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衝撃吸収性能はお散歩の引っ張りを解決しない

Suzyは飼い主が愛犬と信頼関係を築く方法として首輪とリードを使ったコミュニケーションを非常に重要視しています。

リードはただ漫然と持っているのでは意味がありません。

リードを持つ手の微妙な動きをとおして犬に「して欲しいこと・して欲しくないこと」を伝えながら歩くのが散歩中の飼い主の役割なのです。

2種類ある「伸び縮み」するリード

以前「犬の散歩で伸縮式リードを使うのがNGな6つの理由」という記事を書きました。

このとき記事で取り上げた伸縮式リードは巻き取り式の伸び縮みするリードです。

じつは、伸び縮みするリードはもう1種類存在します。

今回はもう一方の伸び縮みするリードがダメな理由について解説していきます。

ゴム入りのリード

もう一つの「伸び縮みするリード」とは普通のリードの中ほど部分がゴム入りになっていて伸び縮みすることをウリにしたリードのことです。

参考例↓

「衝撃吸収性能」がウリ

ペットショップのリード売り場へ行くとたくさんの種類のリードが売られています。

飼い主の年齢にもよりますが犬の引っ張りを自身の力で制御するのが負担になってくるのはだいたい7キロを超えたあたりからです。

超小型犬用のリードでゴム入りを見かけることはありませんが、上記の体重を超える犬を対象にしたリードは「衝撃吸収」を売り文句にしたゴム入りのリードが数多く売られています。

お散歩の引っ張り対策?

このようなゴム入りのリードが作られた目的は散歩時に犬がリードを引っ張ることによってかかる犬の首や飼い主の身体への負担を軽減することにあります。

しつけ教室にやってくる飼い主さんに「いいリード使っているんですよ!」と、このタイプのリードを自慢されることがあります。

たしかに、ゴムが伸び縮みすることで引っ張るほうも引っ張られるほうも身体の負担は減るかもしれません。

犬がリードを引っ張るからといって引っ張ることを許したまま散歩を続けていたら、犬はいつまでたっても「飼い主を引っ張って歩いてはいけない」「飼い主のペースに合わせて歩く」ことを学ぶことができません。

小手先のごまかしに甘んじていないか

ゴムの伸び縮みで力を分散させることは「小手先のごまかし」であって本当の問題解決ではないのです。

引っ張らずに歩くことを愛犬に教えてやるのが飼い主の本当の愛情です。

しかし、このリードを使っていては「引っ張らずに歩く」ことを愛犬に教えることができないのです。

ゴム入りのリードにはしつけに使えない大きな弱点が存在します。

ゴム入りリードの弱点

商品の宣伝文を読むと、ゴムが入った伸び縮みするリードを使えばお散歩の引っ張りによる苦労もなくなり、便利なように思えるかもしれません。

しかし、ゴム入りの伸び縮みするリードを使うことには2つの大きなデメリットが存在します。

リードの動きを感じ取れない

飼い主と愛犬の信頼関係は群れの移動を模した「お散歩」で培われます

本来、犬たちは首輪を通じてはたから見ていても分からないほどの微妙なリードの動きも感じ取ることができ、そこから飼い主の意思を読み取って行動します。

その積み重ねによって飼い主との関係を深めていきます。

しかし、飼い主が動かさなくてもビヨンビヨンと伸び縮みするリードは犬側の動きも反映してしまい、犬がこの能力を発揮することができません。

ゴム入りのリードを使っていてはリードを通じた愛犬とのコミュニケーションが取れるようにはなれないのです。

心が通じないから引っ張る

首輪とリードを使って飼い主とコミュニケーションをとることができないと、犬たちは自分の判断で行動しはじめます。

飼い主の存在を意識することができないので、犬の本能にしたがってしたいように行動します。

その結果として発生したのが「お散歩の引っ張り」なのです。

犬の飛び出しを制御できない

このリードは犬が引けば伸びるようにできているため、突然飛び出したときに犬の動きを止めることができません。

思いがけず伸びたリードで自転車や人を引っかけてケガをさせてしまう可能性もあります。

また、横断歩道で信号待ちをしているときに愛犬が突然道路に飛び出せば、車に轢かれてしまうことにもなりかねません。

まとめ

一見便利な道具のように見えるゴム入りのリードですが、しつけと安全の面からみてどんな犬にも使用することを勧められる道具ではありません。

もし、今このタイプのリードを持っていないのであればわざわざ買うことは勧めません。

このリードを使って大丈夫な犬はこのリードじゃなくても大丈夫だからです。

この記事を読んでいる飼い主さんのなかには、今現在愛犬のお散歩の引っ張りに困ってゴムの入ったリードをすでに使っている方もいるでしょう。

でも、ガッカリしないでください。

まったくダメだというのではなく「使い方次第」では便利な道具でもあります。

首輪に使うリードとしては不適

ゴムの入ったリードは愛犬の首輪に的確な合図を送ることができません。

首輪につけるリードは伸び縮みしないリードを使います

サブリードとして使うならOK

ゴムの入ったリードは「ジョギング用」として売られているものもあります。

ハーネスとつなぎ肩に掛けたり腰に巻いたりしてハンズフリーで使用するのであれば問題ありません。

子ども用リードとして

小さなお子さんやお孫さんと一緒に愛犬のお散歩に行くこともあるでしょう。

このとき犬のリードを持ちたがる子も少なくありません。

しかし、犬の大きさに関わらず1本しかないリードを10歳以下の子どもに扱わせるのは危険です。

子どもと散歩するときはダブルリードを

このばあいはダブルリードにして愛犬に首輪とハーネスをつけます。

そして、ハーネスにゴムの入ったリードを取り付けて子どもにもたせます。

首輪には普通のリードをつけて大人がきちんとハンドリング(犬に伝わる指示を出す)をします。

犬も子どもからのめちゃくちゃな指示に混乱しなくて済みますし、お子さんも犬のリードをもたせてもらって散歩することができ一石二鳥です。

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Shizuka “Suzy” Ishida

Shizuka “Suzy” Ishida

2005年より東洋思想をベースにした「ごほうびにオヤツを使わない犬のしつけ方」を提唱。吠える・噛むの問題を抱えた小型犬のしつけを得意としていますが、保護犬の心のリハビリもしています。当サイトで提示しているしつけ方法はすべての犬に100%当てはまるものではありません。性格や状況によって対処方法はさまざまです。お試しになる際はあらかじめご理解のうえお願いいたします。

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