犬鉤虫(Ancylostoma caninum)
犬鉤虫(いぬこうちゅう)は別名フックワームとも呼ばれ「鉤」の名が示すとおりフック状の口をもっている寄生虫です。
このフックを腸壁に引っかけて小腸に寄生して血液を吸います。
フックで傷つけられた腸壁からも失血するため多量に寄生されると重篤な貧血を起こします。
このため、とくに子犬にとっては危険な寄生虫であり早期の発見と治療が重要です。
感染経路
犬鉤虫の感染経路はおもに3つです。
- 経口感染
- 経皮感染
- 母子感染
経口感染
感染した動物の糞からでた虫卵(卵の中で幼虫になっている)を口にすることで感染します。
経皮感染
皮膚から感染したばあいは血管やリンパ管を通じて肺に到達し咳をすることで食道から腸へ移動して吸血します。
母子感染
母犬が感染しているばあい胎盤や母乳をとおして子犬に感染します。
母子感染は子犬の感染経路としてもっともポピュラーなルートです。
症状
犬鉤虫に感染した犬が示すおもな症状には以下のようなものがあります。
- 貧血(鉤虫は血液を吸うため)
- 下痢・血便(黒っぽい便またはタール状の便)
- 食欲不振、元気の低下
- 成長不良(体重減少)
感染が分かったら
治療と清掃の2つの対応が必要となります。
駆虫薬の投与
犬鉤虫の感染に対する治療には駆虫薬の投与が有効です。
以下に、犬鉤虫の駆虫に使われるおもな駆虫薬を挙げます。
- フェンベンダゾール
- ピランテルパモエイト
- イベルメクチン
フェンベンダゾール(Fenbendazole)
寄生虫を殺すためによく使われる駆虫薬です。
数日にわたって投与されることが多いです。
フェンベンダゾールを含む駆虫薬は個人輸入で入手することもできます。
パナクールKH 250ml
パナクールオーラルペースト(Panacur)
ピランテルパモエイト(Pyrantel Pamoate)
鉤虫を麻痺させ体外に排出します。
これは1度の服薬で効果があるものの再感染を防ぐために数週間後に再投与することがあります。
ピランテルパモエイトを含む駆虫薬は個人輸入で入手することもできます。
ウォレックス(犬用)
イベルメクチン(Ivermectin)
フィラリアの予防薬として有名な薬剤ですが犬鉤虫を含むさまざまな寄生虫にも有効です。
イベルメクチン系のフィラリア予防薬を使用することで犬鉤虫を駆虫することもできます。
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イベルメクチンを含む駆虫薬の一部は個人輸入で入手することもできます。
カルドメックチュアブル/ハートガードプラス*
ミルプラゾン*
ミルプラゾンチュアブル*
そのほかの商品
上記のほかイベルメクチンを含む駆虫薬には以下のような商品もあります。
- キウォフハート*
- イベルメック*
ミルベマイシンオキシム(Milbemycin Oxime)
犬鉤虫を含む寄生虫の駆除や予防に使われる広域スペクトルの薬です。
また、感染リスクの高い環境にいるばあいは定期的な予防策が推奨されます。
ミルベマイシン系のフィラリア予防薬を使用することで犬鉤虫を駆虫することもできます。
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ミルベマイシンを含む駆虫薬は個人輸入で入手することもできます。
ネクスガードスペクトラ
クレデリオプラス
コンフォティスプラス
清掃・消毒
このほか、感染が分かったら再感染を防ぐために室内の清掃や消毒をすることも重要です。
このほか、感染が分かったら再感染を防ぐために室内の清掃や消毒をすることも重要です。
まとめ
犬鉤虫(Ancylostoma caninum)はフック状の口で腸壁に寄生し、血液を吸う寄生虫です。
とくに子犬が感染すると貧血や下痢、体重減少などの重篤な症状を引き起こし命にかかわる可能性があります。
感染経路は経口、経皮、母子感染の3つで、駆虫薬(フェンベンダゾール、ピランテルパモエイト、イベルメクチンなど)が有効です。
感染後は治療だけでなく、室内の清掃・消毒も必要です。
予防方法
愛犬を犬鉤虫をはじめとした寄生虫感染症にさせないためには以下の対策が必要です。
駆虫薬の定期投与
治療に使用した駆虫薬を通年で定期投与することにより感染を防ぐことができます。
フィラリア、ノミ・マダニの予防と併せて犬鉤虫の駆虫にも効果のある寄生虫予防薬を選択することをお勧めします。
室内環境衛生
日ごろからの室内の清掃や消毒も大切です。
室内トイレでの排泄に気づいたら速やかに片づけ定期的に消毒もしておきます。
また、犬用の敷物やベッドなどはこまめに抜け毛を取り除いたり洗濯して清潔に使います。


放置ウンチは危険だと知る
お散歩ルートに放置されている犬のウンチには多くの寄生虫の卵や幼虫が含まれている可能性がります。
時間が経つほど寄生虫の量が増えたり、感染力が高まるものもあります。
放置ウンチは巡り巡って自分の愛犬の健康を損なうということを飼い主一人ひとりが肝に銘じる必要があります。
また、お散歩中は愛犬のリードを短くもち、放置ウンチの匂いを嗅がせたり、食べられてしまわないように十分な注意を払いながら歩くことも大切です。

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