犬たちは仲間や人間に対して豊かなボディランゲージを用いて感情や意思を伝えています。
耳や目、鼻、口、尻尾などさまざまな身体の部位を駆使し、その組み合わせによって多様なメッセージを発信します。
また犬は感情の切り替えが非常に速く瞬時に変化し続けるためボディランゲージも刻々と変化していきます。
「犬のことば」を理解しよう
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その微細なサインを正確に読み取り適切に対応することは愛犬とともに快適に暮らしていくための飼い主の必須スキルです。
犬が「吠える」というもっとも明確なサインを出すまで待っていては手遅れになります。
それよりもずっと前から犬たちが発している数多くのボディランゲージを読み取ることができれば、いち早く犬の気持ちを深く理解することができ問題の発生を未然に防ぐことができるのです。
本記事では犬がボディランゲージのために使っている身体のパーツのうち「シッポ」にフォーカスして解説します。
犬の尻尾が伝えるメッセージ
「尻尾の動き」はとくに分かりやすい犬のボディランゲージの一つです。
しかし、しっぽを振っているからといって必ずしも喜んでいるわけではありません。
尻尾の動きが示すのは「興奮度」
尻尾の動きは興奮のレベルを表しており、その振り方や角度によってさまざまな感情を区別して表しています。
尻尾の動きは飼い主が目にしやすい表現ですが振り方によって大きく意味合いが異なることがあまり知られていません。
犬の飼い主ならばそのちがいをきちんと見分けられるようになることが重要です。
「振り方」によっては攻撃や敵意を表していることもあるのだということを必ず知っておき、この事実を周囲にも広める必要があります。
特徴的な9つの使われ方
尻尾の位置と振り方によって犬が表している感情は異なります。
ボディランゲージとして使われる特徴的な尻尾の使われ方を9つご紹介します。
振り方によって異なる感情
- 高く上げ背中のほうに曲げる
- 高く上げ先端だけ振る
- やや高く上げて「小刻み」に振る
- やや高く上げて「ゆっくり」振る
- 左右や円形にブンブン振る
- 後ろ足の「中ほど」までしっぽを下げる
- 後ろ足の「下」までしっぽを下げ「ゆっくり」振る
- 下げ気味で「小刻み」に振る
- しっぽを股のあいだに巻き込む
高く上げ背中のほうに曲げる
- はっきりした攻撃を示している
たとえば、尻尾を高く上げて背中に曲げて振るときは攻撃性や支配性を示す場合が多く「自分のほうが優位だ(強いぞ)」という気持ちを表しています。
このような尻尾の振り方を自分の愛犬または相手の犬がした際は、お互いのあいだに緊張が走っている状態であることを認識し、飼い主は双方の犬の次の行動に注意を払う必要があります。
尻尾だけでは判断が難しい時はその他のパーツの様子も総合して判断します。
同時にみせるボディランゲージの例
- 睨む(目)
- 鼻にしわを寄せる(鼻)
- 犬歯を見せる(口)
- 前のめりになる(重心)
高く上げ先端だけ振る
- オレのほうが強いんだぞ!アピール
- 相手より優位であることを表す
- しっぽの位置が高いほど支配性・攻撃性も高い
犬同士が出会った際にどちらかの犬がこのような尻尾の振り方をしているときは喧嘩に発展しやすい状況です。
双方の飼い主は愛犬の次の行動に注意を払います。
尻尾だけでは判断が難しい時はその他のパーツの様子も総合して判断します。
同時にみせるボディランゲージの例
- 相手の目をじっと見る(目)
- 口を閉じる(口)
やや高く上げて「小刻み」に振る
- 「なんだか楽しそうだな」と興味を持っている
上記の「優位を示す」シッポの振り方との違いが分かるまではしっぽだけを見て判断するのは難しいでしょう。
尻尾だけでは判断が難しい時はその他のパーツの様子も総合して判断します。
同時にみせるボディランゲージの例
- 目がキラキラしている(目)※相手の目を凝視していない
- 口はリラックスした半開き(口)
やや高く上げて「ゆっくり」振る
- 「どうしようかな?」と期待と迷いが混ざっている
上記の「興味を持っている」のシッポの振り方との違いが分かるまではしっぽだけを見て判断するのは難しいでしょう。
尻尾だけでは判断が難しい時はその他のパーツの様子も総合して判断します。
同時にみせるボディランゲージの例
- 困った感じ(目)
- 閉じている(口)
- 首をかしげる(顔)
左右や円形にブンブン振る
- 最大級の歓喜の表現
大好きな犬や人に会ったときや美味しいモノを前にしたときなど喜びが最大限に達したときには尻尾を円を描くように大きく振り、勢いで腰も一緒にクネクネ動かすなど表情豊かに感情を表します。
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後ろ足の「中ほど」までしっぽを下げる
- あなたとは争いたくありません…
- 自分より相手が優位であることを伝える
低めの位置でにゆっくり振っている場合は少し警戒しながらも相手に敵意はないことを示しています。
尻尾だけでは判断が難しい時はその他のパーツの様子も総合して判断します。
同時にみせるボディランゲージの例
- 顔を横に向ける(顔)
- 目を見ない(目)
- 耳を後ろに引く(耳)
後ろ足の「下」までしっぽを下げ「ゆっくり」振る
- どうしようか迷っているとき
尻尾だけでは判断が難しい時はその他のパーツの様子も総合して判断します。
同時にみせるボディランゲージの例
- 白目が見える(目)
- 舌をペロリと出す(口)
- 耳を下げる(耳)
下げ気味で「小刻み」に振る
- そんなに怒らないで…
- 怒っている飼い主や目の前の犬に対する軽い服従
尻尾だけでは判断が難しい時はその他のパーツの様子も総合して判断します。
同時にみせるボディランゲージの例
- 白目が見える(目)
- 舌をペロリと出す(口)
- 耳を下げる(耳)
しっぽを股のあいだに巻き込む
- 怯えている
- 尻尾がお腹に近づくほど恐怖の度合いも高くなる
判断しやすいボディランゲージです。
同時にみせるボディランゲージの例
- 耳を後ろに引く(耳)
- 重心を後ろにする(腰が引けている)
- 震えている
犬の猫背
普段からしっぽが股に入った姿勢が癖になっている状態は人間でいうところの「猫背」の姿勢です。
姿勢の悪さがさらにマイナス思考を悪化させます。
このため愛犬が尻尾を股に挟んでいるのを見つけたら飼い主が意識的に尻尾を股から出してやるようにすると愛犬の恐怖心を軽減する効果があります。
まとめ
シッポはあげすぎていても「興奮のし過ぎ」で良くありません。
お腹につくほどシッポを股のあいだに挟んでいるのも「過剰な恐怖」を感じていて健全とは言えません。
いずれの状態も長くキープすればするほどその感情が強まっていきます。
飼い主は早めに愛犬の気持ちを切り替えさせなければいけません。
犬たちが用いるボディランゲージの意味を理解することは飼い主にとって最も重要なスキルです。
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犬たちは吠える前から身体のさまざまな部位を駆使してボディランゲージを使い自分の気持ちを伝えています。
これらのサインを正確に読み取り犬が不安や緊張を感じている場合には適切に対応することで犬との信頼関係を深めることができます。
飼い主が犬のボディランゲージを学びその理解を深めることで愛犬も飼い主に対して安心感と信頼を寄せるようになり、より豊かで充実した関係を築くことができるでしょう。
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