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「犬のしつけ」にも使っていたナッジ理論

ナッジとは、行動科学の知見から望ましい行動をとれるよう人を後押しするアプローチのことを言います。

多額の経済的インセンティブや罰則といった手段を用いるのではなく「(人が)意思決定する際の環境をデザインすることで自発的な行動変容を促す」という考えです。

2017年、シカゴ大学のリチャード・セイラー教授がノーベル経済学賞を受賞したことがきっかけでナッジは大きな注目を集めました。

ナッジ(nudge)は英語で「ひじで小突く」「そっと押して動かす」という意味の言葉です。

行動の変容をそっと促すナッジは、母親ゾウが子ゾウを鼻でやさしく押して動かす姿に例えられます。

「犬のしつけ」にも使っていたナッジ理論

犬のしつけ場面ではどのように使われているか、例を挙げてみたいと思います。

  1. 境界線を示す
  2. 行先を示す

境界線を示す

この先に行かないでほしい

「キッチンに入って欲しくない」など、ここから先は犬に立ち入ってほしくないところに、テープを貼って線をひきます。

そして、そこを越えそうになるたびにストップをかけていくと、犬は「あ、この線より先に行ったらダメなのね?」と気づき、その線を越えない(キッチンに入らない)ようになります。

目に見えるようにラインを示すことも「ナッジ」といえます。

この中にいてほしい

逆に「ここにいてほしい」ということを伝えるためにも使っています。

タオルやマットを使って、その上で座っていることを教えます。

タオルやマットから出そうになったら注意して、はみ出ないように戻すことを繰り返すと、「あ、ここから出ないでほしいのね?」と気づき、マットの上でじっとしていることができるようになります。

これができるようになると、カフェに行った際、持参したマットの上でおとなしく座っていられるようになります。

どちらも境界線を目に見えるように示すことで、してほしい行動を促すことができるという意味で同じ理屈に基づいた方法です。

行先を示す

お散歩中「犬がまっすぐ歩いてくれない、自分の前をウロウロしてつまずいてしまう…道を曲がるときにつっかえる」などに困って、しつけ教室に来る飼い主さんも少なくありません。

犬は人間の指差しの意味を理解することができます。

道を曲がる少し前(2~3mくらい)に曲がる方向に指をさすと、「あ、そっちに曲がるのね?」と理解し曲がってくれます。

わざわざ犬の目の前に指を出す必要はありません。

犬は人間と比べて視界が広いので、飼い主さんが歩く姿勢のまま指先を曲がる方向に指し示すだけでも、ちゃんと理解します。

この指差しによる促しも「ナッジ」と言えるのかなと思います。

他にも、ナッジに該当する手法があったらご紹介していきたいと思います。

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Shizuka “Suzy” Ishida

Shizuka “Suzy” Ishida

2005年より東洋思想をベースにした「ごほうびにオヤツを使わない犬のしつけ方」を提唱。吠える・噛むの問題を抱えた小型犬のしつけを得意としていますが、保護犬の心のリハビリもしています。当サイトで提示しているしつけ方法はすべての犬に100%当てはまるものではありません。性格や状況によって対処方法はさまざまです。お試しになる際はあらかじめご理解のうえお願いいたします。

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