カイロスドッグトレーニングでは、犬の心の教育の基礎として自制心を養うことを重視しています。
そのためには、日常生活の中で「境界線」を設けることが不可欠です。
境界線を設けることの重要性
「家の中をどこでも自由に行き来できる」という状況は、犬に「家の中のすべてのエリアを自分のテリトリー」と認識させてしまいます。
すると、インターホンや来客に過剰に反応して吠える問題が発生しやすくなります。
「いつでも、なんでも自分の自由にできる」ということが当たり前の状態になっていることは、犬にとって幸せなことではないのです。
また、トイレトレーニングがまだ完了していないばあい、「家の中をどこでも自由に行き来できる」状況では愛犬のトイレのしつけが難しくなります。
多くの飼い主が悩む2大トラブル「チャイム吠え」「トイレトレーニング」の問題は愛犬が「家の中を自由に行き来できる」状態から、「犬の判断で行動できる範囲を限定する」ところからトレーニングをスタートします。
このため、愛犬が自由に行動できるエリアを時と場合によってリビングなど特定の場所に限定することが効果的です。
ゲートを使って適切な行動範囲を設定する
多くの家庭では愛犬の居場所としてリビングにサークルやケージを設置しています。
リビングは家族が長く過ごす場所であり犬にとっても安心できる空間です。
まずは「犬の判断で行動できる範囲をリビングに限定する」というところから始めます。
1) リビング
しかし、リビングのドアが開いていれば犬は好奇心から家じゅうあちこちの部屋に勝手に行ってしまうはずです。
飼い主の「禁止」の教えを守れるようになる信頼関係が築けるまでのあいだは、ゲートを設置して物理的に飼い主の目の届かない場所への出入りを制限して、飼い主の許可なしに移動しない習慣をつけることが大切です。
おすすめのゲート
2) キッチンエリア
キッチンは熱いコンロや刃物もあるため犬にとって危険な場所です。
調理中に誤って足元に入り込んでしまうと、飼い主も犬もケガをするリスクがあります。
また、飼い主の目が届かないときにキッチンの床に落ちている「犬が食べてはいけない」ものを拾い食いしたり、ごみ箱やストックしている食料を漁ってお腹を壊してしまうリスクもあります。
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3) 玄関エリア
来客時に玄関ドアが開いたときなどに犬が飛び出して迷子になってしまう事故が日々発生しています。
ひとたび迷子になると交通事故などのリスクもあり、無事に戻ってこれる可能性は少ないため対策をしっかりとしておくべきエリアです。
とくに保護犬を飼い始めて数カ月は、つねに愛犬の「脱走」についてとくに注意を払って生活する必要があります。
おすすめのゲート

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4) 階段エリア
階段の昇り降りは足腰に負担がかかるため、小型犬や短足犬、シニアの犬たちには無理に歩かせないようにしている飼い主さんも増えているようです。
また、興奮しやすい子のばあい、飼い主の帰宅に気づいて階段を駆け下りて転倒したり、着地に失敗して足を怪我してしまうこともあります。
このため、犬が自由に行動できる範囲をワンフロアに限定して階段にゲートを設けるお宅も多いですし、トレーナーとしてもそのようにアドバイスしています。
おすすめのゲート
ゲートによる制限は一時的な措置
これらのゲートは犬の一生を通じて使い続けるものではありません。
しつけの途中段階での事故を防ぐために一時的に活用するものです。
最終的にはゲートを取り外しても愛犬が問題なく落ち着いて過ごせる状態を目指さなければいけません。
便利な道具はあくまで一時的なサポートであり、解決手段そのものではありません。
適切なしつけをとおして愛犬との信頼関係を築くことで、ゲートがなくてもおうちのルールを守れるようにしていきましょう。
まとめ
犬の行動範囲を適切に管理することで、トイレの失敗やイタズラの防止、来客時の興奮抑制など多くのしつけがスムーズに進みます。
そのためには、まずはゲートを活用して物理的な制限を設け、最終的には犬自身が適切な行動をとれるよう導いていきましょう。
しつけをサポートするために適切なゲートを選んでみてください!
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