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お悩み相談:おトイレを失敗するようになった

飼い主さんがもっとも頑張って教える「しつけ」は、ずばり「トイレ・トレーニング」ですが、成長のステージに応じた教え方と対策が必要です。

子犬のときはトイレシートで上手にオシッコしていたのに、最近は家じゅうあちこちでオシッコをするようになってしまいました…

ワンちゃんのプロフィール
  • 犬種:ヨークシャー・テリア(ヨーキー)
  • 年齢:1歳2カ月
  • 性別:オス(去勢済)

状況の確認

子犬を購入したときにペットショップのスタッフから、ケージ内にベッドとおトイレを入れてトイレをさせるように教わったため、今でもそのようにしているそうです。

すぐにトイレの場所を覚え、上手にトイレができるようになってホッとしていたら、最近はそのトイレを使わなくなってしまったそうです。

そして、ご主人の部屋の床やリビングルームの扉、ソファの角、玄関の靴などにオシッコをかけるようになってしまったそうです。

原因として考えられること

サークルやケージの中にベッドとトイレを置いておくという定番の方法は、成長にしたがってうまくいかなくなることがあります。

その理由は、いくつか考えられます。

  1. 寝床からできるだけ離れた場所で排泄したい
  2. マーキング
  3. 飼い主の反応

寝床からできるだけ離れた場所で排泄したい

犬は排泄物の匂いで自分が休んでいる場所を外敵に気づかれないためという理由から、本能的に自分の寝床からできるだけ離れた場所で排泄したいという欲求を持っています。

母犬も子犬にミルクを与えている時期は、オシッコもウンチも舐めとって、子犬の排泄物を残さないようにします

POINT子犬は産まれてからしばらくの間、自力で排泄できず、親犬がお尻や陰部を舐める刺激で排泄します。

このため、成長にしたがって寝床からできるだけ離れた場所で排泄をしたくなり、ベッドが入っているのと同じ囲いの中にあるトイレでの排泄を嫌がるようになるのです。

マーキング

オスは性成熟に伴って、自分のテリトリーを主張するためにマーキング(少量のオシッコをかける)をするようになります。

メスでもマーキングする子も少なくありません。

飼い主の反応

おトイレを失敗するたびに大声で叱ったり、大慌てで片づけをしたり、これから粗相をしてしまうのではないかと、犬の一挙手一投足を凝視していると、緊張してしまう子もいます。

落ち着かないので飼い主から見えない場所で排泄をしようと考えることもあります。

対策方法

上記の原因を踏まえて、以下のような解決方法をご提案しました。

  • ケージ内でお留守番をするとき以外は、リビングの出入口付近(いつもオシッコをかけてしまうあたり)にトイレを置く
  • 犬だけで自由に行き来できる部屋を制限する(リビングのみとする)
  • シートでオシッコができたら、すぐにうんと褒める(現場を見たときに限定)
  • トイレ以外の場所でオシッコをしそうになったら、トイレシートの上まで抱き上げて連れていき、最後はトイレシートの上で排泄を終わらせて、よく褒める
  • 失敗しても「慌てない」、「騒がない」、「犬のせいにしない」こと
  • 信頼関係構築のためのトレーニングをする

といった方法をとることで、おトイレの失敗が改善していきます。

実際の改善結果

トイレの増設と行動範囲の制限

いつもオシッコをかけるようになってしまったリビングの出入口付近にトイレの場所を移動し、リビング以外の場所へ自由に行けないよう出入り口のドアにゲートを設置しました。

トイレの誘導

そして、オシッコをしたい素振りを見せたとき、新しいトイレコーナーへ誘導するようにしたところ、再びトイレシートで排泄ができるようになりました。

飼い主の不安の軽減

お留守番の際は、まだ室内フリーにするのが心配なのでケージのなかにトイレを戻し、ケージの扉を閉めて留守番をさせています。

留守番が長時間になったときは、ケージ内のトイレでオシッコをしていることもあり、排泄の心配をすることがなくなりました。

〔注〕本文中の事例はプライバシーに配慮し改変しています(写真もイメージ)。

同じ問題も解決方法は十人十色

十人十色といいますが、犬と飼い主の関係は、ひとつとして「まったく同じ」ということはありません。

当ページに記載された事例の方法が、必ずしもご自身の愛犬にも同様の効果をもたらすとは限りません。

Tipsかえって逆効果であったり、飼い主が怪我をする可能性もあります。お試しになるばあいは自己責任でお願いします

出張プライベートレッスンは、飼い主とその愛犬の性格、暮らしの状況に応じて、そのご家庭にとって最適な「しつけ内容」・「愛犬との接し方」を提案し、実際にこれを習得できるようレッスンしていきます。

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Shizuka “Suzy” Ishida

Shizuka “Suzy” Ishida

2005年より東洋思想をベースにした「ごほうびにオヤツを使わない犬のしつけ方」を提唱。吠える・噛むの問題を抱えた小型犬のしつけを得意としていますが、保護犬の心のリハビリもしています。当サイトで提示しているしつけ方法はすべての犬に100%当てはまるものではありません。性格や状況によって対処方法はさまざまです。お試しになる際はあらかじめご理解のうえお願いいたします。

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