首輪は愛犬の安全装置&コミュニケーションツール
可愛い首輪やカッコイイ首輪がたくさん売られていますが、じつは首輪は単なるファッションアイテムではありません。
見た目や値段だけを理由に、愛犬の首輪を選んではいけないことを知っていましたか?
首輪には、飼い主と愛犬をつなぐ安全装置としての役割のほかに、リードを通じて愛犬に気持ちを伝えるための、大切なコミュニケーションツールとしての役割もあります。
人間の靴や下着選びと同じように、ただ『可愛い♡』だけで選んでしまうと、愛犬の心身の健康を損なうことがあるのです。
適切な犬具を使っていなければ、愛犬と心の通った関係を作ることができないばかりか、愛犬の身を危険にさらす事態にもなりかねません。
首輪は犬に苦痛を与えるので、ハーネスを使いましょう と、動物病院で言われることが多く、多くの飼い主さんが「首輪は犬にNG」であると信じています。ですが、ハーネスを使ったお散歩をしているワンちゃんのお散歩中の「引っ張り」や「他犬への攻撃」、「拾い食い」などに困って、しつけ教室に来られる飼い主...
ほとんどの飼い主さんが、首輪は緩いほうが「犬にとって良い」と勘違いしています。しかし、ゆるゆるで使う首輪ほど危険な物はありません。ゆるゆるの首輪を着けた犬には以下のようなトラブルが起こる危険性があります。 ゆるゆる首輪で愛犬の身に起こる4つの危険すっぽ抜ける 逆に...
もう、二十年以上も前から、あまりにもたくさんのワンちゃんたちがシュルシュルと伸び縮みする「伸縮式リード」を使ってお散歩をしている姿を見かけます。このため、伸縮式リードを散歩の定番アイテムと勘違いしている飼い主さんも少なくありません。犬が自由に歩いているように見えるこの道具は「犬が喜ぶ...
本記事では、さまざまな首輪の形状による特徴と用途について、ドッグトレーナーが解説します。
この記事を読めば、愛犬にどんな種類の首輪を買ってあげれば良いのかを知ることができますよ。
形状による首輪7種のタイプ
「首輪」と一口にいっても、さまざまなタイプがあります。
首輪の形状によって以下のように分かれます。
- バックル・タイプ
- ベルト・タイプ
- マーチンゲールカラー
- ハーフチョークカラー
- チョーク・カラー(スリップリード)
- チョーク・チェーン
- スパイクチョーク
なお、(1)から順に扱い方の難易度が上がっていきます。買いたい首輪を選ぶときは、その首輪を「正しく使いこなせるかどうか」も含めて考えましょう。
1.バックル・タイプ
あらゆるタイプの犬にオールラウンドで使えるタイプの首輪です。
もっともポピュラーな種類の首輪で、首輪の両端をプラスチック製(もしくは金属製)のスナップで留めるタイプの首輪です。
軽い・安い・ピッタリの3拍子!
このタイプの首輪の良いところは、首の太さに合わせて、ミリ単位でサイズを調節することができることと、ナイロン製やポリエステル製のものが多く、もっとも安価に購入できることです。
サイズをぴったり合わせられて、躊躇なく買い替えることができるというのは、首輪選びの大きなポイントになります。
子犬のファースト首輪にも!
成長著しい子犬に初めての首輪を選ぶときは、このバックルタイプの首輪を選びましょう。
どんな年齢・犬種にも使えるオールラウンドタイプの首輪ですが、引っ張りが強い犬が使用すると、材質によっては首輪が簡単に緩んでしまうことがあります。
お散歩でグイグイ引っ張られても、首輪が簡単に緩んでしまわないように、しっかりした素材(厚手の生地、パーツの質など)で作られた首輪を選びましょう。
しっかりした素材の条件と調べ方
軽量であることがこのタイプの首輪のメリットでもありますが、素材が貧弱すぎる物は危険です。
首輪を選ぶときは、以下のことをチェックしましょう。
- ナイロンやポリエステルの厚めの裏地テープが使われている
- テープを引っ張ったら簡単に緩んでこないか?
- 留め具のパーツが華奢すぎないか?
- 留め具が重たすぎないか
Suzyはこれまでに何千頭もの家庭犬のしつけをお手伝いしてきましたが、ほぼ全員の飼い主さんが愛犬に首輪を正しく着けることができていませんでした。インターネットやしつけ本に書かれている首輪の着け方の説明が曖昧すぎることが原因です。せっかく良い首輪を着けていても正しいサイズ合わせができて...
2.ベルト・タイプ
お父さんのズボンのベルトと同じ仕組みの首輪です。
ベルトに等間隔の穴が開いていて、そこにバックルのピンを刺して固定して使います。
素材は革製のほかに、布製(ナイロン・ポリエステル等)のものがあります。
サイズ合わせはバックルタイプに劣る
フィット感はベルト穴の幅次第となるため、愛犬の首の太さにぴったりと合わせられないという弱点があります。
大きすぎる首輪を買ってしまい、首輪の取り扱いに失敗しているパターンが多いのが、このベルトタイプの首輪です。
着けるときに音が出ないのが最大のメリット!
ただし、保護されたばかりの犬など、バックルを留めるに音すら恐怖を感じて噛みついてしまう犬もいます。
このような犬に首輪を着けなければいけないときは、このベルトタイプの首輪であれば、耳元で大きな音を出すことなく首輪を着けることができます。
ヌメ革の首輪は使うほどに味が出るので、Suzyがベルトタイプの首輪を買うときは、ヌメ革を選びがちです。
3.マーチンゲールカラー
バックルタイプやベルトタイプなどの一般的な首輪は、首回りより頭囲が大きい犬種には安心して使えますが、首回りより頭囲のほうが小さい犬種(特に柴犬)などは首輪のすっぽ抜けが心配されます。
しかし、このタイプの首輪は犬が引くと、あらかじめ設定した分だけ締まるようにできているので、すっぽ抜けによる事故を防ぐことができます。
このタイプの首輪は、首輪とつなぐほうの小さい輪っかがチェーン(鎖)でできているものと、2つ目の輪っかも首にかける部分と同じ素材でできているものがあります。
厳密な定義は不明ですが、このサイトでは鎖を使用していないタイプを「マーチンゲールカラー」と呼び、ハーフチョークと名称を使い分けます。
以下は、主に後述するハーフチョークカラーと比較した、マーチンゲールカラーの優れたところをご紹介します。
どんな形状の頭にも合う
リードで引くと、あらかじめ調節しておいた範囲で首輪が締まるため、すっぽ抜ける心配がありません。
首回りと頭囲の差があまりない犬種のワンちゃんであっても、首輪抜けする心配がないのが、このタイプの首輪のメリットの一つです。
軽い
鎖(金属)を使っていないため、ハーフチョークチェーンと比べて軽いです。
超小型犬や首の細い犬種にも、首への負担が少なく、安心して使えます。
毛切れしにくい
リードにつなげる輪の部分が鎖でできたハーフチョークチェーンは、首周りの毛を痛める心配があります。
しかし、こちらのタイプは首輪部分と同じ素材を使っているため、首回りの被毛を傷つけたくない方にもおすすめできる首輪です。
音がしない
チェーン(鎖)を使用していないため、リード操作で首輪に合図を送っても、ジャラジャラとした金属音が出ません。
首元で鳴る音を怖がって、歩くことに集中できない犬にもおすすめです。
マーチンゲールカラーについては、以下の記事で、より詳しく解説していますので併せてお読みください。
マーチンゲールカラーの扱い方
4.ハーフチョーク
「ハーフチョーク」として売られている首輪には、デザイン性を重視して首輪のサイズが一切調節できないものも多いです(とくに革製に多い)。
サイズ合わせができるかどうかに注意!
運よくサイズが合っていればいいのですが、そうでなければまったく役に立ちません。
むしろ、緩すぎて危険ですので、サイズ調節ができるポリエステルやナイロン製のものを選ぶことをお勧めします。
おしゃれだけどファッションアイテムなだけのハーフチョークの例
音を効果的に使えるか?
チェーン製の首輪の利点は、リードを引いたときに「ジャリッ」という音が鳴ることです。
鎖がこすれる音を、合図として効果的に使いこなせるかどうかが肝(キモ)となります。
音を効果的に使えないのであれば、マーチンゲールカラーを選択することをお勧めします。
ハーフチョークカラーの例
5.チョークカラー/スリップカラー
基本的には丸ヒモでできていて、引けば引くだけ首が締まる首輪です。
ドッグショーでハンドラーが使っているのが、このスリップカラーです。
首絞めにならないことが重要!
一般の飼い主には扱いが難しいため、どうしても使いたいときは訓練所などで、扱い方をしっかり学ぶ必要があります。
ですが、扱い方さえ身につければ、犬とのコミュニケーションをとりやすいツールではあります。
リードと一体型のスリップリードも
このタイプの首輪は、リードと一体型になっているものが多く、スリップリードと呼ばれます。
好みに合わせて選べば良いと思います。
6.チョークチェーン
金属製の鎖でできたチョークカラーのことを「チョークチェーン」と呼ぶことがあります。
こちらのタイプの首輪は、ハーフチョーク(チェーン)同様、リードを引いたり緩めたりすることによって鎖が締まったり緩んだりする際に「ジャッ」という音を出し、その音を犬への合図にするという点では共通しています。
扱う側の高度なテクニックが要求される
しかし、首に回る部分まですべてが金属製であることから、ハーフチョークと比べて着け心地は固いです。
そして、スリップカラー同様に引けば引くほど締まるため、扱い方をきちんと身につけたうえで使用しなければ、犬の気管を痛めてしまう恐れもあります。
失敗してからでは遅い
気管を痛めてしつけに首輪を使えなくなってしまったうえ、ハーネスでは愛犬の行動を制御することができず、そこで初めてしつけ教室の門を叩く飼い主さんも、毎年何人かいらっしゃいます。
首輪を使わずに犬の興奮を抑えるのはなかなか難しく、時間もかかるうえに到達できるレベルも、首輪でおこなったばあいと比べると低くなってしまいます。
自己流でチョークを使う前にしつけ教室に来ていただけていたら…と、このようなケースのワンちゃんが来るたびに悔やまれてなりません。
チョークチェーンは有効な道具ですが、使用する場合は熟練した専門家から方法を教わり、使い方を習得したうえで使用すべき道具となります。
7.スパイクカラー
首輪の内側にトゲ(スパイク)の付いた(ハーフ)チョークチェーンで、リードを引くと首にスパイクが食い込む仕様になっている首輪です。
このほか、プロングカラーやピンチカラーと呼ばれることもあります。
特定の状況に対する最終手段
犬同士のコミュニケーションには「相手より優位であることを示すために首元に噛みつく」という行為があります。
スパイクカラーは犬のこの行動を応用したもので、人間が犬に対して分かりやすく優位性を示すために用いる犬具です。
しかし、ほとんどの場合、これまでに紹介した種類の首輪を使うことで犬の行動を直すことができます。
スパイクカラーは、超大型犬で興奮が強く、攻撃性の高い犬でない限り、使う機会はないでしょう。
見よう見まねでの使用は危険
犬の身体にダメージを与えずに効果を得るには、締め加減やタイミングなどの扱い方が、相当に難しい首輪です。
スパイクカラーを使い慣れた専門の訓練士の元で、必要な場合に限り、限定的に使用すべき首輪になります。
チョークチェーン同様、決して自己流で使用することがないように気を付けたい犬具です。
まとめ:愛犬の頭の形に合ったタイプの首輪を選ぼう
このように、ひとくちに「首輪」といってもさまざまな形状のものが存在します。
ワンちゃんの頭の形や体型、お散歩時の行動に応じて、適切なものを選びましょう。
そして、その形状や材質ごとに、取り扱い方にはコツがあります。
愛犬に正しく首輪を着けてあげられているかな?
リードで愛犬と正しくコミュニケーションが取れているかな?
と思ったら、トレーナーさんに首輪のチェックをしてもらうことをお勧めします。
そして、お散歩に出発する前には、サイズがきちんと合っているかを毎回チェックすることも忘れずに!
また、定期的にお洗濯すれば、衛生的に首輪を長持ちさせることもできますよ!!
あなたにピッタリの情報かも?
首輪についてもっと詳しくなれるオススメの記事をご紹介。
首輪は犬に苦痛を与えるので、ハーネスを使いましょう と、動物病院で言われることが多く、多くの飼い主さんが「首輪は犬にNG」であると信じています。ですが、ハーネスを使ったお散歩をしているワンちゃんのお散歩中の「引っ張り」や「他犬への攻撃」、「拾い食い」などに困って、しつけ教室に来られる飼い主...
どんな犬種に対しても、もっともお勧めする首輪のタイプはマーチンゲールカラーですが、その効果を最大限に発揮するためには、扱い方に少しコツが必要になります。このため、マーチンゲールカラー(ハーフチョーク)使用時の注意点についてご紹介します。 マーチンゲールカラーとは? マーチンゲール...
SuzyにLINEで質問!
この記事を読んでもっと知りたいことや疑問が沸いてきたら、以下のページからLINEのお友達登録のうえチャットでSuzyにご質問ください。
犬のしつけ情報を探し、ネットサーフィンをして、このサイトにたどり着き、いろいろな記事を読んでみて、もっと知りたいと思うことがあったかもしれません。そんなときは、LINEお友達登録のうえ、ぜひチャットでご質問をお送りください。 質問受付中! あなたが「知りた...






