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犬のカーミングシグナル(27)「顔の向きを変える」は平和のサイン?カーミングシグナルとしての意味と対応方法

顔の向きを変える(Turn the face around)

使用頻度★★★★★

犬たちは人間と違って言葉を使いませんが、その代わりに豊かなボディランゲージを通じて、感情や意志を伝え合っています。

その中でも注目されるのが「カーミングシグナル」と呼ばれる、相手との衝突を避けるための行動です。

今回はその中から、「顔の向きを変える(Turn the face around)」というカーミングシグナルに焦点を当て、その意味や具体的なシチュエーション、飼い主としての対応方法などを詳しくご紹介します。

カーミングシグナルとは?

カーミングシグナル(Calming Signals)とは、犬が自分や相手を落ち着かせるために使う、非言語のコミュニケーション手段です。

これは犬のボディランゲージの一種であり、ノルウェーのドッグトレーナー、トゥーリッド・ルガース(Turid Rugaas)氏によって体系化され、約30種類があるとされています。

犬たちはこのサインを用いて、相手に敵意がないことやストレスを感じていることを伝えたり、自分の緊張を和らげたりしています。

これらは犬同士だけでなく、人間に対しても使われる、まさに「平和のサイン」と言える行動です。

「顔の向きを変える」の意味

カーミングシグナルの中でも「顔の向きを変える」は、比較的よく見られる行動の一つです。

この行動は、犬が相手の目を見ずに顔をそらすことで、対立を避けようとするサインです。

犬にとって目をじっと見つめ合う行為は挑発や威嚇と捉えられることが多く、あえて視線を外すことで「争うつもりはありません」と伝えます。

またこの行動は、犬自身が感じている不安や緊張を軽減するための自己調整でもあります。

まさに、犬が本能的に身に付けている平和的なコミュニケーションと言えるでしょう。

つぶやきただし、幼齢で親犬から引き離されて人間と暮らし始めた犬たちの多くはこのコミュニケーションを上手に使うことができないため、飼い主が親犬に代わって教えてやる必要があります。

「顔の向きを変える」が見られるシチュエーション

このカーミングシグナルは、日常の中でさまざまな場面に登場します。ここでは具体的なシチュエーションを3つ取り上げてみましょう。

1. 他の犬と接近したとき

散歩中などに他の犬とすれ違う場面で、自分の犬がふと顔をそらすことがあります。

これは、「自分に敵意はないよ、安心してね」という意思表示です。

とくに初対面の犬同士や体格差がある場合によく見られ、相手の犬に安心感を与えようとする行動です。

2. 飼い主が叱ったとき

飼い主が強い口調で叱ったとき、犬が顔をそらすことがあります。

この場合も同じく「争いたくない」「緊張を和らげたい」というサインです。

犬は飼い主との関係を大切に思っており、対立を避けるために自ら冷静さを保とうとしているのです。

3. 知らない人が近づいてきたとき

公園や道端で知らない人が近づいてくると、犬が顔をそむけることがあります。

これは、相手にプレッシャーを感じているものの、攻撃的な態度を取る代わりに、穏やかな方法で距離を取ろうとするサインです。

人間の視線や立ち姿が圧力に感じられることがあるため、それに対する犬なりの適応行動だと言えるでしょう。

飼い主が愛犬にこのシグナルを見たときの対応

愛犬が顔をそらすシグナルを見せたとき、飼い主はその意図を正しく読み取ることが大切です。

これは「無視している」わけではなく、「緊張している」「ちょっと距離を取りたい」といった犬の率直な気持ちの表れです。

たとえば、以下のような対応を心がけましょう。

1.他の犬や人が近づいてきたとき

愛犬にとって安心できる距離を保ち、プレッシャーを感じさせないようにする。

2.飼い主が叱ったとき

叱って効果があるのは現行犯のみ。長々と説教しても犬は理解できません。

効果的な叱り方を知りたい方は「犬の心に届く本当に正しい犬の叱り方:5つのコツ」をお読みください。

3.知らない人と接する場面

無理に近づけたりせず、犬が自分から関わろうとするタイミングを待つ。

過度な声かけや抱き上げる行為は逆効果になることもあります。

背中を向けさせるなど、自身の気持ちを落ち着けることができるカーミングシグナルのポーズをとらせて落ち着かせます。

相手の犬がこのシグナルを使ったときの対応

散歩中やドッグランなどで他の犬が自分の犬に対して顔をそらす行動を見せたときも、飼い主として配慮することが必要です。

この場合、相手の犬は「まだ距離を縮めたくない」「緊張している」といったメッセージを発しています。

したがって、以下のような点に注意しましょう。

  • 自分の犬が急接近しないようにリードを短く持ち、動きをコントロールする
  • 相手の犬が安心できる距離を保ち、様子を見守る
  • 無理に犬同士を接触させようとしない

犬にもそれぞれのペースがあります。

相手の犬がリラックスできるまでの時間を尊重し、干渉しすぎないことが大切です。

そうすることで、犬同士が自然な形で関係を築くことができるようになります。

まとめ:犬の「顔をそらす」サインを理解しよう

「顔の向きを変える」という行動は、犬が自分の感情をコントロールし、相手との衝突を避けるために使うカーミングシグナルの一つです。

決して「無関心」や「反抗」といった意味ではなく、犬なりの配慮や自衛の表れです。

この行動を飼い主が正しく理解し、適切な対応を取ることで、愛犬との信頼関係はさらに深まり、他の犬や人との関係もスムーズに築きやすくなります。

犬たちが出す小さなサインにいち早く気づき、これを尊重する姿勢こそが、飼い主と愛犬の真のコミュニケーションへの第一歩です。

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Shizuka “Suzy” Ishida

2005年より東洋思想をベースにした「ごほうびにオヤツを使わない犬のしつけ方」を提唱。吠える・噛むの問題を抱えた小型犬のしつけを得意としていますが、保護犬の心のリハビリもしています。当サイトで提示しているしつけ方法はすべての犬に100%当てはまるものではありません。性格や状況によって対処方法はさまざまです。お試しになる際はあらかじめご理解のうえお願いいたします。

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