犬の健康管理には飼い主による日々の手入れと観察が欠かせません。
また、ブラッシングは愛犬とのコミュニケーションとなり信頼関係を深めることにも有効です。
換毛期のみならず愛犬との日々のコミュニケーションのひとつとしてマッサージと健康管理を兼ねたブラッシングを習慣にしましょう。
犬のアタッチメントセラピー
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たくさんあるブラシの種類
用途によってブラシにはさまざまな種類があります。
- タワシ
- ラバーブラシ
- ピンブラシ
- コーム
- スリッカー
それぞれ順番に特徴や使用する犬種、お勧めの商品を紹介します。
1. タワシ
譲渡されて間もない保護犬のなかには触られることも怖がってしまい、とてもブラシを掛けるどころではない精神状態の犬も少なくありません。
だからといっていつまでもブラシをかけることができないままでいると、毛玉ができてしまったり健康を損ねてしまうことにもなります。
人の手やブラシに慣れるためのタワシ
このような犬に対してはブラシをかけられるようになる前のステップとしてタワシで撫でることに慣れさせていきます。
タワシでブラッシングされることに慣れさせます。徐々に慣れていきます。
また、人の手を怖がる犬に対しても、まずはタワシで撫でられることに慣らしていくと人の手を受け入れやすくなります。
マイリーも人に触られそうになるとお口がでていましたが、タワシのマッサージを繰り返すことでナデナデが大好きになり、それをきっかけに人との関係を築いていきました↓
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ペット専用タワシ
タワシであればなんでも良いですが、人との距離が遠いほうが良いため、柄が長いものがお勧めです。
ペット用として、犬用と猫用の専用タワシも販売されています。
犬用のタワシはこちら↓
猫用は、犬用より柔らかいので、よりソフトタッチで撫でることができます。
犬用タワシが怖い犬は、よりソフトな猫用タワシからスタート↓
2. ラバーブラシ
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短毛種向き
シリコンゴムでできたトリミング(カット)のいらない短毛の犬種向けのブラシです。
グルーミングの用途としてはアンダーコートの抜け毛を絡めとる目的で使われます。
マッサージ効果が高く、血行促進や被毛にツヤを出すために使うこともあります。
対象となる犬種の例
チワワ(スムース)、ダックスフント(スムース)、ミニチュアピンシャー、イタリアングレーハウンド、ラブラドールレトリバーなど
お勧めのラバーブラシ
ひとくちにラバーブラシといってもゴムの固さは種類によってまちまちです。
ゴムが柔らかいもののほうが毛をよくとります。
おもに抜け毛処理を目的に使うのであればゴムの柔らかいタイプがお勧めです。
以下の製品はゴムが柔らかく抜け毛を集めるのにお勧めです。
3. ピンブラシ
人間が髪の毛をとかすのに使うブラシと同じような形状をしたブラシです。
やや長めの毛質向き
ラバーブラシの対象外の犬種のブラシ掛けに使います。
後述するスリッカーと比べて目が粗いので、スリッカーを掛ける前に毛のもつれを取っておく目的で使われることもあります。
対象となる犬種の例
パピヨン、チワワ(ロングコート)、ダックスフント(ロング)、ヨークシャーテリアなど
お勧めのピンブラシ
4. コーム(櫛)タイプ
いわゆる「櫛」です。
直毛の長毛種の毛をとかすのに使います。
しかし、ピンブラシ同様にスリッカーよりも目が粗いことを利用してスリッカーを掛ける前に毛をほぐしたり、からまった毛をほどくのに使うこともあります。
亜種:ノミとりグシ
名前こそ「ノミとり」ですがノミがついていなくても活躍の場面がたくさんあります。
目が細かく小さくて扱いやすい形状の櫛です。
目の周りのような細かい場所のお手入れにおいて非常に効果を発揮します。
- 目の周りの毛についた目ヤニをとる
- 何かがくっついて固まった毛の塊をほぐす
どんな犬の飼い主さんもひとつはもっておくことをお勧めします。
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5. スリッカータイプ
剣山に柄をつけたような金属のブラシ。
犬用ブラシというとコレを思い浮かべる人が多い犬用ブラシです。
ほとんどの長毛種に使用
細いピンが密集したブラシで、毛の根本までしっかりと空気を入れてほぐし抜け毛を取り除くものです。
ほとんどの長毛犬種で使用します。
対象となる犬種の例
- トイプードル
- ミニチュアシュナウザー
- 柴犬
- ボーダーコリー
- ゴールデンレトリバーなど
扱いが難しいスリッカー
しかし、これを上手に使うのは難しく、使い方を教わらないまま使っていると以下のような事態を招いてしまうことがよくあります。
- 皮膚に近い毛がフェルト状になってしまった
- 愛犬がブラッシングを嫌がり噛みつく
皮膚に近い毛がフェルト状になってしまった
毛の表面しかとかせていなかったことが原因で起こります。
お手入れしているつもりでもブラシの歯が表面の毛にしか届いておらず、皮膚に近いところの毛がフェルトのように固まり通気性が悪くなったことによって皮膚炎を起こしていることがあります。
愛犬がブラッシングを嫌がり噛みつく
ほとんどのばあい飼い主が力を入れすぎていることが原因です。
愛犬はリラックスどころか痛くて辛い思いをしてしまいます。
トイプードルやミニチュアシュナウザーなどのレッスンでは飼い主さんから「ブラシをかけようとすると嚙みついてくる」というご相談をよくいただきますが、多くの場合原因はここにあります。
スリッカーを使用する場合はあらかじめトリミングサロンでブラシのかけ方を教わってからにすることをお勧めします。
スリッカータイプのブラシの例↓
亜種:ファーミネーター
スリッカーとよく似た形状ですが、スリッカーよりも強力に下毛(アンダーコート)を取り除いてくれます。
抜け毛を大量に取り除く一方で生きた毛を削り取って被毛にダメージを与えてしまうことから毛の美しさにこだわるトリマーさんたちからは「邪道」と嫌われているブラシです。
しかし、下毛を大量にもつ犬種(柴犬、ゴールデンレトリバー、ボーダーコリー等)の飼い主さんたちに大人気の商品です。
犬用と猫用があり、それぞれ短毛種用・長毛種用に分かれています。
犬用はSサイズ(小型犬)とMサイズ(中型犬)、そしてLサイズ(大型犬)にも分かれています。
どこでする愛犬のブラッシング
愛犬にブラシを掛け抜けている被毛を取り除くことは健康管理の上で非常に大切なことです。
しかし、飼い主は抜いた後の毛の始末までしっかりと考えたいものです。
家の中が毛だらけになること嫌ってわざわざ自宅の外へ出かけて愛犬に丁寧にブラシをかけている飼い主さんをときどき見かけます。
公園のベンチやテーブル、路上などで愛犬にブラシをかけて抜いた毛をそのまま放置して帰ってきてしまうと近隣トラブルの原因になります。
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公園のテーブルは人がごはんを食べるところ
テーブルとベンチが備え付けられた公園では、愛犬をテーブルに乗せ一心不乱に毛を取っている飼い主さんもいます。
そして、抜けた毛をやはりテーブルに置き去りにしていくのです…。
公園のテーブルはトリミング台ではありません。
公園に遊びに来たお子さんやご家族が食事をしたりする場所です。
こうした行為がマナー違反であることに気付かないほど盲目的に愛犬を可愛がっていると、次第に周囲の目が厳しくなっていき結果的に犬と暮らしづらい場所になっていきます。
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ベランダから綿毛がフワフワ
マンション住まいの飼い主さんが自宅のベランダで愛犬のブラッシングをしたら抜毛がフワフワと転がって隣家のベランダに入り込んでしまうという近隣トラブルもあります。
また、お隣さんのみならずフワフワと飛んだ毛が思わぬ場所まで飛んでいって問題になったケースもあります。
ブラッシングにお勧めの場所は?
原則として自室内であることが求められます。
できるだけ狭くて閉め切れる場所でお掃除しやすい場所がお勧めです。
やむなく屋外でブラッシングをするときの注意点
やむを得ない理由で屋外でブラシをかける際はブラシについてきた抜け毛をきちんと始末するのが最低限のルールです。
抜けた毛を入れる袋を必ず用意!
抜け毛は抜いたそばからすぐに持参した袋に入れてしまいます。
「ある程度溜めてから袋に入れよう」と思っていると風が吹いてあっという間に飛んでいきます。
そして、結果的に抜け毛をばらまいて近隣の方を困らせることになります。
すべての人が犬を好きとは限らない
世の中には犬が苦手な方、大嫌いな方もいます。
また、犬が好きでもアレルギーがあり犬(の毛)との接触に敏感になっている方もいます。
そして、いくら犬が好きだといっても公園のテーブルのうえや路上に放置された犬の抜け毛を見て喜ぶ人はいません。
自分(と愛犬)以外の人たちへの配慮を忘れないことが愛犬と暮らしやすい世の中をつくります。
ひとたび「嫌い」が多数派になるとその地域では犬と行動できる範囲がどんどん制限され愛犬と安心して生活することができなくなってしまいます。
飼い主の一人ひとりが愛犬とともに行動できる範囲をもっと広げていけるように努力を続けることが大切です。
近隣の人たちとの関係をよくする
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