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赤ちゃん・子どもと暮らす

子育ては犬を捨てる理由にならなくなった

「もうすぐ子どもが生まれるから」という理由は「引っ越しするから」とならんで犬を捨てる人の言い訳として一昔前はごく一般的なものでした。

それと比べれば赤ちゃんが生まれるからといって飼い犬を手放す人が減ったことは素晴らしいことです。

わが子が生まれるママへ

子どものいない若い夫婦で犬を飼っている方もたくさんいます。

「戌の日」が安産祈願の日とされていることからも分かるように日本では昔から犬は「お産の象徴」として考えられてきました。

「(なかなか子どもに恵まれないから赤ちゃんの代わりに)犬を飼い始めたら赤ちゃんを授かった」というのも飼い主さんからよく聞く話です。

本当に不思議です。

出産が近づくにつれて赤ちゃんと犬や猫が一緒に暮らすことへの不安を感じ始めるママもいます。

そして、実際に赤ちゃんが生まれてみるとそのお世話の大変さに忙殺されて、愛犬のことをおざなりにしている自分への罪悪感に苛まれてしまうママたちからのご相談もたくさん受けてきました。

母となる飼い主さんへのアドバイス

(ヒトの子どもの)ママになる飼い主さんには以下のようなアドバイスをしています。

  • 今まで以上に堂々としていること
  • 愛犬に割ける時間が大幅に減ることを申し訳ないと思わないこと
  • 愛犬を、ともに赤ちゃんを育てる「同士」だと思うこと
  • 物理的なお世話(散歩や手入れなど)は自分で全部やろうと思わず人にどんどん頼ること

そのうえで、ベビーカーと一緒にお散歩をする方法や赤ちゃんと犬との関わらせ方など状況に応じてレッスンさせていただいています。

犬は飼い主の役に立ちたい生き物なのでベビーカーの護衛役を喜んで引き受けてくれます。

一方で、生まれたばかりの赤ちゃんが飼い犬によって死傷させられる事件が毎年のようにニュースに登場していることもまた事実です。

孫が生まれる世代の飼い主さんへ

自分たちの子育てを終えて夫婦2人の生活に戻った家庭が犬を飼う世帯の多くの割合を占めています。

わが子の手が離れてさみしくなったお母さんやお父さんがお世話をする対象を求めて子犬を飼い始めます。

自分たちの年齢を考えると子犬の一生を看取れる最後のチャンスだからです。

犬を飼い始めて数年たつと、こうした飼い主さんたちの多くは今度はお孫さんに恵まれます。

これまでずっと飼い主に「猫可愛がり」され続け「自分が一番」と思い込んでいたところに、ある日を境に自分よりも飼い主にチヤホヤされる対象が家(自分の縄張り)にたびたびやってくるようになります。

すると、犬は追い払おうとして吠えついて赤ちゃんを怖がらせ(泣かせ)たり触ってきた赤ちゃんに噛みついてしまうなどの事故が起こることもあります。

「孫を預かっていた際に起こった犬と赤ちゃんの事故」のニュースを見聞きして孫が生まれることをきっかけに「犬のしつけに改めてしっかり取り組みたい」と考えレッスンにいらっしゃるシニアの飼い主さんが増えてきたことも嬉しい限りです。

(イヌも飼い主も)何歳からでも犬のしつけは可能です。

犬も人間と同じで若いときのような柔軟性はないかもしれません。

しかし、犬たちは「飼い主が愛犬にして欲しいこと・して欲しくないこと」を理解し、して欲しくない行動をとらないようにすることは何歳になってからでも学習できます。

また、一方的に犬に負担を負わせるのではなく飼い主が愛犬の性格や行動の癖を改めて理解し、お互いが平和に過ごせる工夫を考えることも大切です。

じぃじ・ばぁばとなる飼い主さんへのアドバイス

愛犬とお孫さんが一緒のときは一瞬たりとも目を離さない

たとえ30秒でも犬と赤ちゃんから目を離すのであれば、愛犬をクレートに入れるなどして、お孫さんが触れることができないようにしてください。

シニアのお宅で飼われている犬は、1日中飼い主とベッタリ一緒に過ごしていることも多く、クレートやケージで静かに過ごす習慣のないコがとても多いです。

災害への備えにもなりますので、1日も早く「クレートトレーニング」をはじめましょう。

自制心を身に付けるトレーニングをする

何でも思い通りになる「自分中心の生活」をしてきた犬は、子どもの傍若無人さに耐えられません。

そして、そのストレスから気の強い犬は噛み付きなどの事故を起こします。

一方で、気の弱い犬は下痢や血便になるなど身体にストレス反応を起こします。

今までは自分の愛犬をまるで「孫のように」猫可愛がりしてきたかもしれません。

ですが、お孫さんと安全に仲良くやっていけるように、「もう一度「立派なわが子」に育てるためのしつけをきちんとしていきましょう」と、お話しています。

しつけを通じて飼い主と信頼関係を結べた犬は、飼い主の役に立つことが自分の喜びになります。

そして、飼い主の意図を汲み、お孫さんとうまく付き合ってくれます。

人間の子どもにも「しつけ」を

ここまでは犬が子どもに怪我をさせないという観点で話をしてきました。

しかし一方で、トイプードルやチワワなどの子犬が、幼児や小学生にオモチャのように扱われた結果、落下事故で首の骨を折ったり、命を落とすなどの事故も頻繁に発生しています。

とくに、こうした小さな犬の事故は、いくら子どもの側に悪気がなくても即、命にかかわり、取り返しのつかない結果を迎えています。

0歳だって真剣に言えば伝わる

「言ってもまだ分からない」ではなく、0歳のうちから小さな命を尊重することをしっかりと教えていく必要があります。

日本国内では、犬や猫などのペットを飼う世帯は5軒に1軒程度しかありません。

しかも、育児に追われる年代ではその割合はさらに少なくなります。

「犬がいる家庭」に暮らす子どもは「犬がいない家庭」で暮らす子供と比べて、非常に貴重な経験ができる環境にあると言えます。

せっかく、犬と触れ合うことのできる環境にいるのですから、命の大切さや他人(犬)の気持ちが分かる、優しいお子さんに育つよう導いてあげることも、親の大切な務めではないでしょうか。

子どもが犬を飼いたいと言ってきたら…

人間の子育てが始まってから、お子さんに「ワンちゃんを飼いたい」と言われた経験のある方もたくさんいることでしょう。

ですが、お子さんの年齢や家庭の環境によっては、「今は飼うべきタイミングでない」場合があります。

私はいつも、犬を飼いたいというご相談には、以下のようにお話しています。

今、赤ちゃんを一人育てる余裕があるか?

子犬を迎え入れるということには、人間の赤ちゃんを一人育てるのに匹敵する労力が必要となります。

子犬はある程度離乳した月齢で販売されています。

それでも、新しい家に来た子犬は夜泣きもするし、おトイレのしつけだって必要です。

犬社会と人間社会、両方のルールを教えなければいけない

生まれつき「人間ではない」ので、何も教えてやらなければ本能で「犬族」のルールに従って、噛んだり、吠えたりします。

家族の一員としてともに暮らすためには、愛犬には人間社会のルールも教えなければなりません。

人間の子どもの育児に追われている時間的・精神的に余裕のない時期は、犬の育児に手をかけることはできません

犬は「家族の写し鏡」

また、犬は「家族の写し鏡」とも言われ、家庭の状況を態度で表現します。

穏やかな家庭で暮らす犬は穏やかに、賑やかな家庭で暮らす犬は元気いっぱいに、トラブルを抱えて余裕のない家庭で暮らす犬はイライラ・ピリピリした犬に育ちます

責任を持てるのは大人だけ

どうしても犬が欲しい子どもは「自分が全部世話をするから」と、言いますが、無理です。

最初は念願の犬が来て最初は、喜んでお世話をするかもしれません。

しかし、犬はオモチャではありません。

オシッコもウンチもするし、食べてはいけないものを口に入れたり、しつこく遊びに誘ったり、嫌なことがあれば噛みつくこともあるかもしれません。

あなたのお子さんの年齢で、2歳児のお世話をすべて任せられるかどうかを考えてみてください。

とても、子どもには任せられないことが分かると思います。

コメントたとえ高校生であっても、乳児の世話を完全に任せられている状態は「ヤングケアラー」にあたります。

犬を迎えるのにベストな時期は?

では、いつが犬を迎えるのによい時期なのでしょうか。

末っ子が10歳になったら

一番下のお子さんが10歳を迎えたときが、犬を家族に迎えるベストタイミングです。

理由は以下の通りです。

まず、心の発達には個人差があるものの、10歳にもなれば自分の身支度は自分ですべてできるようになり、親があれこれと子どもに手を出す必要がなくなります。

また、学校の準備や持ち物、スケジュールなども自分で管理できるようになってきます。

親としては子どもから「手が離れた」と感じ、あれこれと世話を焼き続けた10年を振り返り、ちょっぴり寂しさを感じる頃です。

そして、親の側に「(わが子が幼かった)あの頃のように手を掛けたい」気持ちが、ムクムクと沸いてしまう時期だからです。

思春期の子どもと親のかすがいに

二つ目の理由は、子どもが思春期に差し掛かり、親とは心理的にも物理的にも距離をとるようになってきます。

自宅にいても自室にこもってしまったり、会話も減ってわが子が何を考えているか分からなくなりはじめる時期です。

ですが、このタイミングで家族に新たな仲間(犬)が加わると、犬が家族共通の関心事となり、犬と家族で散歩や外出をすることが増え、家族がバラバラになるのを防ぐ効果も期待できます(もちろん、家族全員が犬を迎えることを望んだ場合です)。

責任感のある良い飼い主は「待てる」

犬を飼う時期についてきちんと考えることができる方は、責任感のある良い飼い主になれます。

自制する心をしっかりと持っているため、犬のしつけも上手にできるようになります。

一番下のお子さんが10歳になるまで、家族で犬についてたくさん勉強しておきましょう。

犬を選ぶときは単に見た目が気に入っただけで選んでしまうと、ミスマッチを起こしやすいです。

「飼いたい犬」と「飼える犬」は違います。

家族の生活スタイル、犬にかけられる時間とお金など、いろいろなことを考慮したうえで決めることが大切です。

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Shizuka “Suzy” Ishida

Shizuka “Suzy” Ishida

2005年より東洋思想をベースにした「ごほうびにオヤツを使わない犬のしつけ方」を提唱。吠える・噛むの問題を抱えた小型犬のしつけを得意としていますが、保護犬の心のリハビリもしています。当サイトで提示しているしつけ方法はすべての犬に100%当てはまるものではありません。性格や状況によって対処方法はさまざまです。お試しになる際はあらかじめご理解のうえお願いいたします。

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