきりとした争いを避けるシグナル。

服従を表すだけではなく安全確保のためシグナル。

Suzyの補足解説

犬のしつけとして「お座り」を教えることは基礎中の基礎ですが、その教え方によっては犬が言葉として「お座り」を使う手段を失うことになってしまいます。

犬が座ることにも「意味」があります。

ただし、自分が相手のお尻の匂いをさんざん嗅いだ後に自分のお尻の匂いを嗅がれたくないがゆえに座ることはマナー違反で許されることではありません。

嗅ぎ逃げ、ダメ、絶対!

7)どこかに行ってしまう[★★★★★]

Go away

犬同士がお互いを認めた後に見られるシグナル。

安心感や快適さを表すシグナル。

Suzyの補足解説

お散歩中に出会った犬同士が、一通り匂いを嗅ぎあった後にすっとお別れするのは決して仲が悪いわけではないのです。

コミュニケーション能力の高い大人の犬同士は、お散歩中にすれ違う犬との交流をコレで締めます。

決して、お互いに興味がない訳ではないのです。

8)前足を上げる[★★★★]

Lifting ones paws

緊張や興奮を落ち着かせようとしているシグナル。

Suzyの補足解説

ほとんどの飼い主さんが、愛犬が前足を片方持ち上げて立ち止まる姿を見たことがあるのではないでしょうか?

あれは、犬の言葉「カーミングシグナル」だったのです。

先代のポコちゃんは新しい場所や新たな登場人物(犬)が現れたときなどに、状況を確認するためにしょっちゅう立ち止まっていました。

より詳しい解説は「前足を上げる」をお読みください。

9)鼻を持ち上げる[★★★]

Nose up

天を仰いで嗅いでいるようなしぐさは自分が相手に敵意をもっていないということを訴え、相手を落ち着かせようとするシグナル。

人に対しておこなうばあいは人に何かして欲しいという要求があるとき。

Suzyの補足解説

犬が顔を上げて鼻をスンスンしているとき、匂いを嗅いでいるとは限らないことを知っておきましょう。

犬に対してと、人に対してで意味合いを使い分けているって、冷静に考えるとすごい能力です。

10)2頭のあいだを裂く[★★★]

Going between, splitting up

争いを仲裁する行為。

ほかの2頭が近づきすぎたときに距離を保ち、ケンカをしないよう促す行為。

Suzyの補足解説

家でもソファなどで人間同士がくっついていると愛犬があいだに割り込んでくることがあります。

それは、決して「やきもち」をやいたからではなく「近すぎてケンカになる」と思って、二人の距離を遠ざけようと考えての行動です。

より詳しい解説を読みたい方は「2頭のあいだを裂く」もクリックしてお読みください。

11)あくびをする[★★★★]

Yawning

自分と相手の緊張をほぐす行為。

Suzyの補足解説

あくびをしている犬は眠たいとは限らないのです。

緊張している犬の目の前であくびをして見せると犬の緊張をほぐせるとか・ほぐせないとか。

もちろん、眠たいから出るときもありそこは人間と一緒です。

犬のあくびについてもっと知りたい方は「 あくびをする」をお読みください。

12)身体を振る[★★★★★]

Shaking off

緊張をほぐすシグナル。

嫌なことを我慢した後に行うことが多い。

Suzyの補足解説

シャンプーの後によく見せるあの行動ですが、決して水切りのためだけにやっている訳ではないのです。

より詳しい解説は「 身体を振る」からドウゾ。

13)身体を低い位置に落とす[★★★]

Lower the body

今にも飛びかかろうといているこの体勢は歓迎・喜び・遊びの誘いのシグナル

ただし、ほかのボディランゲージと総合して判断したばあい攻撃を表すこともあるので注意

Suzyの補足解説

前から歩いてくる犬をフセして待っている状態などもこれにあたります。

無表情で相手の犬を直視しながら待っているケースが多く非常に判断が難しいため、原則「攻撃」だと思っておいたほうが無難です。

なかなか、正確な意図を読み取るのが難しいポーズです。

より詳しい解説は「身体を低い位置に落とす」をお読みください。

14)遊びの誘い[★★★★]

Going down in play position

尻尾を振りながら体を低い位置に落とす。

遊びの誘いや歓迎を表すシグナル。

犬は体全体で歓迎や喜びを表現する。

Suzyの補足解説

(13)の「身体を低い位置に落とす」と似ていますが、こちらはいわゆるプレイバウ(Play bow)というやつです。

タラ氏が散歩中に出会うワンコたちにめちゃくちゃ繰り出す技なのですが、年齢が上がるにつれてだんだん相手にされなくなってきました…。タラ氏、しょんぼり。

プレイバウについてもっと詳しく知りたい方は「遊びの誘い」をお読みください。

15)子犬のように振る舞う[★★]

Like a puppy

子犬のようにじゃれついてみたり周りをはしゃぎまわったりする行動は、遊びの誘いのシグナル。

一緒にいることを喜んでいる。

Suzyの補足解説

明るい性格の犬が、相手の犬に対して自分の友好的な態度を示すときに使いますが、そうとも限りません。

このシグナルを出すとき、その犬の心の内には全く異なるバリエーションがあります。

飼い主は、その「心の内」に応じた対応方法をとる必要があります。

より詳しい解説は「子犬のように振る舞う」をご覧ください。

16)そっぽを向く・頭を動かす[★★★★★]

Turning the head

相反する2種類の気持ちを表していることが考えられる。

  • 嬉しさの高ぶりを抑えるシグナル。お散歩に行く前や、ご飯の準備をしているときなどに「無関心」を装うような態度
  • もしくは、目線をそらせたり顔を背けたりするのは、相手が怖くて自分や相手を落ち着かせたい場合であることも

Suzyの補足解説

状況によって意味合いが変わってきます。

そっぽを向く・頭を動かす」は、解釈にテクニックを要するカーミングシグナルです。

より、詳細な解説は「そっぽを向く・頭を動かす」をご覧ください。

17)口元を後ろへ引く[★★]

Lengthen the corner

犬同士がお互いに顔を見合わせたときに交わされるシグナル。

相手に対して敵意がない・軽い服従を表すシグナル。

Suzyの補足解説

愛想笑いに近い?

注意深く犬たちを観察していると、見つけることができますよ。

より詳しい解説は「口元を後ろへ引く 」をお読みください。

18)歯をカチカチと鳴らす[★]

Tang the teeth

歯を鳴らしているとき、歯をむき出していなければケンカ腰の相手を落ちかせようとするシグナル。

歯を鳴らしているときに首の毛が逆立っていたり、歯をむき出している場合は威嚇のシグナル。

Suzyの補足解説

非常にレアなカーミングシグナルなので、見られたらラッキー!

これは瞬間的に出されるカーミングシグナルで、注意して見ていなければ見落としてしまうほど一瞬であることが大半です。

しかし、見逃さないことが重要です。

判断が難しいところですが、カーミングシグナルとして使う子は珍しい(柴犬でやる子が多いかな)ため、どちらにせよ、愛犬がこの表情を見せたらそれ以上の無理強いをしないことが賢明です。

そして、何に対する緊張を収めようとしているのかを見極めて、気持ちを落ち着けてあげましょう。

より詳しい解説は「歯をカチカチと鳴らす」ををご覧ください。

19)口と鼻の周りをなめる[★★★★★]

Licking nose

犬に対して見せるばあいは、相手に敵意をもっていないことを表すシグナル。

人に対して見せるばあいは、喜びのシグナル。

Suzyの補足解説

ルガース氏は「喜びのシグナル」とも言っていますが、これまで多くの犬たちを見てきての実感としては、圧倒的に緊張しているときに出ることが多いように思います。

そして、Suzyの四半世紀を超える経験上、犬に対してと人に対してでその感情を区別しているとも思えません。

より詳しい解説は「口と鼻の周りをなめる」をどうぞ。

20)口をパクパクさせる[★]

Gasp the mouth

嫌がる気持ちを抑えているのではないかと思われるシグナル。

Suzyの補足解説

あまり使う犬はいませんが、ときどきいます。

テンパっているときに出るイメージです。

「あわあわ」しちゃう感じでしょうか。

より詳しい解説は「口をパクパクさせる――犬が見せる“激レア”な気持ちの整理術」をお読みください。

21)背中を向ける[★★★★★]

Turning the back

相手を落ち着かせるためにみせる典型的なシグナル。

相手を嫌がっている行動ではない。

Suzyの補足解説

人が相手に背を向けるときは「嫌い」で避けたい気持ちからとる行動のため、犬のばあいは正反対の意味を持つということに、飼い主さんがもっとも驚くシグナルです。

犬は背中を見せると安心するようです。

つまり、無視するために背中を向けるというのはまったく効果がないということです。

反対に、愛犬を守ってあげるつもりで犬の正面に向き合ってしまうと、犬はあなたから責められていると感じてしまいます。

守っているつもりが愛犬は「責められた」と思われてしまっては信頼関係を築くことはできません。

より詳しい解説は「背中を向ける」をお読みください。

22)おしっこをする[★★★★★]

Peeing

犬同士が認め合った後にするオシッコは「友達になった」というシグナル。

Suzyの補足解説

オシッコに「意味」があるなんて考えたことありましたか?

人間社会にも「連れション」ありますね。

タラ氏がよくやります。

飼い主からすれば、突然ほかの飼い主さんの目の前で愛犬がオシッコをし始めると恥ずかく感じますし、後始末もしなければならず困ったものです。

しかし、犬同士の挨拶の過程で「おしっこをする」ことは、犬同士の立派な正しいコミュニケーション方法なので、叱るわけにもいかないです。

詳しい解説は「おしっこをする」をお読みください。

23)その場所にいないように振る舞う[★★★★★]

Acting like nothing happen

そっぽを向く・頭を動かす」と同様、高まる不安や興奮を抑えようとしているシグナル。

Suzyの補足解説

ほかの犬が近づいてくると、気配を消すのは先代のポコちゃんの得意技でした。

これは本当に多くのワンちゃんたちがよく出すシグナルなのですが、多くの飼い主がそれと気づかないシグナルでもあります。

詳しい解説は「その場所にいないように振る舞う」をご覧ください。

24)静止[★★★★★]

Freeze

犬と会ったときにするばあいは「ゆっくりと歩く」と同じ意味をもち、相手にシグナルが通じているかどうかを判断している行為。

Suzyの補足解説

相手の考えや出方を探っている状況ということですね。

このとき、目つきのほか、その他の身体のパーツでどのような表現をしているかに注目して、総合的に意味を判断する必要があります。

より詳しい解説は「静止(Freeze)」をお読みください。

25)地面の臭いを嗅ぐ[★★★★★]

Sniffing the ground

知らない場所や犬同士出会ったときにする行動。

不安や興奮を抑え自分を落ち着かせようとしているシグナル。

Suzyの補足解説

犬は地面の匂いを嗅ぎたい訳じゃなくても、地面の匂いを嗅ぐフリをすることがあります。

これも本当に多くのワンちゃんたちがよく出すシグナルなのですが、多くの飼い主がそれと気づかないシグナルでもあります。

ワンちゃんたちが地面の匂いを嗅ぐことの意味をもっと詳しく知りたい方は、「地面の臭いを嗅ぐ」も併せてお読みください。

26)伏せる[★★★★★]

Lying down with belly to the ground (looked sphinx-like)

相手を落ちかつかせるための最上級のシグナル。

「座る」より意味合いが強い。

ただし、ほかのボディランゲージと総合して判断した場合、攻撃を表すこともあるので注意。

Suzyの補足解説

身体を低い位置に落とす」と似たような内容です。

「フセ」には犬社会の言語としてこのような強い意味をもつため、Suzyのトレーニングではコマンドで従わせる姿勢として「フセ」を教えることはしません。

「フセ」はあくまでも犬自身の感情表現。

より詳しい解説は「犬の「フセ」はコミュニケーション――訓練してはいけない理由」をご覧ください。

27)顔の向きを変える[★★★★★]

Turn head in the other direction

顔を見るのは相手に対する威嚇になってしまうため、相手に対して敵意がないことを示すために、相手の顔を見ないようにするために、顔の向きを変えるというシグナル。

Suzyの補足解説

目と目が合ったら喧嘩の合図!

気の合う相手だとわかるまで、犬たちはとにかく必死で目を合わせないようにします。

もし、あなたの犬が「相手の目をじっと見てしまう」のであれば、飼い主のあなたが母犬に代わって犬語を教えてあげなければ「近所の嫌われ者」になってしまいます。

より詳しい解説は「顔の向きを変える」をお読みください。

28)目をそらす[★★★★★]

Avoid eye contact

顔の向きを変えることができない状況、もしくは顔の向きを変えたうえでさらに、相手を刺激しないための追加手段として、相手から目をそらすシグナル。

避けたい状況を避けられないとき、せめて目だけでも逃げて距離をとりたい気持ちの表れとも受け取れるシグナル。

Suzyの補足解説

目をそらすときに「白目が見える」ことから「白目を見せる」とか、「くじら目」(whale eye)と呼ばれることもあります(白目が見えることをなぜ英語でwhale eyeと呼ぶのかは不明)。

疑われているときや、叱られているときによく見せるシグナルです。

犬が白目を見せているときは、どんな気持ちなのか?

を、もっと詳しく知りたい方は「「目をそらす」行動に込められた心のサインを読み解こう」の記事もご覧ください。

29)笑う[★★★★★]

Smiling

人間のようにニッコリ笑うことができる犬が少ないため滅多に見ることができない、非常に珍しいシグナル。

Suzyの補足解説

本当の笑顔なのか、愛想笑いなのかの判断は、普段からそのシグナルを出す犬と付き合っていないと全く判断がつかないでしょう。

犬が笑う理由について、もっと詳しく知りたい方は「笑う犬――“スマイル”に込められた本当の気持ち」もお読みくださいね。

30)転移行動[★★★★★]

Re-directional behavior

ある特定の対象に向けられていた感情がほかの対象に向けられたり別の形で行動に表されたりすることで『防衛機制』のひとつ。

不安・葛藤、フラストレーションなどから自己を守ろうとして働くさまざまな心の仕組み。

Suzyの補足解説

転移行動」とは、精神分析用語で、あまり聞き馴染みのない言葉かもしれません。

具体的には「思っていることと違うボディランゲージを発する」という非常にややこしいものです。

素人目には、なかなか気づのが難しいカーミングシグナルです。

転移行動」についてもっと詳しく知りたい方は、「犬が気持ちを整理するときに見せる“転移行動”のヒミツ

まとめ:愛犬のボキャブラリーを育てよう

すべての犬がこの30種類のカーミングシグナルを全部使いこなすわけではありません。

しかし、より多くの種類のシグナルを使える(出せる・読める)犬こそが「コミュニケーション能力の高い犬」なのです。

相手の気持ちを読み取れず、自分本位に行動する犬はコミュニケーション能力が低いのです。

人間の子どもが生まれてすぐに言葉を話さないのと同じように、犬も生まれつきカーミングシグナルをはじめとしたボディランゲージを上手に使えるわけではありません。

飼い主であるあなた自身が、愛犬が表すシグナルを素早く読みとることができれば、追い詰められた挙句の威嚇行動(吠える、飛びかかる、噛むなど)を未然に防ぐことができるようになります。

また、犬は自分の気持ちを理解してくれる(話が通じる)相手を信頼しその相手の言うことをよく聞くようになります。

飼い主が犬の気持ちを読み取り適切に対処することができるようになると、愛犬は落ち着いた犬に育ってくれるのです。

【一覧表】カーミングシグナル全30種

犬たちのボディランゲージのなかにカーミングシグナルに該当するしぐさは30種類あると言われます。

愛犬がよく見せる行動や、お散歩中に見かけて意味を知りたかった行動をクリックしてゼヒ読んでくださいね。

犬の「本当の気持ち」が分かるようになると愛犬との暮らしがもっと楽しくなりますよ!

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Shizuka “Suzy” Ishida

2005年より東洋思想をベースにした「ごほうびにオヤツを使わない犬のしつけ方」を提唱。吠える・噛むの問題を抱えた小型犬のしつけを得意としていますが、保護犬の心のリハビリもしています。当サイトで提示しているしつけ方法はすべての犬に100%当てはまるものではありません。性格や状況によって対処方法はさまざまです。お試しになる際はあらかじめご理解のうえお願いいたします。

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