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そっぽを向く・頭を動かす(Turning the Head):犬のカーミングシグナル(16)

そっぽを向く・頭を動かす(Turning the Head)

  • 嬉しさの高ぶりを抑えるシグナル
  • お散歩に行く前やご飯の準備をしているときなどに「無関心」を装うような態度
  • または目線をそらせたり顔を背けたりしてシグナルを送るのは相手が怖くて自分や相手を落ち着かせたい場合
使用頻度★★☆☆☆

カーミング・シグナルとは

犬たちはほかの犬や人とのコミュニケーションにおいて視覚的・身体的なサインであるボディランゲージを通じて自らの感情や意図を伝える能力を持っています。

ボディランゲージの一種

そのひとつが「カーミングシグナル」(calming signals)と呼ばれるボディランゲージです。

カーミングシグナルは他者とコミュニケーションを図るために犬たちが使う自然なボディランゲージで自分や相手を落ち着かせるための「平和のサイン」です。

ノルウェーのドッグトレーナーであるTurid Rugaas(トゥーリッド・ルガース)氏により犬のボディランゲージのうち27~30種類がカーミングシグナルであると定義されました。

このカーミングシグナルは犬の行動学において重要な要素とされています。

平和のサイン

カーミングシグナルはおもに犬がストレスを感じた時や緊張状態にあるとき、自分や相手の感情を落ち着かせるために使用されます。

緊張状態を軽減し相手との衝突を避けるために使われるボディランゲージの一種です。

犬同士のあいだのみならず飼い主を含む人間や犬以外の動物に対してもこのカーミングシグナルを通じて平和的なコミュニケーションを試みます。

「そっぽを向く・頭を動かす」の意味

「そっぽを向く」または「頭を動かす」(頭を反らす)という行動は犬がストレスや不安を感じた際、直接的な視線の圧力を和らげるために用いるカーミングシグナルです。

  1. 衝突を避けるため
  2. 緊張やストレスを和らげるため
  3. 嬉しさの高ぶりを抑えるため
つぶやき以降は「そっぽを向く」で表記していきます。

1)衝突を避けるため

「そっぽを向く」行為は相手との衝突や対立を避けるための平和的なシグナルです。

この仕草により相手に対して「私はあなたと争いたくありません」というメッセージを送っています。

とくに初対面の犬や怯えている犬に対して使うと効果的なカーミングシグナルです。

目と目があったら「喧嘩の合図」が犬社会

視線を合わせないことは犬同士のコミュニケーションでよく見られる行動です。

犬たちは直視することは攻撃的な意図や挑戦的な態度の表れと考えます。

このため、「そっぽを向く」ことで相手に対して敵意がないことを示し、相手の反応を穏やかにしようと努力するのです。

2)緊張やストレスを和らげるため

また、犬が相手(人や他の犬)に直接目を合わせずに「そっぽを向く」ことで「敵意はない」という意思表示をしながらも自分自身の緊張を解消しようとします。

とくに初対面の犬同士や、人間に対して少し警戒している状況でよく見られます。

犬は直接的な視線を威圧や攻撃として受け取ります。

犬は相手からの視線を避けることで自分にかかるプレッシャーを減らし、周囲の状況を冷静に受け入れようとします。

3)嬉しさの高ぶりを抑えるため

じつは「そっぽを向く」には衝突や緊張といったマイナスの興奮以外にも、「嬉しさ」といったプラスの興奮を鎮める役割もあります。

大好きなお散歩に行こうと呼んだのに愛犬が行きたくない素振りを見せる(ように飼い主には見える)状況での「そっぽを向く」はこれに該当します。

美味しいオヤツをあげたときにも「そっぽを向く」で落ち着こうとする犬もいますが、ほとんどの飼い主さんは嫌いなのかと思ってあげるのを止めちゃいますね。

人間にはなかなか通じない犬のカーミングシグナルのひとつです。

類似するカーミングシグナル

また、「そっぽを向く」ことと併せて犬が示すカーミングシグナルには以下のようなものがあります。

同時に複数のカーミングシグナルを駆使することで相手に対して確実に自分は敵ではないことを伝えようと努力しているのです。

飼い主のとるべき対応

「そっぽを向く」行動が愛犬にみられたら飼い主はどうしたらいいでしょうか。

状況を見極める

愛犬がこの仕草をしたときは「緊張」しているからなのか「嬉しすぎる」からなのか、どちらの感情を表すために「そっぽを向く」を使っているのかを判断する必要があります。

緊張しているときは

感じている可能性があるため、環境を見直しましょう。刺激が強すぎる場合は距離を取るなどして、犬が安心できる空間を確保してください。

嬉しすぎるときは

過剰に声をかけたり撫でたりせず静かに見守り「モジモジ」に付き合ってあげましょう。

相手の犬がそっぽを向いているときは

自分の犬が近づきすぎて相手の犬のパーソナルスペースを侵害していたり、興奮した態度を見せることによって相手の犬が不安を感じている可能性があります。

一歩引いて相手の犬にスペースを与えることで安心させ、挨拶を仕切り直してあげましょう。

具体的な方法は以下の関連記事で詳しく解説しています。

まとめ:理解と対応

犬の「そっぽを向く」または「頭を動かす」(頭を反らす)という仕草は犬の本能的な行動であり、その行動の背景として考えられる理由はいくつかあります。

そのうちのひとつがカーミングシグナルです。

カーミングシグナルは自分の緊張や不安、相手に対して敵意がないことを伝えるために使われる大切なボディランゲージ(犬語)です。

愛犬がカーミングシグナルを出しているとき飼い主は愛犬の気持ちを尊重した対応をすることが求められます。

また、ほかの犬がこちらに対してこのシグナルを使ってきたときも相手の犬の気持ちを尊重した対応をすることが大切です。

犬のカーミングシグナルを正しく読み取るスキルを身につけて、日常生活のなかでこうしたサインに気づき、犬の気持ちに寄り添うことが愛犬とのより良いパートナーシップの構築につながります。

カーミングシグナル全30種

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Shizuka “Suzy” Ishida

2005年より東洋思想をベースにした「ごほうびにオヤツを使わない犬のしつけ方」を提唱。吠える・噛むの問題を抱えた小型犬のしつけを得意としていますが、保護犬の心のリハビリもしています。当サイトで提示しているしつけ方法はすべての犬に100%当てはまるものではありません。性格や状況によって対処方法はさまざまです。お試しになる際はあらかじめご理解のうえお願いいたします。

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