犬小回虫(Toxascaris leonina)
犬小回虫(いぬしょうかいちゅう)は犬回虫と似た寄生虫ですが犬回虫との特徴的なちがいは年齢抵抗性がないことです。
子犬も成犬も全ての年齢で感染し症状が現れます。
感染経路
犬小回虫のおもな感染経路は以下のとおり。
経口感染
犬小回虫の感染経路はおもに経口感染です。
糞便から卵が土壌中に放出され、ほかの犬がそれを経口摂取することで感染が広がります。
症状
犬小回虫に感染した犬が示すおもな症状には以下のようなものがあります。
- 下痢
- 嘔吐
- 食欲不振
- 体重減少
感染が分かったら
治療と清掃の2つの対応が必要となります。
駆虫薬の投与
犬小回虫の感染に対する治療には駆虫薬の投与が有効です。
以下に、犬小回虫の駆虫に使われるおもな駆虫薬を挙げます。
- ピランテル
- フェンベンダゾール
- ミルベマイシンオキシム
- イベルメクチン
- エプリノメクチン
1. ピランテル(Pyrantel)
ピランテルは犬小回虫を含む多くの寄生虫に効果的でよく使用される安全な駆虫薬です。
口から与えるタイプが多く幼犬への投与においても比較的安全とされます。
ピランテルを含む駆虫薬の一部は個人輸入で購入することも可能です。
ウォレックス(犬用)
キウォフプラス(ドロンタールプラスジェネリック)
2. フェンベンダゾール(Fenbendazole)
広範囲の寄生虫に効く薬で犬小回虫にも有効です。
フェンベンダゾールを含む駆虫薬の一部は個人輸入で購入することも可能です。
パナクールKH 250ml
パナクールオーラルペースト(Panacur)
3. ミルベマイシンオキシム(Milbemycin Oxime)
フィラリアの予防薬としても使われることでよく知られている薬剤です。
フィラリア以外に犬小回虫にも効果があります。
フィラリア予防薬をミルベマイシン系のお薬にすると犬小回虫の予防にもなります。
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ミルベマイシンを主剤としたおもなフィラリア予防薬(経口投与)は以下のとおりです。
ネクスガードスペクトラ
クレデリオプラス
玉木宏がCMをやってるアレです。
インターセプターS*
コンフォティスプラス
コンフォティスプラスと同成分の薬は以下の薬もあります。
- パノラミス(コンフォティスプラスと同成分)
4. イベルメクチン(Ivermectin)
フィラリアの予防薬として知られていますが幅広い寄生虫に対して有効です。
フィラリア予防薬をイベルメクチン系のお薬にすると犬小回虫の予防にもなります。
イベルメクチンを主剤としたおもなフィラリア予防薬(経口投与)は以下のとおりです。
フィラリア予防薬のえらび方(内服薬編)
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イベルメクチンを含む駆虫薬の一部は個人輸入で入手することもできます。
カルドメックチュアブル/ハートガードプラス*
ミルプラゾン*
ミルプラゾンチュアブル*
そのほかの薬
イベルメクチンを使用した駆虫薬には上記のほかに下記のような薬もあります。
- キウォフハート*
- イベルメック*
5. エプリノメクチン(Eprinomectin)
複数の寄生虫に効果があり犬小回虫に対しても有効な外用薬です。
清掃・消毒
このほか、感染が分かったら再感染を防ぐために室内の清掃や消毒をすることも重要です。
まとめ
犬小回虫は犬回虫に似た寄生虫で、すべての年齢の犬に感染します。
おもな感染経路は糞便を通じた経口感染で、下痢、嘔吐、食欲不振などの症状が現れます。
治療にはピランテルやフェンベンダゾールなどの駆虫薬が有効で定期的な投与が推奨されます。
また、フィラリア予防薬(ミルベマイシン、イベルメック)にも犬小回虫の感染予防効果があり予防には通年での駆虫薬投与が効果的です。
予防方法
愛犬を犬小回虫をはじめとした寄生虫感染症にさせないためには以下の対策が必要です。
駆虫薬の定期投与
治療に使用した駆虫薬を通年で定期投与することにより感染を防ぐことができます。
フィラリア、ノミ・マダニの予防と併せて犬小回虫の駆虫にも効果のある寄生虫予防薬を選択することをお勧めします。
室内環境衛生
日ごろからの室内の清掃や消毒も大切です。
室内トイレでの排泄に気づいたら速やかに片づけ定期的に消毒もしておきます。
また、犬用の敷物やベッドなどはこまめに抜け毛を取り除いたり洗濯して清潔に使います。
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時間が経つほど寄生虫の量が増えたり、感染力が高まるものもあります。
放置ウンチは巡り巡って自分の愛犬の健康を損なうということを飼い主一人ひとりが肝に銘じる必要があります。
また、お散歩中は愛犬のリードを短くもち、放置ウンチの匂いを嗅がせたり、食べられてしまわないように十分な注意を払いながら歩くことも大切です。
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