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やってはいけない:正しくない犬へのあいさつ(ヒト編)

Doggie Drawingsでは、犬好きがやってしまいがちなNG挨拶についての啓発ポスターを配布しています。

犬の気持ちを知らないがゆえに、悪気がなく犬を怖がらせたり、傷つけていることがあります。

あなたは大丈夫ですか?

今回は「How NOT to Greet a Dog」(2010)日本語版の内容を紹介し、なぜそれが「NGなのか」を解説します。

犬好きの人がやってしまいがちなNG挨拶

多くの犬好きさんたちは「犬の感じ方」を思いやることなく、犬たちが恐怖や不安を感じる方法で犬に挨拶しています。皆さんがカワイイと思ってくれるのはとてもうれしいのですが、犬たちはこっちの気持ちを尊重したやり方で接してほしいのです。

BAD:犬が怖がる接し方

よそのワンちゃんに対して、以下のような方法で挨拶をしてはいけません↓

  1. 覆いかぶさるように手をだしてこないで!
  2. 突然アタマをなでようとしないで!
  3. いきなり捕まえたり、抱きしめたりしないで!
  4. 目をじーっと見つめないで!
  5. 大きな(甲高い)声を出さないで!
  6. 逃げ場をふさいで近づいてこないで!
  7. お手を強要しないで!
Tipsもし、あなたが道を歩いていて知らない人に突然大きな声を出されたり、抱きつかれたりしたらどんな気持ちになりますか?犬たちもあなたと同じように、とても恐怖を感じて人が怖くなってしまいます

どこがマズかったのか?

どれも、犬好きな人間たちが犬たちによくやっている行動ですが、どこがいけなかったのでしょうか。

1)覆いかぶさるのがNG

上から来られたら怖いと思うのは、人間の感覚と同じです。

攻撃される、襲われると思ってしまうからです。

目線の高さを相手より上にするのは、相手にプレッシャーをかけているのです(これも人間とおなじ)。

2)いきなり頭を触るのがNG

「ハンドシャイ」と言って、上から人の手が近づいてくると怯える犬たちもいます。

飼い主やそのほかの人間に頭を叩かれてきたことが原因である場合もあります。

しかし、そういう経験がなくても、いきなり頭を触られることが好きではない犬もたくさんいます。

礼儀を踏まえた挨拶を求めるタイプの犬に対して、いきなり頭を触ろうとするのは失礼にあたります。

3・6)逃げ場がないのがNG

いずれも、逃げ場がなく拒否できないことが理由です。

知らない人に突然拘束されたり、退路を塞がれたりすれば、恐怖を感じるのは人間と同じです。

4)目を見るのはケンカの合図

犬社会では、目をじーっと見ることは「相手に対する敵意」を示す行動になります。

人間の社会でも少年マンガで「何ガンつけてるんだ!」といって喧嘩になるシーンはたくさん描かれていますが、それと同じ原理です。

初対面や慣れない相手から目をじーっと見つめられれば、犬はそれを「敵意」と感じ取ります。

じーっと目を見つめられた犬がその後どのような行動をとるかは、性格によって変わってきます。

怯えるタイプももちろんいますがあまり多くなく、とくに小型犬種においては、喧嘩を買って反撃に転じることがとても多いです。

5)大きな(甲高い)声を出さないで!

犬たちは甲高い声を聞くと「興奮」するようにできています。

獲物の断末魔に似ているから等、理由にはさまざまな説がありますが、本当のところは犬にしか分かりません。

しかしながら、甲高い声を聞いて犬たちの心が乱れているのは事実であり、甲高い声を発して近づく相手に安心感を覚えることはできません。

犬たちは耳が良いです。安心させたいのであれば、赤ちゃんを寝かしつけるくらいの優しい声で、ゆっくりと話しかけるのが正しい方法です。

7)お手を強要しないで!

人間の手指と同じで、犬の足先はとても敏感なものです。

このため、信頼できない相手には容易に預けたいと思えません。

犬なら「お手」をするのは当たり前だと思っている人も多いですが、犬にとって「お手」は好き好んでやりたいことではないのです。

愛犬が「お手」をするのは「やると飼い主が喜ぶから」というサービス精神のおかげです。


ただし、飼い主さんだけは自分の愛犬に対して上記のNG行動をとったとしても、安心して身を任せてくれるような信頼関係を築きたいものです。

GOOD:犬が安心する接し方

では、よその犬たちに対して、怖がらせず・喜んでもらえるように接するためには、どのような点に気をつければ良いのでしょうか。

以下の4つのステップで近づくようにすると、犬は安心して触らせてくれるようになります。

  1. 犬の目をじっとみない
  2. 犬のほうから近づいてくるのを待つ
  3. 犬に対して正面を向かない
  4. 顔や身体の側面または背中から

Step1:犬の目をじっとみない

BADの項目で「犬の目をじーっとみるのは喧嘩の合図」であると言いました。

このため、敵意がないことを示すには「目を見つめない」ようにする必要があります。

顔はそむけなくてOK

「目を見ないで」というと、顔を背けて犬を触ろうとする人がいます。

それはそれで、犬に不信感を与えます。

犬の首輪や足元をみたり、しっぽのほうを見るように意識すると視線を外すことが可能です。

+話しかけない・触らない

この段階では、話しかけたり、こちらから触りにいかないようにすると、より安心感を与えることができます。

待てる人が、犬から信頼されます。

Step2:犬のほうから近づいてくるのを待つ

犬のほうから興味を持って近づいてきてくれるのを待ちます。

もし、なかなか近づいてきてくれないのなら、その犬はまだあなたを警戒しています。

Step3:犬に対して正面を向かない

警戒して近づいてこない犬に、安心してもらうために、次のステップに進みます。

目を見つめられていなくても自分に対して正面を向かれているだけで、敵意を感じてしまう犬もいます。

こうした犬たちに信頼してもらうためには、以下のカーミングシグナルを使います。

  1. 自分の側面を見せる
  2. 背中を向ける
  3. あくびをする

いずれも、相手に敵意がないことを示すための「犬のことば」(カーミングシグナル)です。

これに気づいた犬は、自分も敵意がないことを示すさまざまなカーミングシグナルを出しながら、ゆっくりと近づいてきてくれるはずです。

待てる人だけが、犬から信頼されます。

Step4:顔や身体の側面または背中から

あなたのそばに犬がきたら、いきなり頭をなでないでください(BADケースで挙げています)。

使うのは手の甲や指の背側

いきなり手のひらで力を込めて撫でられたら、攻撃されたと勘違いされてしまいます。

手の内側よりも、外側をつかって撫でるほうが、犬たちは安心します。

撫でるときは優しくゆっくりと

赤ちゃんを寝かしつけるようなトーンと音量で優しく話しかけながら、やさしく・ゆっくりと撫でます。

力を入れて、シャカシャカと手を動かしてしまうと、犬はびっくりしてしまいます。

逃げるかもしれないし、興奮して噛むかもしれません。(逃走・闘争本能)

諦めも肝心

もし、近寄ってきても逃げてしまう、どうしても触らせてくれないときは、相手の意思を尊重して触るのを諦めることが大切です。

自分の気持ちを理解してもらえた犬は、次回は触らせてくれるかもしれません。

犬に好かれる人になるには?

大好きな犬たちに好きになってもらうためには、どうしたら良いのでしょうか?

自分の犬以外に好かれるには

道端で出会うワンちゃんたちに好かれる人になるには以下の行動を取れる人物になる必要があります。

  • 犬の表情から気持ちを読み取ることができる
  • 犬の気持ちを尊重することができる
  • 犬が安心できる雰囲気をつくることができる

上記の記事では「犬が犬を信頼する条件」について解説していますが、これは人間にも当てはまります。

愛犬に好かれる飼い主になるには

上記で解説した内容は、自分の犬ではなく「よその犬・初対面の犬」に対してのふるまい方についてのGood・Badについてです。

飼い主が先に挙げた方法でしか接することができないでいると、愛犬からの信頼を失っていき、さまざまな問題行動が発生してしまいます。

犬が信頼できる飼い主の条件とは、どのようなものでしょうか?

心が乱れたときに落ち着かせてくれる飼い主

過剰に興奮することは、たとえうれしいことであってもストレスになります。興奮のレベルを自力でコントロールすることができないとき、きちんと落ち着かせてくれる飼い主のことを犬たちは信頼します。

コメント落ち着かせ方が間違っている飼い主さんはとても多く、自分は落ち着かせているつもりでも「犬はちっとも落ち着けない」という状況を目にすることがとても多いです。

ダメなことはダメだとしっかり教えてくれる飼い主

通りすがりの犬や人に吠えついたり、噛みついたり、落ちているものを食べてしまったりしたときに、心から叱ってくれる飼い主のことを愛犬は信頼します。

コメント飼い主は叱っているつもりで、犬からしてみれば「もっとやれ!」と励ましになってしまう方法で叱っている姿をたくさん見かけます。「叱っても直らない」と思う場合、その叱り方は逆効果になっています。

苦手を乗り越えるのを手伝ってくれる飼い主

他の犬との関わりや、お手入れ(爪切り・歯みがき)など、どんな犬でも何かしら苦手なことはあります。

しかし、苦手な物事を避けてばかりの生活を送っていては、いつまでたっても心の安定を得ることができず、いつも何かにおびえる犬生になってしまいます。

犬も自分が苦手と向き合い克服できると、全体的に自信がついてきて、性格が明るくなり、行動も変わってきます。

犬が自力で苦手に取り組むのは難しいため、克服する方法を教え、助けてれる飼い主は、絶大な信頼を得ることができます。

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Shizuka “Suzy” Ishida

Shizuka “Suzy” Ishida

2005年より東洋思想をベースにした「ごほうびにオヤツを使わない犬のしつけ方」を提唱。吠える・噛むの問題を抱えた小型犬のしつけを得意としていますが、保護犬の心のリハビリもしています。当サイトで提示しているしつけ方法はすべての犬に100%当てはまるものではありません。性格や状況によって対処方法はさまざまです。お試しになる際はあらかじめご理解のうえお願いいたします。