犬回虫（Toxocara canis）
犬回虫（いぬかいちゅう）はイヌの消化管に寄生する代表的な寄生虫の一つです。
とくに子犬で多く見られる寄生虫です。
犬回虫は年齢抵抗性があり生後6カ月未満で感染すると症状が重くなります。
成犬にも感染しますが一般的に症状が軽く済みます。
感染経路
犬回虫の感染経路はおもに母子感染です。
母犬が感染していたばあいは胎盤や母乳を通じて子犬にほぼ100パーセント感染するため子犬によくある寄生虫です。
そのほか、犬回虫の卵に汚染された食べ物や水を摂取したり犬回虫が寄生した野生動物（ネズミなど）を捕食することでも感染します。
人にも感染する「犬回虫」
「犬」回虫と名前がついていますがヒトにも感染する寄生虫です。
ヒトの感染は犬の糞便に含まれるが土壌などを介して人間に経口感染します。
砂場を介して子どもに感染
砂場や庭などが回虫卵を含む動物の糞などで汚染されることによってとくに幼い子どもに感染しやすくなっています。
内臓や目に障害
ヒトが犬回虫に感染すると「トキソカラ症（内臓幼虫移行症や眼幼虫移行症）」と呼ばれる病気を引き起こし内臓や目に障害を及ぼすことがあります。
症状
軽度の感染では無症状の場合もありますが重度の感染では以下のような症状が現れます。
- 下痢、嘔吐
- 体重減少、成長不良
- お腹の膨れ（腹部膨満）
- 脱水症状
- 肛門周辺に寄生虫が見られることも
感染が分かったら
治療と清掃の2つの対応が必要となります。
犬回虫の感染に対する治療には駆虫薬の投与が有効です。
駆虫薬の投与
以下に、犬回虫の駆虫に使われるおもな駆虫薬を挙げます。
ただし、駆虫薬は虫卵には効果がありません。
このため、1回目の駆虫薬の投与時に卵であったために駆除できず成虫になった犬回虫を確実に駆虫するため３週間あけて２回以上駆虫する必要があります。
- ミルベマイシン
- ドロンタールプラス
- フェンベンダゾール
1. ミルベマイシン
ミルベマイシンはフィラリア予防薬としても使われるお薬です。
フィラリア予防薬をミルベマイシン系にすることで「犬回虫」の寄生を防ぐこともできます。
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ミルベマイシンを含む駆虫薬は個人輸入で入手することもできます。
ネクスガードスペクトラ
ネクスガードスペクトラ
クレデリオプラス
クレデリオプラス
コンフォティスプラス
コンフォティスプラス
2. ドロンタールプラス
ドロンタールプラス錠にはジェネリック医薬品があり個人輸入で入手することもできます。
キウォフプラス
ドロンタールプラス錠のジェネリック医薬品（キウォフプラス）
3. フェンベンダゾール
フェンベンダゾールを含む駆虫薬は個人輸入で入手することもできます。
パナクールKH 250ml
フェンベンダゾール含有の駆虫薬「パナクールKH 250ml」
パナクールオーラルペースト(Panacur)
パナクールオーラルペースト(Panacur)
清掃・消毒
このほか、感染が分かったら再感染を防ぐために室内の清掃や消毒をすることも重要です。
まとめ
犬回虫は子犬によく見られる寄生虫で母子感染や汚染された食物・水を介して感染します。
生後6カ月未満の子犬で重症化しやすい一方、成犬では軽い症状が多いです。
また、犬回虫はヒトにも感染し内臓や目に障害を引き起こす可能性があります。
治療にはミルベマイシンやフェンベンダゾールなどの駆虫薬を使用します。
3週間あけて2回以上投与することが推奨されます。
予防方法
愛犬を犬小回虫をはじめとした寄生虫感染症にさせないためには以下の対策が必要です。
駆虫薬の定期投与
治療に使用した駆虫薬を通年で定期投与することにより感染を防ぐことができます。
フィラリア、ノミ・マダニの予防と併せて犬小回虫の駆虫にも効果のある寄生虫予防薬を選択することをお勧めします。
室内環境衛生
日ごろからの室内の清掃や消毒も大切です。
室内トイレでの排泄に気づいたら速やかに片づけ定期的に消毒もしておきます。
また、犬用の敷物やベッドなどはこまめに抜け毛を取り除いたり洗濯して清潔に使います。
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時間が経つほど寄生虫の量が増えたり、感染力が高まるものもあります。
放置ウンチは巡り巡って自分の愛犬の健康を損なうということを飼い主一人ひとりが肝に銘じる必要があります。
また、お散歩中は愛犬のリードを短くもち、放置ウンチの匂いを嗅がせたり、食べられてしまわないように十分な注意を払いながら歩くことも大切です。
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