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犬の心に届く本当に正しい犬の叱り方:5つのコツ

「叱ってはいけない」という方法のしつけがブームになって久しく、そのように教えるドッグトレーナーも多いです。

Suzyのところへやってくる飼い主さんのなかにも「犬を叱ったら嫌われてしまうのでやりたくありません」と、真顔で言ってくる飼い主さんもいらっしゃいます…

「褒めるしつけ」を勘違いしていませんか?

もともと「叱らないしつけ」というのは、人間の育児のなかで流行ったものです。

しかし、現在ではその弊害も分かってきました。

中国の一人っ子政策によって生じた「熊孩子」(​ションハイズ)などです。

犬のしつけ界隈では、体罰をつかった矯正が主流だった時代への反動で20~25年ほど前(1990年代後半~2000年代初頭)から、「叱らないしつけ」が主流になっていきました。

人間の教育業界とは異なり、残念ながらペット産業においては今も幅を利かせている考え方です。

叱れない飼い主は、モラハラ飼い主

叱られる経験がなければ、あなたの愛犬は、いつまでたっても「してほしくないこと」や「してはいけないこと」を学ぶことができません。

「愛犬を叱れない飼い主」たちは、(愛犬に分かるように)教えることをしないでおきながら、飼い主が困る行動を止める気配のない愛犬にイライラした態度を見せたり、愛犬の存在を疎ましく思ったりしています。

これは、同じことを職場で部下に対してすれば「パワハラ」、家庭で家族・子どもに行えば「モラハラ・児童虐待」に相当する行ないに相当します。

イヌはヒトの感情の動きにとても敏感

イヌはヒトの感情の動きにとても敏感な生き物です。

飼い主が自分に対して嫌な感情を抱いていることをすぐに見抜きます

このような状況が続くと、ヒトが「モラハラ」を受け続ければ心を病むように、あなたの愛犬は精神的に不安定になっていきます。

負のスパイラルが回りだし、どんどん困った問題が起こり始めます。

叱れない飼い主は「ほめる」こともできていない

じつは、叱らない主義の飼い主さんは褒めることもできていません。

トリミングサロンで奇抜なカットをして、可愛い服を着せ、高級なオヤツを与え、SNSに毎日写真をUPするなどしていても「表面的に」可愛がっているだけで、愛犬と本当に心の通い合う関係をつくることができていないのです。

ただ「愛が重たい」だけの飼い主

飼い主自身はたくさんの(お金と)愛情をかけているつもりですが、まったく独りよがりで自分本位な愛情であり、愛犬にとっては迷惑な「重たい愛」でしかないのです。

正しく叱ることは虐待ではない

してほしい行動がとれたらしっかりと褒め、してはいけないことは「犬が理解できる方法」で、理解できるまでしっかりと教えることが大切です。

正しく犬を叱ることは、決して虐待ではありません

正しく褒め・叱れる飼い主になるために

「犬が理解できる方法」で褒めたり叱ったりすることができるようになるためには、以下の知識が必要になります。

  • 犬の習性
  • 犬種の特性
  • 「今、この瞬間、この子は何を感じているのか?」を知るための知識
    (ボディーランゲージ・カーミングシグナル)

ごく基礎的な事柄については、本やインターネット、動画などで学ぶこともできます。

叱り方のコツ

とはいえ、マニュアル的にお伝えできる叱り方のコツも少々ありますので、ここでいくつかご紹介します。

これは、家族全員が練習して、できるようになってください。

  1. 自分ができる一番怖い顔で叱る
  2. その犬が吠える音より低い声で叱る
  3. 普段、指示を出すときは高めの優しい声にしておく
  4. 現行犯でなければ見逃す
  5. あえて、罠を仕掛ける
つぶやきできるようになった人から愛犬に尊敬され、言うことを聞いてもらえる飼い主に「昇格」できます

自分ができる一番怖い顔で叱る

犬の叱り方を調べていて「目を見て叱る」というのを見聞きしたことがあると思います。

実際、短くて伝えやすいのでSuzyもつい言ってしまうのですが、「目を見て叱る」とだけ飼い主さんにお伝えして実践してもらうと、ほとんどの確率で効き目ゼロの叱り方をします…。

つぶやきまるで、付き合いたての彼氏(または彼女)に対して甘えているかのような叱り方をするのです…(「もー、プンプン」みたいな)。「せめて、自分の娘や息子、または夫(妻)に対する言い方と同じくらいにしてあげないと(伝わらないよ)~」と大笑いしてしまいます。

そんな叱り方では、愛犬には「飼い主さんは自分を好きで好きでたまらない」という気持ちしか伝わりません

自分が何かいけないことをして飼い主さんから叱られているなんて、夢にも思っていません。

飼い主よ役者になれ!

「それは”絶対に”してほしくない」という飼い主の意思が愛犬に伝わるように叱って頂くためには、ご自身のあふれんばかりの愛犬への愛情がバレないように、役者になって「怒り」を演じていただく必要があるのです。

鏡の前で「怖い顔」を練習

このため、Suzyのプライベートレッスンでは叱り方のトレーニングをするときは、自分で「自分が愛犬を叱るときの顔」を確認するところからスタートします。

自分ができる、「一番怖い顔」を練習してください。

とくに、目の表情が大事です。

視線で人を殺せるんじゃないか?」と思えるぐらいの迫力を出せるようになったら合格です。

その「怖い顔」で愛犬の目を見て叱るのです。

愛犬が目をそらしたら効いてる証拠

もし、愛犬の目を見て叱ったときに、愛犬の白目が見えたり、顔を横に背けたりしたら、それは愛犬が発した「カーミングシグナル」です。

叱っている飼い主さんの「怒っている」という感情を理解している証拠であるといえます。

「自分は、いっぱいいっぱいだ」

「飼い主さん、ちょっと落ち着いて」

という気持ちです。

ここで叱るのを止めて、叱ることになった状況に改めて誘導してみます。

叱られた行動を、愛犬が再びとるかどうかを確認するのです。

もし、このとき愛犬がしてはいけない行動を取らなかったら、

叱られた=「してはいけないこと&すべきこと」を理解した

ということになります。

そしたら、うんと褒めてあげます

もし、また叱られる行動を取ったら叱ります。

まだ、「してはいけないこと&すべきこと」を理解しておらず、ただ叱るのをやめてほしかっただけだったということになります。

つぶやき目線だけで理解できるのはかなり上級の信頼関係が築けてからになるため、以下の方法も組み合わせて、愛犬が理解しやすくなるよう難易度を下げていきます。

その犬の吠え声より低い音程で叱る

とくに女性はもともと声が高いので叱るときの声が高くなりがちです。

しかし、犬にとって高い音は興奮を誘われます。

つまり、犬たちは高い音を聞かされると反省するようなモードになることができません。

ただ、テンションが上がって興奮してしまうだけなのです。

叱られたとは思うことができないのです。

科学的な研究結果などを見つけてはいませんが、Suzyの過去数千頭の犬たちをトレーニングしてきた経験から言えることは、最低限、叱る犬が普段吠えている声よりも低い音でないと「叱られている」とは理解できないと考えておいたほうが良いということです。

叱るときの単語を決める

また、とっさに出す言葉なので、短いほう言いやすいです。

  • ノー
  • ダメ
  • イケナイ

など、1秒以内に言い切れる単語です。

文章でいう暇はありません。

Suzyおすすめの「あ”」

もうひとつ、ひらがなの「あ」に濁点をつけたような音が、犬にノーを伝えるのにとてもよく伝わります。

つぶやき面白いことに乳幼児にも効果があります。言語として単語を理解する前の発達段階においてノーが伝わる音程なんでしょうか…。

慣れればとっさに口から出やすいですし、犬専用語みたいな感じでよく使います。

上級編:ダメのレベルを分けて単語を使い分ける

一発目に口から出す音として「あ”」を使いつつ、どのくらいダメなことかのレベルごとに使う単語を分けるというのもお勧めです。

使う言葉に飼い主の気持ちが乗ることが一番大事なので、あなたが英語のネイティブ話者でない限り、わざわざ英語でいう必要は全くありません。

Suzyの叱るときの使い分け例
  1. 「あ”」…最初の警告音
  2. 「ノー」…ちょっと困ること(未然に防ぐときなど)*1音ですぐ口に出せるから
  3. 「ダメ」…拾い食い・物を壊すなど、人に危害を及ぼさない問題行動
  4. 「イケナイ」…噛みつく・飛びつくなど、人に危害を加える危険のある問題行動

発声練習

愛犬の警戒吠えの音を録音して、それより低い音が出ているか発声して声を録音したり、家族に聞いてもらってみてください。

出来るだけ、ドスのきいた声でビシっというのがコツです。

普段の声は高めの優しい声にしておく

トレーニング中のオスワリなどのコマンドの指示語がやたらと怖い飼い主さんが少なくありません。

コマンドを出すときは優しく穏やかに

これでは、犬からしてみれば「指示」なのか「叱られた」のか分かりづらいのです。

このため、なにか愛犬に指示を出す(お願いする)ときは、よその家の2歳児に話しかけるぐらいの声色で伝えるようにお願いしています。

つぶやきただし、心の中まで声色と同じくらいの優しさにしてしまうと、言うことを聞かなくていいやと判断されてしまうことがあるため、心の中身は今まで通りの強さをキープすることをお忘れなく。難しいかもしれませんが、役者になって演じてください。

凄みは叱るときのためにとっておく

叱るときと、それ以外のときの声のトーンの落差が大きければ大きいほど、犬は叱られたときに事の重大さを理解しやすいのです。

愛犬が叱られたことをすぐに分かることができるように、

  • 普段の声は優しく穏やかに
  • 叱るときは低い声で厳しく

を常に心掛けてください。

現行犯でなければ見逃す

イヌはヒトと比べると、脳全体に対する前頭葉の容量の割合が5分の1しかありません。

前頭葉は短期記憶を司る脳部位です。

少々乱暴にいえば、比較的直前に起こった出来事も、イヌはヒトに比べてすぐに忘れてしまう生き物なのです。

このため、あとから過去の行動について注意したとしても、いつの何のことで注意されているのかを理解することができません。

つぶやき人間の言葉を言語として理解できないということも大きな理由です。

このため、犬の行動を叱って止めさせる際は、その行動をしているとき(現行犯)でなければ効果がありません

もし、現行犯で注意ができなかったときは、タイミングを逃した飼い主の責任であると飼い主が反省してください。

罠を仕掛ける(練習する)

現行犯でなければ叱っても効果がないことは先に述べた通りです。

しかし、いつまでも偶然のチャンスを待っていては、いつまでたっても困った行動を直すことができません。

このため、愛犬に直してほしい問題行動を取らせるシチュエーションをわざとつくり、飼い主の目の前でその行動を取るように仕向けるのです。

そして、飼い主の目の前でしてほしくない行動をした瞬間(現行犯)を叱ります。

偶然を待たずに、飼い主が時間のあるときにその機会をつくり、課題を克服していくようにします。

つぶやきつまり、トレーニングのことです。

叱りっぱなしにしない

叱りのしつけで大事なことは「叱りっぱなしにしないこと」です。

なんとなく叱って、そのまま流して終わりにするのは叱ったことになりません。

「叱るしつけ」は褒めるまでがセット

  1. 叱る
  2. もう一度試す
  3. やらなかった(=して欲しいほうの行動をとった)
  4. 褒める

ここまでが「叱るしつけ」です。

②と③のあいだを数回くりかえすことになるかもしれません。

しかし、なんどか繰り返すうちに必ず愛犬は理解し、飼い主が望む行動を理解します。

この「褒める」までのセットをやり切るのが「叱るしつけ」なのです。

まとめ:叱るしつけを極めよう

褒めるしつけでは、してはいけないことを愛犬に教えることはできません。

また、褒めるしつけを実践している人は本来褒めるべきタイミングを見逃し、ただオヤツを与えて犬を操作することだけが犬のしつけだと思っていることが多く、いつまでたっても愛犬の困った行動を止めさせることができません。

また、叱りっぱなしは「叱るしつけ」ではなく、ただ飼い主の感情を一方的にぶつけているだけでひとつも愛犬の教育にはなりません。

叱るしつけパッケージ

叱るしつけとは、してはいけない行動をしっかりと叱り、愛犬がそれを理解できたかどうかを確認し、本来すべき行動をとれるようにするところまでをパッケージにした立派な「教育」なのです。

  1. してはいけない行動をしっかりと叱り、
  2. 愛犬がそれを理解できたかどうかを確認し、
  3. 愛犬が理解出来たら褒め、
  4. 本来すべき行動をとれるようにし、
  5. 行動出来たら褒める

愛犬が理解できる叱り方

上記の工程を成功させるために重要になってくるのは、「愛犬が理解できる叱り方」かどうか、です。

そのためには、愛犬のために飼い主が役者になって怒りを演じ、その行為を「絶対に許さない」という飼い主の強い意志を愛犬に理解させる工夫が必要です。

性格に応じた強さの調整

犬の性格によって、かなり強く言わないと響かない子もいれば、あまり強く言いすぎると心を閉ざす子もいます。

このため、愛犬の行動を日ごろから様々な視点で観察し、客観的に性格を判断しておく必要もあります。

飼い主さんだけで判断するのは難しいかもしれません。

一度はドッグトレーナーに愛犬の行動を見てもらい、愛犬の効果的な叱り方についてアドバイスを頂くことをお勧めします。

個別の事例については、プライベートレッスンでマンツーマン指導を受けることが、理解・上達への早道です。

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Shizuka “Suzy” Ishida

Shizuka “Suzy” Ishida

2005年より東洋思想をベースにした「ごほうびにオヤツを使わない犬のしつけ方」を提唱。吠える・噛むの問題を抱えた小型犬のしつけを得意としていますが、保護犬の心のリハビリもしています。当サイトで提示しているしつけ方法はすべての犬に100%当てはまるものではありません。性格や状況によって対処方法はさまざまです。お試しになる際はあらかじめご理解のうえお願いいたします。

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