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保護犬もいろいろ(純血種編)

保護犬と一口に言っても、その犬たちの背景はさまざまです。

保護犬というと「野良犬」をイメージする方もいますが、いわゆる「純血種」の犬たちもたくさんいます。

長く保護活動をしている方々を差し置いて、私がいうのもおこがましいとは思いますが、長く保護活動をしている方々にとっては当たり前すぎることのうち、「保護犬」を迎えることを検討している未来の飼い主さんたちが知りたいと思うことを、ご紹介できればと思います。

コメントデザインドッグとして流行った「■■×▲▲」犬のような、一代雑種の「ミックス犬」についても、純血種に準じたものとしています。

純血種の保護犬の分類

(準)純血種の保護犬たちのバックグラウンドは、おおよそ以下のようになります。

  1. 一般飼い主の飼育放棄
  2. 一般飼い主の飼育崩壊
  3. ブリーダー放棄
  4. ブリーダーの繁殖リタイヤ
  5. 迷子

一般飼い主の飼育放棄

何らかの事情で飼育を続けることができなくなり手放されることになったため、保護犬として新しい飼い主の募集が行われることになった犬。

飼い主自身が里親募集をすることもあれば、保健所や保護団体を経由して募集が行われることもあります。

おもなケース

  • 飼い主の高齢化・病気等
  • 飼い主の経済的事情(離婚、失業など)
  • 飼い主の仕事の変化(在宅勤務がなくなった、通勤時間が増えた、出張が増えた、転勤など)
  • 飼い主が手に負えなかった犬(力が強い、運動量が多い、噛みつく、吠えるなど)

それまでは、きちんと飼われていたかもしれませんし、そうでなかったかもしれません。

正しい愛情をかけてもらっていた場合は、比較的新しい家庭になじむのも早いかもしれません。

噛む・吠えるという理由で手放された犬であっても、新しい飼い主になり、適切な環境を与えて、きちんと対応するようになったら、吠えることも噛むこともなくなったというのはよくある話です。

悪いのは犬でなく飼い主の対応次第であるのだということを知っていただきたいと思います。

一般飼い主の飼育崩壊

各1匹のオスとメスを避妊去勢手術を怠った状態で飼い始めたところ、意図せずにつぎつぎと繁殖して増え続け、吠え声による騒音や排泄物の悪臭で近隣トラブルを起こし、経済的にも飼い主の手に負えなくなった状態で手放された犬。

いわゆる「多頭飼育崩壊」。

高齢の飼い主が起こすケースが多いです。

これらの犬たちは保健所や保護団体を経由して新しい飼い主の募集が行われます。

後述する「ブリーダー放棄」同様、閉鎖的で劣悪な環境で飼育され、医療を受けておらず、栄養事情が悪いことが多いです。

一方で、環境は劣悪であっても、飼い主が可愛がっていたケースでは、人馴れ・犬馴れをしていて、新しい家庭に入っても比較的早く家族に馴染めるパターンもあります。

家族に迎えた後は、心身の健康を取り戻すところから、じっくりと向き合っていく必要があります。

ブリーダー放棄

いわゆる「パピーミル」と呼ばれる繁殖屋が大量の犬を放棄して廃業したり、飼育環境の悪さから摘発されて業務停止となり、保健所や保護団体が保護したケース。

最も悲惨な状態で保護されることが多く、無理な繁殖で短期間に何度も出産を繰り返し身体が弱っていたり、病気を抱えていながら治療が施されていなかったり(子犬を産めるなら関係ない)、心身ともに大きなダメージを負った犬たちです。

一般家庭の多頭飼育崩壊との境界はあいまいですが、ブリーダー崩壊のばあいは、人間との関わりも密ではなかったという割合が高いように思います。

家族に迎えた後は、心身の健康を取り戻すところから、じっくりと向き合っていく必要があります。

ブリーダーの繁殖リタイヤ

ブリーダーのなかには、親犬の身体に無理のない範囲で計画的に繁殖を行ない、ある程度の年齢(5歳程度)に達したところで里親に出す方もいます。

5歳であれば、一般家庭の家庭犬としては十分若く、まだ老化に伴う症状や病気を発症することもないため、飼い主も見つけやすいためです。

ブリーダーの目の届く範囲に限って譲渡されるなど、一般的なルートで見つけるのは難しいと思います。

「保護犬カフェ」などで飼い主を募集している「繫殖リタイヤ犬」の実態は「ブリーダー放棄」に近い状況であると考えられます。

オス犬の「偽ブリーダー放棄」に注意

ただし、「繫殖リタイヤ」や「ブリーダー放棄」と見せかけて、譲渡時に犬の去勢手術を禁止し、所有するメス犬の繁殖のシーズンになったら、譲渡したオス犬をブリーダーのところへ連れてくる約束で譲渡するブリーダーがいます。

それは、ブリーダーに繁殖のためにタダ働きをさせられているだけで、保護犬ではありません

騙されないよう注意しなければなりません。

迷子

迷子になって保護された犬は、保健所のウェブサイト等に最低1週間掲載されます。

しかし、期限までにお迎えがなく、飼い主が誰なのか分からないばあいは、新しい飼い主を探すか、殺処分されます。

2011年の東日本大震災では、首輪に鑑札や迷子札もなく、飼い主の分からない迷子の犬が大量に発生しました。

その後も、迷子になって飼い主と再開できず、やむなく処分となる犬が減らなかったことから、2022年6月より販売時点でのマイクロチップの装着が義務となりました。

このことにより、これから飼われる犬たちについては、迷子の返還が進むかもしれません。

しかし、すでに家庭で飼育されている犬に関してマイクロチップの体内への埋め込みは「飼い主の努力義務」となっており、まだしばらくは、迷子が原因の保護犬は減らないことと思います。

つぶやきちなみに、「あいちゃん」と「マミー」は、迷子犬でした。宮古保健所に収容されたとき首輪もしていたそうです。

大震災については非常にイレギュラーなことでしたが、いまも、日常的に犬の迷子は発生しています。

迷子になるきっかけ

迷子になるきっかけは日常にあふれています。

  • 家人の外出時、ドアが閉まる前に抜け出してしまい、戻ってこなかった
  • 家の窓が少し開いていたところから出て行ってしまい、戻ってこなかった
  • 「ウチのコは呼べば戻ってくるから」と外で放し飼いにしていたところ、飼い主の呼び戻しがきかず戻ってこなかった
  • 散歩中に首輪がすっぽ抜けた(またはリードがちぎれた)ため、そのままどこかへ行ってしまった
  • お買い物中、店の外につないでいたが、紐が外れていなくなってしまった
つぶやき「飼い犬が迷子になってしまい、探しても見つからず、あきらめて新しい犬を飼おうと里親会に行ったら迷子になったウチのコがいた」なんていう、冗談みたいな話もあります(見つかってよかったですが)。

迷子の犬で、これまで大切に飼われてきた犬のばあいは、「1.一般飼い主の飼育放棄」と同様に、比較的早く新しい家族との生活になじめるかもしれません。

まとめ

純血種の保護犬たちは、こうした背景をもっていることが多いです。

どこからやってきた犬も、どんな事情を抱えている犬も、1匹たりとも犬の側に問題があったわけではありません

すべては、人間の一方的な都合によって、自身の運命が振り回されてきたにすぎません。

「保護犬」を迎える際は、

「自分たちは、どんな犬なら飼えるのか」

「保護犬を飼うという醍醐味をどのように考えているか」

をきちんと家族で話し合って、方向性を決めたうえで探していただくと、その後のお互いの生活がより良いものになると思います。

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Shizuka “Suzy” Ishida

Shizuka “Suzy” Ishida

2005年より東洋思想をベースにした「ごほうびにオヤツを使わない犬のしつけ方」を提唱。吠える・噛むの問題を抱えた小型犬のしつけを得意としていますが、保護犬の心のリハビリもしています。当サイトで提示しているしつけ方法はすべての犬に100%当てはまるものではありません。性格や状況によって対処方法はさまざまです。お試しになる際はあらかじめご理解のうえお願いいたします。

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