前回、2017年にケアンズに行ったときのご縁で、今回オーストラリアのケアンズで、ドッグトレーニングとマッサージのクラスを開催することになりました。
全28回のレッスンに、延べ40頭のワンちゃんが参加してくれました。
大きい子はグレートデンmixから、小さい子は日本規格のトイプードルまで。
大きさ、そして犬種もバラエティーに富んだ、たくさんのワンコと触れ合うことができました。
この2週間でとくに大きく成長した犬たちについて、振り返りたいと思います。
ビリー(ボクサーMix・メス)
実は、今回、ケアンズでしつけ教室を開催するきっかけになったコです。
みんなが集まるドッグパークで他の犬を襲う大型犬がいて困っている。飼い主もいろいろなトレーナーの下でトレーニングを受けてきたが一向に解決しないので、どうにかならないか?
という相談から、このオーストラリアでの教室がスタートしました。
マズル(口輪)をつけた黒いボクサーMixの写真が送られてきたのを見たとき、果たして自分にこの子を直せるのか、不安がなかったと言えば嘘になります。
ドッグトレーニング in Cairns スタート!
海外進出 2019年3月25日(月曜)から2週間の期間限定で、オーストラリアでドッグトレーニングとマッサージのクラスを始めました。ディーン・フジオカならぬ、スージー・イシダと命名されました。初日からレッスンをスタートしたワンちゃん、2時間ぶっ通しでマッサージとトレーニングを頑張って...
ビリーのレッスンの経過
オーストラリアも日本同様、ドッグトレーニングといえばコマンドで犬を操作することを教えるものばかりで、生活上手な犬のココロを育てるトレーニングではありませんでした。
命令に対して動作ができるというだけでは、生活上手な犬になることはできません。ただのロボットと同じです。
このため、ビリーの飼い主さんが何件ものドッグトレーナーのレッスンを受けて、どんなにコマンドで操作ができるようになっても、ドッグランでの問題の解決にはならなかったのです。
ビリーに自制心の芽ぶき
3月27日(水曜)は、初日にレッスンしたボクサーmix、ビリー(Billie)の2回目のプライベート・トレーニングをしました。ビリーのトレーニングは引き続き、オスワリを極めるための地味な修行となりました…。ただし、ムサコジのビーグル2頭、そして預かり中のハイパーなビションフリ...
何も分からない子犬の頃、ドッグランは楽しい場所だったかもしれません。
しかし、犬は産まれて1年足らずで、あっという間に大人になります。
大人になれば、子どもの頃に楽しんでいたものに興味がなくなったり、苦手になったりすることは、人間と同じように犬にもあります。
むしろ、動物のほうが人間に比べて、大人になると子どものようなことをしなくなるのが普通です。
にもかかわらず、飼い主が愛犬の心の成長に気づかずに無理を強いることで、うまくいかなくなることはたくさんあります。
イヌだって成長とともに考えは変わる:ビリー
今日(3/28)、さっそくビリー(Billie)行きつけのドッグパークへ様子を見に行きました。ビリーは子犬の頃はドッグパークではしゃぐのが大好きだったそうです。でも、大人になったビリーはドッグパークでハジけるのを好まない、人間にたとえるならば、クラブで賑やかに踊り明かすよりも、一人で...
しかし、苦手なことをすべて避けて生きていれば、どんどん行動範囲が狭くなり、些細なことがストレスになって、生きづらくなってしまうのは、犬も人も同じです。
たとえ苦手なことであっても、飼い主との生活に必要な範疇のことであれば、ある程度はガマンをしてやり過ごす術を身に付けなければなりません。
ビリーの家にはほかにも2匹の同居犬がいました。
彼らはドッグパークで他の犬と遊ぶのが大好きなので、ビリーもドッグパークで過ごさざるを得ない事情がありました。
このため、他の犬が近くに来ても吠えたり攻撃して追い払わずに、「自分は遊びたくない」という意思を示すように教えていく必要がありました。
事件の起きる現場での実践訓練:ビリー
本日(3/31)の1件目は、ボクサーmixのビリー(Billie)の出張プライベートレッスンでした。いつもの会場ではなく、実際に困りごとが発生している現場であるドッグパークで練習をするためです。ドッグパークで待ち合わせしたのですが、ビリーと飼い主さんは約束の時間より先に来て、すでに自...
ビリーは図体こそ大きいものの、とても繊細な女の子でした。
とにかくパーソナルスペースが広く、他の犬が近くにいるとイライラして落ち着かなくなり、遠ざけたくなってしまいます。
しかし、これまでのレッスンで、飼い主と一緒に努力を積み重ねてきた結果、ビリーは自分にだんだん自信を持てるようになり、集中力もついてきました。
その結果、狭いレッスンスペースの中で、他の犬たちと頭を突き合わせるようなパーソナルスペースのない空間で、他の犬に気を取られずに、自分を出すことができるようになっていました。
「勝ち抜き早食い競争」ビリー×モコ×Taytay×ハナ
4月2日(火曜)は、初のトレーニング・グループレッスンを開催しました。ドッグパークでやる予定でしたが、今日は豪雨で無理だったので、いつものトレーニングスペースで行ないました。先週からプライベートレッスンを重ねてきた、ボクサーmixのビリー、トイプードルのモコちゃん、チワワmixのTa...
飼い主さんがビリーとのコミュニケーションの取り方を習得し、動作をコントロールするのではなく、犬の感情の揺れを適切にコントロールすることが、ともに暮らす家庭圏にとって必要なことなのだと理解してからは、ビリーはあっという間に成長し、マズルを着ける必要がなくなりました。
「他の犬を襲うのでマズルをつけている大型犬」だったビリー
レッスン最終日(4月7日)は予定があって、レッスンには来られないと聞いていたボクサーmixのビリーの飼い主さんが、前の晩にわざわざウチを訪ねてきて、プレゼントとお手紙を渡してくれました。初日からレッスンに来てくれたビリーと飼い主さん。事前情報で「ドッグパークで他の犬を襲うので、マズル...
まとめ
そして、今回のレッスンで飼い主さんたちから頂いたレッスン料は、見学に行ったペットの保護施設のRSPCAとYAPSに寄付します。
この経験を日本でのレッスンにも活かしていきたいです。
*2019年個人Facebook投稿からの転載
LINEでSuzyに質問!
この記事を読んで、もっと知りたいことや疑問が沸いてきたら、以下のページからLINEのお友達登録のうえ、チャットでSuzyにご質問ください。
教えて!Suzy!!
Suzyに聞きたい! 犬のしつけ情報を探してインターネットをしていてこのサイトにたどり着き、いろいろな記事を読んでみて、もっと知りたいと思うことがあったかもしれません。そんなときは、LINEお友達登録のうえ、チャットでご質問をお送りください。 質問受付中 誰かが知りたいと思っていること...