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横を見る(See the side):犬のカーミング・シグナル(4)

横を見る(See the side)

  • 見知らぬ犬同士が近づくとき目と目や鼻先と鼻先を最初に合わせることはしないのが犬社会の礼儀
  • 体の横を見せながらおしりのほうから近づいていく
  • これが犬同士の相性の見極めどころ
  • これが上手にできたらコミュニケーションがとれていると判断してOK
使用頻度★★★★☆

カーミング・シグナルとは

犬たちはほかの犬や人とのコミュニケーションにおいて視覚的・身体的なサインであるボディランゲージを通じて自らの感情や意図を伝える能力をもっています。

ボディランゲージの一種

その一つが「カーミングシグナル」(calming signals)と呼ばれるボディランゲージです。

カーミングシグナルは他者とコミュニケーションを図るために犬たちが使う自然なボディランゲージで自分や相手を落ち着かせるための「平和のサイン」です。

ノルウェーのドッグトレーナーであるTurid Rugaas(トゥーリッド・ルガース)氏により犬のボディランゲージのうち27~30種類がカーミングシグナルであると定義されました。

このカーミングシグナルは犬の行動学において重要な要素とされています。

平和のサイン

カーミングシグナルはおもに犬がストレスを感じた時や緊張状態にあるときに自分や相手の感情を落ち着かせるために使用されます。

緊張状態を軽減し相手との衝突を避けるために使われるボディランゲージの一種です。

犬同士のあいだのみならず飼い主を含む人間や犬以外の動物に対してもこのカーミングシグナルを通じて平和的なコミュニケーションを試みます。

「横を見る」の意味

そのひとつが「横を見る」という行動です。

このシグナルは犬が見つめてきた相手に対して緊張したりプレッシャーを感じたりしたときに見せるものです。

緊張した状況を和らげるための重要なサインとして機能します。

本記事では「横を見る」というカーミングシグナルがどのような意味を持ち、どのような状況で見られるのか、そしてそれに対して飼い主としてどう対応すべきかについて詳しく解説します。

目と目があったら喧嘩の合図

犬同士のコミュニケーションにおいては相手の目をじっと見つめることは威圧的な行為と判断されます

相手の目をじっと見つめることは犬同士の喧嘩を引き起こす原因のひとつです。

ほかの犬や人が自分に対してまっすぐに近づいてきたり、過度な注目(顔を近づけてじーっと見るなど)を向けられたりすると犬は緊張や不安を感じます。

横を見る=目をそらす

相手が自分を凝視してきたときに相手を見詰め返すのではなく、あえて視線を逸らして横を向くことで相手に対して「私は敵意がない」「争いたくない」というメッセージを送ります。

そして、自らには攻撃の意思がないことを示し緊張を和らげようとします。

類似するカーミングシグナル

また、「横を見る」と併せて犬が示すカーミングシグナルには以下のようなものがあります。

同時に複数のカーミングシグナルを駆使することで相手に対して確実に自分は敵ではないことを伝えようと努力しているのです。

具体的なシチュエーション

「横を見る」という行動はさまざまな場面で観察されます。

犬たちが具体的にどのような状況で「横を見る」シグナルを発するのか、いくつかの典型的な状況を見てみましょう。

  1. 犬同士が会ったとき
  2. 人に見つめられたとき
  3. 写真を撮るとき

1)犬同士が会ったとき

初めて会う犬同士や相性がわからない犬同士が対面したとき、犬たちは慎重に相手を観察しながら距離を保つことがあります。

その際、直接相手を見つめるのではなく視線をそらし「横を見る」ことで相手に対して警戒心を抱かせないように努めます。

これは犬同士が関係を平和に保つための大切なコミュニケーション方法です。

2)人に見つめられたとき

人が犬に対して直線的に近づいて行ったり、じっと目を見つめたりする場面でも犬は不安を感じます。

とくに初対面の人からの「じーっと」視線を受けることを威圧的に感じます。

普段から警戒心の強い犬はとくに顕著に不安を感じてしまいます。

このような状況で見つめられた側の犬が「横を見る」ときは「私にプレッシャーをかけないでほしい」「敵意はない」というメッセージです。

3)写真を撮るとき

飼い主は可愛い愛犬の写真をたくさん撮りたいと思うものです。

SNSの普及もあり一日に何度もスマホやカメラを向けられている犬たちもたくさんいます。

しかし、犬たちはカメラのレンズを「目」ととらえます

カメラのレンズを向けられるとじーっと見つめられていると思ってしまうのです。

このため写真を撮ろうとしてもこっちをなかなか見てくれないという現象が起きるのです。

カメラのレンズを凝視させることは犬にはプレッシャーです。

カメラのレンズを凝視できる犬はよほど気が強いのかカメラ慣れしているかのどちらかです。

写真を撮るときは無理やり犬の目線を追わないようにしましょう。

飼い主のとるべき対応

愛犬が「横を見る」カーミングシグナルを示したら飼い主はどのようにすればよいでしょうか。

  1. 視線のプレッシャーを減らす
  2. 距離を保つ
  3. リスト3

1)視線のプレッシャーを減らす

犬が横を向いている場合それは視線に対するプレッシャーを感じている可能性が高いです。

ほかの犬からじっと見つめられていたら

ガン見してくる相手の犬と自分の犬のあいだに入り視界を遮るようにします。

また、愛犬の身体(顔を含む)の向きを相手の犬の正面からずらします。

人に見られて緊張していたら

対面して話しかけるときも犬に対して少し体を斜めにするなどして正面をずらしてあげると犬の緊張を和らげることができます。

つぶやき「目を見たらいけない」と説明すると「愛犬の顔を見てはいけないのか?」と驚く飼い主さんがいます。しかし、目をじっと見つめたらいけないのであって愛犬に顔を向けてはいけないということではないのです。目でなくおでこのあたりを見るようにするだけでも犬へのプレッシャーを避けられますよ

2)距離を保つ

犬が緊張して「横を見る」というカーミングシグナルを発しているならば、その状況がその犬にストレスを与えていることが考えられます。

人にもそれぞれパーソナルスペースが存在するように犬にもパーソナルスペースが存在します。

パーソナルスペースを保つことによって不安や緊張を和らげることができます。

まとめ:理解と対応

「横を見る」というカーミングシグナルは自分の緊張や不安、相手に対して敵意がないことを伝えるために使われる大切なボディランゲージ(犬語)です。

愛犬がカーミングシグナルを出しているとき飼い主は愛犬の気持ちを尊重した対応をすることが求められます。

また、ほかの犬がこちらに対してこのシグナルを使ってきたときも相手の犬の気持ちを尊重した対応をすることが大切です。

犬のカーミングシグナルを正しく読み取るスキルを身につけて、日常生活のなかでこうしたサインに気づき、犬の気持ちに寄り添うことが愛犬とのより良いパートナーシップの構築につながります。

カーミングシグナル全30種一覧

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Shizuka “Suzy” Ishida

2005年より東洋思想をベースにした「ごほうびにオヤツを使わない犬のしつけ方」を提唱。吠える・噛むの問題を抱えた小型犬のしつけを得意としていますが、保護犬の心のリハビリもしています。当サイトで提示しているしつけ方法はすべての犬に100%当てはまるものではありません。性格や状況によって対処方法はさまざまです。お試しになる際はあらかじめご理解のうえお願いいたします。

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