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保護犬もいろいろ(雑種編)

「保護犬」を家族に迎えたい!と考える方が増えている一方で、「保護犬」について不安に思う方から質問を受けることがたくさんあります。

長く保護活動をしている方々を差し置いて、私がいうのもおこがましいとは思いますが、長く保護活動をしている方々には当たり前すぎることのうち、「保護犬」を迎えることを検討している未来の飼い主さんたちが知りたいと思うことを、ご紹介できればと思います。

保護犬もいろいろ(雑種編)

保護犬と一口に言っても、その犬たちの背景はさまざまです。

保護犬ときくイメージする「野良犬」のように、「何犬と何犬のミックス」というのではなく、いわゆる「ザ・雑種」たちはのばあい、以下のような背景をもつことが多いです。

飼い主の飼育放棄

こちらは、純血種のばあいと同じ背景をもっています。

おもな放棄理由

以下のような理由で世話が続けられなくなったというケースが大半ではないかと考えます。

  1. 飼い主の高齢化・病気等
  2. 飼い主の経済的事情(離婚、失業など)
  3. 飼い主の仕事の変化(在宅勤務がなくなった、通勤時間が増えた、出張が増えた、転勤など)
  4. 飼い主が手に負えなかった犬(力が強い、運動量が多い、噛みつく、吠えるなど)
純血種のばあいについてはこちら↓

こうした理由で捨てられた犬たちは、それまでは、きちんと飼われていたかもしれませんし、そうでなかったかもしれません。

正しい愛情をかけてもらっていた場合は、比較的新しい家庭になじむのも早いかと思います。

また、噛む・吠えるという理由で手放された犬であっても、飼い主が変わり、適切な環境を与えて、きちんと対応するようになったら、「吠えることも噛むこともなくなった」というのはよくある話です。

「犬に問題がある」といって捨てられた犬であっても、悪いのは犬でなく「飼い主の対応」であり、接し方次第で「犬は何歳からでも変わることができる」のだということを知っていただきたいと思います。

飼い主の飼育崩壊

こちらも、純血種のばあいと同じ背景をもっています。

各1匹のオスとメスを避妊去勢手術を怠った状態で飼い始めたところ、意図せずにつぎつぎと繁殖して増え続け、吠え声による騒音や排泄物の悪臭で近隣トラブルを起こし、経済的にも飼い主の手に負えなくなった状態で手放された犬。

いわゆる「多頭飼育崩壊」。

純血種のばあいについてはこちら↓

高齢の飼い主が起こすケースが多いです。

人は誰しも高齢になってくると認知機能が低下し、判断力が衰え、適切な判断をすることが難しくなっていきます。

物事の理解力や判断力、他者への配慮などの点において、小学生や幼児程度に退化してしまう人もいます。

年齢だけは「大人」ですが、子どもに飼育を任せているのと同じです。

「カワイイ」にしか意識が向かず必要な手入れや治療を怠ってしまったり、自分が世話をできるキャパシティを超えてしまい、外部の助けが必要になってしまうのです。

こうした環境から保護された犬たちは、保健所や保護団体を経由して新しい飼い主の募集が行われます。

新しい家庭に馴染むまでの期間は、それまでの飼われ方がどのようであったか次第です。

迷子

こちらも、純血種のばあいと同じ背景をもっています。

迷子になって保護された犬は、保健所のウェブサイト等に掲載されますが、期限までにお迎えがなく、飼い主が誰なのか分からないばあいは、新しい飼い主を探すか、殺処分されます。

純血種のばあいについてはこちら↓

捨て子犬

純血種と異なる点としては、生まれて間もない子犬を飼い主が捨てるケースです。

「ウチの犬が生んじゃった(けどこれ以上飼えない)から」という理由です。

飼い主が避妊去勢手術を怠った結果として、「生まれてきた子犬の命を、自分の見えないところで殺してもらう」という何とも非道な方法です。

こうして捨てられた子犬の多くは、感染症などの病気になったり、カラスなどの野生動物に怪我をさせられ、まもなく命を落とします。

運よく保護され、懸命な治療やケアの結果生き残ることができた子犬たちだけが、新しい飼い主探しをスタートします。

不安な健康状態からのスタートかもしれませんが、基本的にはペットショップで買った子犬と何ら違いはありません。

これからの飼い方次第で、どのようにでも育ちます。

ただし、大人になったらどのぐらいの大きさまで成長するかは、両親犬が分からないばあいは未知数です。

手足の大きさなどから、ある程度の予測をすることはできますが、厳密な規約のあるマンションなどにお住まいのばあい、大きさの確定した成犬を迎えるほうが安心だと思います。

野犬

都会ではまず見かけることはありませんが、日本の多くの地域では、まだまだたくさん存在しています。

つぶやきSuzyの住む千葉県にも、まだまだたくさん野犬がいるようで、千葉県内の野犬を保護し、譲渡する活動をされている保護団体もいらっしゃいます。

人間の生活エリア内で特定の飼い主をもたずに生きている野犬を「コミュニティドッグ系」とし、人里はなれた山奥や里山周辺で人間とかかわりをもたずに生きてきた野犬を「ワイルドドッグ系」として分けました。

理由は、おなじ野犬でも、まったく性質が異なるからです。

いずれも自然繁殖のため、体重15キロ前後の中型犬が大半です。

超小型犬や超大型犬はまずいません。

また、医療にかかる機会もないため、フィラリアやノミ・ダニ、その他の寄生虫に感染していることが多いです。

家族に迎えた際は、駆除剤で駆虫しながら健康管理を続けることで駆虫可能なことが多いです。

コミュニティドッグ:Community Dog系

いわゆる「野良犬」です。

人馴れをしていて、これまで人間と対等な関係のなかで生きてきました。

犬として人間社会での生活経験が豊富で、安定した精神を持っている「犬らしい犬」と言えます。

とはいえ、飼い主をもたない野良生活は過酷なため、飼い主のいる生活のほうが、雨風をしのげて、食事の心配も必要なく、病気にかかれば治療を受けられるなど、安心して暮らせるはずです。

この子たちは、家庭に迎えられた後も、しっかりと信頼関係を築ければ、聞き分けが良く、飼いやすい家庭犬に成長するポテンシャルを秘めています。

ワイルドドッグ:Wild Dog系

人里はなれた山奥や里山周辺で人間とかかわりをもたずに生きてきた野犬で、害獣駆除のわなにひっかかったなどで怪我をして保護されることが多いと思います。

犬同士の関わりのなかで生きてきたため、犬同士のコミュニケーション能力は高いことが多い一方で、人間との暮らしは未経験のため、人間社会の生活やルールになじむまでに、多少苦労することもあるかもしれません。

まとめ

雑種の保護犬たちは、こうした背景をもっていることが多いです。

どこからやってきた犬も、どんな事情を抱えている犬も、1匹たりとも犬の側に問題があったわけではありません。

すべては、人間の一方的な都合によって、自身の運命が振り回されてきたにすぎません。

「保護犬」を迎える際は、「自分たちはどんな犬なら飼えるのか」をきちんと家族で話し合って、方向性を決めていただくと、その後のお互いの生活がより良いものになると思います。

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Shizuka “Suzy” Ishida

Shizuka “Suzy” Ishida

2005年より東洋思想をベースにした「ごほうびにオヤツを使わない犬のしつけ方」を提唱。吠える・噛むの問題を抱えた小型犬のしつけを得意としていますが、保護犬の心のリハビリもしています。当サイトで提示しているしつけ方法はすべての犬に100%当てはまるものではありません。性格や状況によって対処方法はさまざまです。お試しになる際はあらかじめご理解のうえお願いいたします。

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