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ダブルリードは命綱

カイロスドッグトレーニングでは保護犬譲渡の条件として、お散歩時の「ダブルリード」をお願いしています。

なぜ、ダブルリードが必要なのか

なぜなら、完全に自分の家族と家なのだと理解できるまでは、命がけで逃げようとするのが保護犬の常だからです。

多くの場合、保護犬として譲渡される犬は、あなたの家にやってくるまでに、大きな生活の変化を短期間に経験してきました。

不安と恐怖による命がけの脱走

保護犬たちにとっては、これから自分が「生きるか・死ぬか」も分からず、不安と恐怖に押しつぶされそうになっています。

ふとしたきっかけでパニックを起こして犬が脱走してしまうニュースが後を絶ちません。

残念なことに、時間とお金と労力を尽くして助け出され、ようやく新しい飼い主へとつないだ命が失われてしまうことが日本全国で毎日頻発しています。

つぶやきぜひ、ペットの迷子情報のSNSをいくつかフォローしてみてください

保護活動にかかわる者たちにとって、犬たちの「脱走」は譲渡直後の心配の種です。

このため、譲渡した犬が本当に家族の一員として完全に馴染み、安心してお散歩ができるようになるまでは、外出時の「ダブルリード」を譲渡の条件としていることが多いようです。

もちろん、カイロスドッグトレーニングにおいても保護犬の譲渡はダブルリードを条件としています(最低1年程度)

もちろん、どんなに家族のそばを離れず歩けるようになっても、ノーリードでお散歩をさせることはお断りしています。

「100パーセント絶対に大丈夫」ということはないからです。

つぶやき訓練された優秀な警察犬だって、現場から脱走してニュースになっています

方法によっては意味がないことがある

ダブルリードの定義は、人によって、保護団体によってまちまちです。

しかし、その内容によっては、そもそもの目的(犬を逃がさない)を考えると心もとない内容であることも少なくありません。

よくある「ダブルリード」の内容としては、以下の2パターンがあります。

NGパターン1:1つの首輪に2本のリードをつける

ひとつの首輪にリードを2本つけたとしても、首輪がすっぽ抜けてしまえば即アウトです。

→改善策:2つの首輪それぞれにリードをつける

しかし、以下の写真のように、2つの首輪それぞれにリードをつけるのであれば、目的に叶います。

2つの首輪それぞれにリードを着けた「ダブルリード」

上記の方法をとる場合は、1本のリードの持ち手は腕に通し、もう1本の持ち手はしっかりと手に握って使うことが重要です。

NGパターン2:Y字形リードを首輪とハーネスにつける

先端が2本に分かれた形状のリードで、フックが2つあるものがあります(2頭引き用リードとして販売されています)。

しかし、いくら首輪とハーネスを着けていたとしても、1本しかないリードを食いちぎられたり、手からリードが離れてしまったらアウトです。

Y字形リードの例
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→改善策:リードの持ち手側にも安全対策があるもの

リードが1本しかないと、手から離れてしまったらアウトなので、手からリードを落とさない工夫をしてあるY字リードもあります。

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上記のY字リードには、持ち手にも安全装置がついているため、忘れずに安全装置を着けていれば、リードの取り落としについては危険を免れるでしょう。

らまっとさんで販売している「セーフリー」も、とっても便利でお勧めです↓

手持ちのリードに取り付けて使える安全装置です。

つぶやきしかし、リードが1本のままでは、「食いちぎり」に対しては無防備なままであることに変わりはありません。

安全を確保するダブルリードの方法は?

これまでみてきたとおり、よくあるダブルリードの方法はいずれも事故を防ぐ目的において、少々不安が残ります。

このため、カイロスドッグトレーニングでは、以下の2つの組み合わせによるものを「ダブルリード」と定義し、お勧めしています。

  1. 首輪+リード
  2. ハーネス+ジョギング用リード
コメント保護犬を譲渡する際は、上記のダブルリードのご準備をお願いしています

1-1:首輪はマーチンゲールカラーを

①の装備においては、シンプルなリードとマーチンゲールカラーの組み合わせをお勧めしています。

理由その1

犬が後ろに後ずさりをしてもすっぽ抜けることのない構造になっているため、適切なサイズで使用していれば首輪抜けによる逸走を防ぐことができるためです。

理由その2

リードを引くと締まり、リードを緩めれば首輪も緩む仕組みは、犬にとって飼い主の合図を受け取りやすいのです。

犬はリードが張っているときは、飼い主の望む行動がとれていないと考え、自らあれこれと正解を探して試行錯誤します。

望む行動がとれた時はリードを緩めることで、それが正解であると伝えることができるからです。

マーチンゲールカラーについてもっと知りたい

マーチンゲールカラーの詳細については、以下の記事で解説しています↓

1-2:リードは短くて持ちやすいもの

首輪につけたリードは、飼い主が手にもち、指示を出すために使います。

このため、あれこれ機能がついていないシンプルなデザインで、握りこみやすく、滑りにくいものがお勧めです。

犬の体高と飼い主の身長によって、ベストなリードの長さは異なりますが、だいたい120~180cmくらいの長さのものがお勧めです。

また、リードの幅も、飼い主の手の大きさ・犬の体重や引っぱりの強さにより、1~2cm程度のものから選ぶことになります。

太さはリード捌きの重要なポイントになるため、実際に握って試してみるのがお勧めです。

シンプルなリードとは?

リードについてのより詳細な解説は以下の記事で紹介しています↓

Suzyお勧めのシンプルなリード
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2-1:すっぽ抜けないハーネスを

②の装備では、ハーネスとジョギング用リードを使用します。

ペットショップには、おしゃれなハーネスがたくさん売られています。

しかし、その大半はファッション性を重視し、安全性についてはあまり考慮されていないように思います。

これまで数多くのワンちゃんとのレッスンやお世話を通じて、たくさんの種類のハーネスを使用してきましたが、お勧めできるハーネスは今のところ、以下の2社の製品のみです。

モンベル(RUFFWEAR)

ご存じ、山登り・アウトドア用品のモンベルでは、首輪、ハーネス、リード等を販売しています。

山登りの専門メーカーだけあって、強度抜群で安全性の高い製品ばかりです。

インターネットではモンベル・オンラインで販売していますが、アウトレットモールやアウトドア用具店にテナントとして入っていることも多いため、お店に足を運んでみても良いと思います。

つぶやきただし、試着ができないのが残念です。モンベルさんには、犬グッズメインのお店を出して頂いて、試着ができるようにしてもらえたらありがたいです…(その際は、首輪選びアンバサダーとして働かせてほしいです)。

Hurtta

こちらもWEEKEND WARRIOR HARNESSについては、しっかりと犬の身体を包み込むデザインで、すっぽ抜けの心配なく使えます。

同じメーカーのものでも、形状が変わるとやはりすっぽ抜ける可能性もあります。

このページで紹介するハーネスのお値段は張りますが、首輪もリードもハーネスも命綱ですので、安全第一で選んでいただきたいと思います。

2-2:ハーネスにはジョギング用リード

首輪につけたリードにくわえて、ハーネスにつけたリードまで片手に持っていると、愛犬に対して首輪への合図をうまく伝えることができません。

また、片手に持ったリードは手からいっぺんに離れてしまいます。

このため、ハーネスにつなぐリードにはジョギング用のものを用意します。

ジョギング用リードの種類

ジョギング用リードは大きく分けて以下の2方式に分かれます。

  • 肩掛式
  • 腰巻式

肩掛式のデメリット

「肩掛けタイプ」と「腰巻タイプ」のどちらが良いのか?という質問をよく頂きます。

肩掛式のリードには、以下のデメリットがあると感じます。

  • 片方の肩だけに負担がかかる
  • 肩がこる
  • (犬の)左右の移動がしづらい

ことから、リード捌きに影響が出てしまいます。

このため、Suzyは肩掛けよりも断然腰巻タイプをお勧めします。

腰巻式リードのメリット

腰に巻いたベルトにつなげて使用するため、ハンズフリーで使用できます。

このため、首輪につなげた1本のリードに集中することができるうえ、万が一首輪がすっぽ抜けたり、リードを手から取り落とすようなことがあっても、腰に巻いたリードとハーネスがつながっているため安心です。

ただし、腰巻式でも注意しなければいけないことが2つだけあります。

  1. リードの伸ばしすぎに注意
  2. 引っ張られたときに腰を持っていかれないように

リードを長くしたまま歩いてしまうと、自転車や歩行者の通行の妨げになってしまいます。

手に持つリードより短いものを使用するほうが扱いやすいです。

また、突然の引っ張りに腰を持っていかれてしまうと飼い主さんが腰を痛めてしまいます。

引っぱりの強い大きめの犬(15キロ以上)のばあいは、引っ張られたときに腰をもっていかれないよう踏ん張らないといけないかもしれません。

しかし、お散歩の練習を重ねていけば、犬も飼い主もお互いに、うまく扱えるようになってきます。

手作りで節約

ハーネスに予算を使ったので、2本目のリードは安く済ませたい…ばあいは、ベルトとリードがあれば、100均で部品を買い足せばジョギング用リードは作れると思います(私は自作して使っています)。

お勧めのジョギング用リード

PETBABA(ペット・ババ)のジョギング用リードは安くてとても使いやすいのでお勧めです。

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また、ハーネスで紹介したモンベルからもジョギング用リードがいくつか販売されています。

モンベルの製品はリードの長さや太さが男性向き(大きい)ため、小柄な方や女性は少し扱いづらいかもしれません。

さいごに

最終的に、愛犬との絆をしっかりと築くことができた後には、このハーネスと腰巻のリードのみでお散歩に出られるようになるでしょう。

「安全装置」から「安心装置」へ

このときリードは、愛犬のための「安全装置」から、犬が苦手な方のための「安心装置」になります。

コメントノーリードの犬に恐怖を感じる人も、犬がリードにつながっているだけで、犬に対する恐怖心が低減します

ハンズフリー(お散歩バッグは忘れずに)で一緒にジョギングを楽しむ日を目標に、これから家族に迎える愛犬とともに、焦らず一歩ずつ頑張りましょう。

リードの種類や使い勝手については、こちらの記事もご参照ください。

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Shizuka “Suzy” Ishida

Shizuka “Suzy” Ishida

2005年より東洋思想をベースにした「ごほうびにオヤツを使わない犬のしつけ方」を提唱。吠える・噛むの問題を抱えた小型犬のしつけを得意としていますが、保護犬の心のリハビリもしています。当サイトで提示しているしつけ方法はすべての犬に100%当てはまるものではありません。性格や状況によって対処方法はさまざまです。お試しになる際はあらかじめご理解のうえお願いいたします。

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