ご近所との関係をよくする
「犬のしつけ3原則」
犬のしつけ3原則
何のために犬にしつけをするのか を、考えていますか?ただ無目的に「しつけのマニュアル本」に書いてあることをこなしていくというのでは、飼い主にとっても、愛犬にとっても、しつけがつまらないもの、苦痛なものになってしまい、途中で投げ出してしまう結果になりがちです。犬にしつけを教える前に、...
過剰に強い同調圧力の文化をもつ国、ニッポン
日本社会の欠点として、過剰に同調圧力の強い文化が問題視されています。
そんな環境において、「他人の目を気にしない」という精神は大切です。
しかし、その結果、「近所の鼻つまみ者」になってしまっては、飼い主も犬も安心して地域で暮らしていくことはできません。
たとえば、以下のようなことがあると、近隣の人たちから快く思われないでしょう。
ノーリードでの散歩
大きさに関わらず犬を怖いと思う人たちは一定数存在します。
たとえそれが、トイプードルやチワワのようなわずか2キロ足らずの超小型犬であったとしても「怖い」と感じるのです。
あなたにとって愛犬は、目に入れても痛くないぐらい可愛い存在ですが、他人からみれば「ただの犬」でしかありません。
犬を怖いと思う人であっても、飼い主とリードで繋がっていて、勝手にこちらに寄って来ることはないのだと分かるだけで、安心感が全然違うそうです。
Tipsですが、(伸縮式のリードを使っている)「犬のリードが突然伸びて、油断していたら吠えながら駆け寄って来られて怖い思いをしたことが何度もある」と、犬を苦手とする多くの方から聞きいてきました…。
「毒だんご」から愛犬を守る
公園や原っぱ、道端の植え込みなどに殺鼠剤の入った「毒だんご」が置かれ、それを食べた犬や猫が死亡する事件が毎年のように各地で発生し、ニュースで取り上げられています。
公共の場所に毒だんごを置くこと自体は法律違反で、もちろん毒ダンゴを置いた人が悪いです。
しかし、仮に犯人が捕まり罪に問われたとしても、「毒だんご」を口にしてしまった貴方の愛犬は帰ってきません。
常日頃、犬で嫌な思いをさせられている人が、対象を問わず無差別に起こす犯罪の一つとされています。
愛犬が近隣から嫌われないように振舞うという「他人への配慮」は、巡り巡って愛犬の命を守ることにもなります。
犬が苦手な人は犬の性格やしつけレベルを問わない
犬が苦手な人にとって、犬の大きさは関係ないとお伝えしました。
それと同様に、犬が苦手な方は犬の性格の良しあしや、しつけのレベルに関係なく苦手なのです。
あなたの愛犬が、どんなに大人しくて、完璧にしつけのできた犬であったとしても、犬を放していい場所(ドッグランなど)を除く公共の場では、必ずリードでつないでお散歩をしてください。
犬はリードが嫌いじゃない
リードで飼い主とつながっていることは、犬にとって苦痛でも不自由でもありません。
手と手を繋いで一緒に歩いているようなイメージです。
犬はリードを通じて飼い主の気持ちを読み取り、飼い主の気持ちに同調します。
Human Expressions of Object Preference Affect Dogs’ Perceptual Focus, but Not Their Action Choices書誌情報Hoi-Lam Jim, Fri...
When facing an unfamiliar person, pet dogs present social referencing based on their owners' direction of movement alone...
あなたもぜひ、リードを通じて愛犬の気持ちを読み取り、ともに喜びを分かち合いながら、楽しいお散歩をしてほしいと思います。
お散歩瞑想で愛犬を穏やかな子に育てる
犬は飼い主の心の動きを敏感に感じ取り、それに反応しています。愛犬が自分の周囲のいろいろに過剰に反応せずに済むように、飼い主さん自身が常日頃、自身のメンタルの状態に気を配る必要があります。そのための具体的な方法をご紹介します。 座って瞑想 お散歩の途中で休憩タイムをとります。 ...
トレーニングを頑張って、いつでも呼び戻しがきく関係になったとしても、ノーリードでお散歩しないことを、必ず飼い主さんに約束してもらっています。
糞尿の放置
自宅の前に、知らない犬にオシッコをかけられたり、ウンチを放置されて、喜ぶ人はいません。
どんなに犬好きの人だってそう思うでしょう。
あまりに繰り返されると、好きだった犬が嫌いになってしまうことだってあります。
放置された排泄物は実際に不衛生で、気持ちの問題だけではありません。
最近では「お水で流せばよい」と、どこでも犬の好きなところで排泄させて、お水をかけて立ち去る人も多くなりました。
お水で流すことすらせずに放置して立ち去るよりは随分マシなのですが、オシッコを薄めて広げるだけで、根本的な解決にはなりません。
あくまでも、「私(飼い主)はきちんと配慮していますよ」というアピールでしかありません。
とはいえ、お外で排泄することは、犬の本能であり、犬にとって楽しみのひとつでもあります。
屋外での排泄を完全に禁止することは、一般の飼い主と犬には、なかなかできることではないでしょう。
そこで、飼い主は地域の環境を踏まえて妥協点を探り、犬の排泄場所をある程度コントロールする必要があります。
排泄の場所を飼い主がコントロールすることによって、その他の面でも犬の聞き分けが良くなるというメリットもあります。
オシッコしていいところ・ダメなところを、お散歩のたびに愛犬にしっかりと教えてあげましょう。
排泄してほしくない場所は足早に通り過ぎる
ごくまれなケースを除き、犬は走っているあいだは排泄できないものです。
このため、「この辺りでは排泄してほしくないな…」という場所は小走りで通り過ぎ、排泄しても良いエリアまで来てから、排泄してもよいという許可(=犬に地涌に地面の匂いを嗅がせる、排泄のコマンドが入っている犬ならコマンドを出す等)をします。
ウンチは必ずすべて拾って、持ち帰ってくださいね。
意外とある「ウンチの取り残し」
なぜ、「すべて」を強調したかというと、自分はちゃんと拾っていると思っていても、実は取り残していることがあるのです。
その1:出し終わっていなかった
すぐに拾おうと意気込むあまり、まだすべて出し終わっていなかったのに拾い始め、その飼い主の背中側で、続きのウンチを出していた(それに気づかず、道のど真ん中にウンチを放置してしまった)。
その2:立ち話に熱中して愛犬を見ていなかった
よその飼い主さんと立ち話をしているあいだに、その場で愛犬が排泄しているのに気づかず、そのまま歩き出して立ち去ってしまった。
その3:他の用事をしているあいだに…
犬と一緒にATMコーナーに入り、お金をおろしているあいだにウンチをしていたが、気づかずに立ち去ってしまった。(次に入ってきた人がATMコーナーでウンチを踏んでしまった)
などのケースに出会ったことがあります。
いずれも、犬の行動を飼い主が把握できていなかったことが原因です。
愛犬から目を離した後は、必ずその周囲を見回して、マーキングや排便をしてしまっていないかを確認する習慣をつけることが大切です。
また、「拾ったうんち袋が道に落ちている」というのも、毎日のように見かけます。
お家に帰るまで、油断せずに、確実にお家に持ち帰りたいものです。
とくに、排泄のトラブルとノーリードの問題が大きくなると、その場所は犬の立ち入りを禁止することで解決されてしまいます。
そうなると、犬と一緒に出掛けられる範囲がどんどん狭くなり、結果として楽しく過ごすことができなくなってしまいます。
どちらも、犬の問題ではなく、飼い主が気を付けるだけですぐに解決できることです。
すれ違いざまに吠えかかる・飛びかかる
ほかの犬や人が苦手だったり、どのように接していいか分からない犬は、たくさんいます。
子犬に犬社会のルールを教えるのは誰?
幼齢のうちに親犬から離れ、犬社会のルールを学ぶ機会がないまま家庭に迎えられることが原因の大半です。
また、パピーミルと呼ばれる繁殖場で生まれ、卸売業者を経由してペットショップに並んでいる子犬の場合、飼養環境が劣悪で、親犬の心身の状態がそもそも子犬に社会性を教えるどころではないという場合もあります。
どんなところから迎えた犬であっても、飼い主さんの住む地域のルールに合った社会性を愛犬に身に付けさせるのは飼い主の役目です。
家族の人生計画が大きく狂わされることも
突然、吠えかかったり、飛びついたりして他人を怪我させてしまうと、その補償に莫大な費用(数百~千万円)が発生します。
犬にまつわるトラブルによって、家族の人生計画が大きく狂わされてしまった方のお話もたくさん聞きます。
犬の側に攻撃するつもりがなく、喜んで飛びついたのであっても、相手にケガをさせてしまえば同じです。
自制心を養うしつけの重要性
吠える・飛びつく・(噛み付く)といった衝動的な行動をとらせないように、根気よく犬の自制心を養っていく必要があります。
自制心についてはこちらの記事もご参考↓
3月27日(水曜)は、初日にレッスンしたボクサーmix、ビリー(Billie)の2回目のプライベート・トレーニングをしました。ビリーのトレーニングは引き続き、オスワリを極めるための地味な修行となりました…。
「他人の目を気にしない」の使い道
一方で、「他人の目を気にしない」という考えは犬のしつけに取り組む姿勢として、とても大切になってきます。
他人(犬)と比べない
それは、「自分(のうちの犬)がよければ他人はどうでもいい」ということではなく、「他人(犬)と比べないで、目の前の問題に真摯に向き合う」という意味です。
「よそのワンちゃんはできるのに、どうしてうちの子はできないの?」
といった考えは、百害あって一利なしです。
比べていいのは、「昨日のうちの子」と「今日のうちの子」です。
もしかしたら、明日は今日より少しできなくなっているかもしれないけれど、1週間、1カ月といった長い単位で見返してみると、(やり方さえ間違っていなければ)確実に成長しているはずです。
「他人の目を気にしない」は、こういう場面で使います。
飼い主は愛犬のプロデューサー
自分たち家族や、愛犬が、安心して暮らしを楽しめる地域であり続けられるように、犬たちがご近所の人気者になれるように、ぜひ飼い主さん一人ひとりが自身の愛犬をプロデュースしましょう。
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