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犬の「感情のコントロール」とは

犬の「感情のコントロール」とは前頭前野の抑制機能、つまり愛犬の「我慢する心」を育てるということです。

抑制機能を高めることができれば愛犬は暮らしの中で出会う物事に対して無用な不安や心配を感じることがなくなり落ち着いて生活をすることができるようになります

これは生涯にわたって心身ともに健やかに生きていくために非常に重要な「犬のしつけ」です。

低い抑制機能が愛犬にもたらす影響

前頭前野の抑制機能は非常に高度な脳の働きです。

前頭前野の抑制機能が「低い犬」の特徴

この抑制機能のはたらきが弱い犬には以下に挙げたような問題行動が見られます。

  • ちょっとした物音に反応してすぐ吠える(チャイム、台車など)
  • キレやすい (すぐに噛み付く・怒り出す)
  • ほかの犬を見ると吠える
  • いつもイライラしている
  • 落ち着きなく動き回る

こうした犬の行動は犬自身の生活の質だけでなく飼い主家族や周囲の人びととの関係にも悪影響を及ぼします。

前頭前野の抑制機能が「高い犬」の特徴

「感情のコントロール」力を高めることができた犬たちは以下のような力を身につけます。

1. 高い自己抑制力

過剰に興奮する前に自ら気持ちを落ち着けることができるため、どのような状況でも冷静な行動がとれるようになります。

2. 優れた学習能力

感情のコントロールができる犬は集中力が高く好奇心も旺盛です。

そのため、新しいことを吸収しやすくトレーニングの効果も向上します。

服従訓練やトリックを教えるのはその後

抑制機能が未熟な状態の犬には、複雑な指示やトリックを教えるよりもまず前頭前野の抑制機能を鍛えることを優先したほうが効率が良いです。

飼い主が犬の感情のコントロール力を養う方法を知らず(またはおろそかにしたまま)、感情のコントロール力がついていない愛犬に多くの指示を覚えさせ従わせようとすると、フード(オヤツ)のような強い報酬を使わなければ犬が飼い主の指示した行動をとることができません。

「何年も訓練所に通っているのに愛犬がちっとも言うことを聞かない」というのは犬の心の土台を育てることを無視して脆弱な土台に応用を積み上げてしまったことが理由で起きているのです。

抑制機能をしっかりと鍛えた後ならば犬の学習能力や判断能力も高くなっているため効率よく新しいことを習得できるようになり、お互いに楽しく取り組むことができます。

感情のコントロール力を鍛える方法

前頭前野を鍛えるためには物事に対する過剰な反応を抑制するトレーニングを積む必要があります。

犬の前頭前野の能力は何歳からでも鍛えなおすことができます

発達段階に応じたトレーニング

犬の前頭前野を鍛えていく方法は犬の個性や成長段階を考慮したものであるべきです。

成長のステージに合わせて段階的にレベルを上げながら前頭前野の抑制機能を高めるトレーニングを続けていくことで犬の感情の安定と学習能力の向上が可能になります。

このための適切なカリキュラムを作成し実践していくためには個々の犬たちの精神状態を見極めるスキルと多くの経験が必要です。

これはご褒美にフードやオモチャを使わないトレーニングを実践しているドッグトレーナーのもとで教わることができます。

生後2~4カ月

いわゆる「子犬期」です。

まだ幼く集中できる時間や体力が限られる月齢です。

この時期の子犬にたくさんのことを教えるのは難しいため飼い主の修業期間となります。

飼い主が首輪とリードを使って愛犬に意思を伝えられるようにリードの操作テクニックを練習したり、犬に伝わりやすい声掛けの仕方を身につけることを優先します。

あわせて、愛犬にトイレやクレートトレーニングなど基本的生活習慣を身につけさせることを優先します。

生後5~12カ月

個体差がありますが生後5カ月を過ぎて1歳のお誕生日を迎えるくらいまでにほとんどの犬が「思春期」を迎えます。

ほぼ大人の大きさまで成長し、体力も充実してきてエネルギーを持て余しはじめる時期です。

避妊・去勢手術と並行して本格的に愛犬に「感情のコントロール」力を高めるトレーニングを始めるタイミングです。

1歳以降

どんなに心の発達がゆっくりの犬も1歳を過ぎたら「立派な大人」です。

ぬいぐるみのように扱って赤ちゃん扱いしていると愛犬の心が壊れます

犬の壊れた心を回復させるにはかなりの労力が必要になります。

飼い主は愛犬に対してきちんと「ガマン」を覚えさせる責任があります

まとめ

飼い主が愛犬の感情コントロール力を育むことは愛犬の精神を安定させ、行動を改善し心身ともに健やかに成長させるために必須のトレーニングです。

また、抑制機能が鍛えられた犬は学習能力が高まり、飼い主がいちいちコマンドで命令しなくても自らの頭で「飼い主が今望む行動は何か?」を考えて行動することができるようになります。

オヤツを使って「お座り」(オスワリ)や「お手」を教えてしまうとロボットのように指示に従うだけの低次な思考回路しかつくれず、自分の頭でものを考えられる犬に育つことができません。

「犬のしつけ」において最優先でするべきことは「飼い主が愛犬の感情のコントロール力を高めるテクニックを身につけること」なのです。

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Shizuka “Suzy” Ishida

Shizuka “Suzy” Ishida

2005年より東洋思想をベースにした「ごほうびにオヤツを使わない犬のしつけ方」を提唱。吠える・噛むの問題を抱えた小型犬のしつけを得意としていますが、保護犬の心のリハビリもしています。当サイトで提示しているしつけ方法はすべての犬に100%当てはまるものではありません。性格や状況によって対処方法はさまざまです。お試しになる際はあらかじめご理解のうえお願いいたします。

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