犬との暮らしはわたしたちに喜びと癒しを与えてくれる一方で、その責任を伴うものでもあります。
愛犬と幸せな時間を共有するためには適切なしつけをすることが不可欠です。
ただし、犬は人間とは異なる生き物であり、その習性や心理を理解したうえで個々の個性に合わせた方法で教えることが重要です。
なぜ犬に「しつけ」が必要なのか?
家庭で家族とともに生活する犬のしつけには大きく「3つ」の目的があります。
- 犬自身の命と健康を守るため
- 家族との関係を良くするため
- ご近所との関係を良くするため
1. 犬自身の命と健康を守るため
- 首輪やリードをつけられるようにする、
- 爪切りや歯磨き、
- 投薬を受け入れるようにする
など、日々の健康管理や安全確保のために必要なことを「当たり前」の行為であるとして犬に教える必要があります。
愛犬の命と健康を本気で守る
愛犬にしつけをする第1の目的は、ずばり「愛犬の命と健康を守るため」です。これをお話すると、「ソンナノ、アタリマエジャン…」と、拍子抜けされる飼い主さんがほとんどです。ですが、その飼い主さんが「愛犬の命を守るしつけ」が、ちゃんとできているかというと、そうじゃなかったりします。た...
2. 家族との関係を良くするため
- 落ち着いて留守番できる、
- 引っ張らず散歩できる、
- トイレを覚える
など、家族との生活をスムーズにするために必要なルールを教えることで、お互いにストレスを減らしより良い関係を築くことができます。
家族の負担にならない犬のしつけ方法
先日、犬のしつけ3原則というお話を公開しました。今回は、その2番目に書いた、「家族の暮らしに負担をかけないため」のしつけとは何かを、お話したいと思います。たとえば、犬との暮らしで飼い主家族に負担となる状況には、どんなものがあるでしょうか…。 お散歩の引っ張りが強すぎ ...
3. ご近所との関係を良くするため
- 飼い主が飼育マナーを守り、
- 愛犬には人や犬に吠えたり噛んだりしないよう教え、
- 周囲の人々への配慮をする
ことでトラブルを防ぎ、周囲と良好な関係を築くことができます。
近隣の人たちとの関係をよくする
ご近所との関係をよくする 「犬のしつけ3原則」で、取り上げた3つの項目の最後は、「ご近所との関係をよくする」でした。 過剰に強い同調圧力の文化をもつ国、ニッポン 日本社会の欠点として、過剰に同調圧力の強い文化が問題視されています。そんな環境において、「他人の目を気にしない」とい...
犬の仕事は「家族にたくさんの思い出を残す」こと
多くの犬は現代社会において狩猟犬や牧畜犬などの特別な役割を担う仕事の道具としてではなく家族の一員として生活しています。
その仕事は飼い主とともに過ごしながらたくさんの思い出を残すことです。
どんなコに育てたい?
犬のしつけには大きく2つのアプローチがあります。
飼い主の指示には即座に従う犬
指示があればどんな行動も取る犬ですが、指示がないときは犬自身の基準で行動します。
「飼い主の指示に即座に従う犬」の育て方
本屋さんへ行けば、たくさんの犬のしつけ本が並んでいます(一昔前に比べて減ったようには思いますが)。また、インターネットで検索すれば、犬のしつけに関する情報がたくさん出てくるでしょう(この記事もそうですね)。本によって、記事によって、言っていることがまちまちだったり、真逆だったりして、...
育て方
動作(オスワリ,フセ,マテ,ツケ,オイデなど)をオヤツで釣りながら教える方法です。
叱ることは避け、指示に従えばオヤツを与えることで、報酬と行動を結びつけます。
メリット
- 短期間で特定の動作を教えることができる
- 教える行為自体を飼い主が楽しめる
- 競技会等につながり目標が分かりやすい
デメリット
- オヤツへの執着が強くなり飼い主との信頼関係が希薄になる
- 指示がない状況では犬の基準で行動する
- 問題行動の解決には繋がらない
自ら考え、行動できる犬
飼い主の指示がなくても飼い主の望みは何かを考えて、飼い主の困ることをしない犬です。
「飼い主が困ることをしない犬」の育て方
前回は、『「飼い主の指示に即座に従う犬」の育て方』について解説しました。多くの飼い主さんたちが、「飼い主の指示に即座に従う犬」にしつけたいと考えていたのでしょう、当サイトにおいてアクセス数の高い人気記事のひとつとなっています。だいぶ間が空いてしまいましたが、今回は「飼い主が困...
育て方
飼い主が愛犬の習性や性格を理解し、感情のコントロールを補助することで信頼関係を構築します。
オヤツやオモチャではなく飼い主の褒め言葉や撫でることを報酬として犬自身が考え行動することを促します。
メリット
- 自発的に考え行動できる犬に育つ
- 飼い主との信頼関係が強固になる
- 問題行動を根本から解決できる
デメリット
- 飼い主自身が犬の心理・行動特性を学ぶ必要がある
- 飼い主の根気が必要
感情を冷静にコントロールする能力(自己抑制機能)を育む
Suzyが提唱する「犬のしつけ」はエサ(フードやオヤツ)を使ってコマンドに従うことを重視していません。犬自身の自己抑制機能(自制心)を養うことと飼い主が犬のことばを正しく理解することを重要視し、これらの能力の向上に取り組むことを目的としています。「自己抑制機能を鍛える...
「信頼関係」と「理解」
犬のしつけは単に命令に従わせることを目的とするのではありません。
愛犬との信頼関係を築き、お互いを理解し尊重することのうえに成り立つものです。
そのためには飼い主自身が以下の点について学ぶ必要があります。
- 犬という動物の習性
- 犬種の特性
- その子の性格
- その瞬間、その犬が何を考えているか
これらを理解することで、愛犬にとって適切なコミュニケーション方法をとり、効果的なしつけを行うことができます。
犬という生き物を知る
私たち飼い主は、愛犬に何かを教えようとする前に、彼らがどんな生き物なのか、 どんなところが人間と同じで、 どんなところが人間と違うのか、身体と心の両面について、知っておかなければなりません。 犬は群れの役に立ちたいと考えて行動する生き物だ 犬は本来「自ら群れの役に...
あなたがともに暮らしたいと思う犬はどっち?
飼い主の指示には即座に従う犬に訓練しておけば犬は指示に従って行動してくれるので、散歩の歩き方など管理がしやすいというメリットがあります。
ただし、何をするにも常に指示を必要とするため飼い主の負担が大きくなることや、犬自身の自主性が育ちにくいというデメリットもあります。
一方、自ら考え行動できる犬に育てれば、飼い主の意図を理解して行動してくれるので、指示がなくても状況に応じて適切な行動を取ることが期待できます。
ただし、犬が自律的に考えて「飼い主のために」行動できるようになる方法は本などのマニュアルから独学するのは難しくトレーナーから直接教わるのが早道です。
また、一貫したルールやコミュニケーションが必要となり飼い主の根気も必要になります。
大切なのは愛犬の個性や性格を理解し、その子に合った方法で接することです。
そうすることで愛犬との暮らしをより楽しく充実したものにすることができます。
LINEでSuzyに質問!
この記事を読んでもっと知りたいことや疑問が沸いてきたら、以下のページからLINEのお友達登録のうえチャットでSuzyにご質問ください。
教えて!Suzy!!
Suzyに聞きたい! 犬のしつけ情報を探してインターネットをしていてこのサイトにたどり着き、いろいろな記事を読んでみて、もっと知りたいと思うことがあったかもしれません。そんなときは、LINEお友達登録のうえ、チャットでご質問をお送りください。 質問受付中 誰かが知りたいと思っていること...