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愛犬を変えたければまず飼い主が変わる:ミラーニューロンと情動感染

犬のしつけで一番大切なのは、コマンドに反応して、指示された動作を行うことではありません。

飼い主との暮らしのなかで出会う出来事や人・犬・モノに対して、過剰に反応しない「感情のコントロール力」を、愛犬に身に付けてもらうことです。

犬の感情のコントロール

この「感情のコントロール力」をどのように育てるかというと、それには、犬の「情動感染」の能力を活用します。

情動感染は、ミラーニューロンという脳内の神経細胞によって引き起こされる脳活動です。

ミラーニューロン

ミラーニューロンは、脳内で活動する特殊な神経細胞の一種です。

1996年にイタリアの神経科学者Giacomo Rizzolattiによって発見され、「ミラーニューロン」という名称は他者の行動や感情を「鏡のように」反映する特性に由来しています。

ミラーニューロンはおもに前頭葉、後頭葉、額葉などの脳の領域に存在し、個体が他の個体の行動や感情を観察したり理解したりする際に活動します。

つぶやきミラーニューロンはヒト、イヌ、ネズミの脳にも存在します

ミラーニューロンは、おもに以下の2つの機能で知られています。

他者の行動の模倣

ミラーニューロンは他者の行動を観察した際に、その行動を自分自身で模倣しようとします。

たとえば、他者の笑顔を見た人はミラーニューロンが活性化され、その人も笑顔を作ろうとすることが知られています。

他者の感情の共感

ミラーニューロンは他者の感情に共感するのにも関与しています。

他者が喜んでいるのを見ると、ミラーニューロンは幸福を感じるような脳の活動を示し、反対に他者が悲しんでいる場面を見たばあいには、ミラーニューロンがその悲しみを共感的に体験させることがあります。

情動感染

情動感染とは、周りの人(や犬)の感情が伝播して自分も同じような感情になることです。

ミラーニューロンの機能のうち、2番目に挙げた「感情の共感」に相当します。

これは、人間や犬のように群れで暮らす社会的動物に備わっている能力です。

繊細さんとは情動感染の力が強すぎる人

「繊細さん」という言葉が流行り、本もたくさん売られていますが、これは「HSP: Highly Sensitive Person」という、生まれつき非常に感受性が強く、敏感な気質もった人のことを、日本人に分かりやすいようにネーミングしたものです。

ヒトに対する情動感染の力を発達させることで共生してきたイヌ

犬は太古の昔から、人間と暮らしを共にしてきた動物ですが、人間の言葉を使うことはできません。

代わりに、その感受性で人間の感情を読み取り、その感情に自分の感情をシンクロさせることで群れの一員となってきました。

つまり、犬は人間以上に相手の感情を読み取る能力をもち、コミュニケーションに利用している動物なのです。

飼い主の感情=愛犬の感情

最も大切な飼い主の感情を、自分の感情としているのです。

なので、犬の意識と行動を変えるためには、まず、飼い主が自分の意識と行動を変えなければいけません。

愛犬を変えたければまず飼い主が変わる!

飼い主が普段気にかけてこなかった自身の感情に目を向け、意識の持ち方を工夫することで、愛犬の気持ちの持ち方が変わり、反応が変わってきます。

具体的な方法は、それぞれの犬と飼い主さんの性格・状況によって変わるので、「我が家のケース」を知りたい方は、しつけ教室などでトレーナーさんに相談してみてください。

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Shizuka “Suzy” Ishida

Shizuka “Suzy” Ishida

2005年より東洋思想をベースにした「ごほうびにオヤツを使わない犬のしつけ方」を提唱。吠える・噛むの問題を抱えた小型犬のしつけを得意としていますが、保護犬の心のリハビリもしています。当サイトで提示しているしつけ方法はすべての犬に100%当てはまるものではありません。性格や状況によって対処方法はさまざまです。お試しになる際はあらかじめご理解のうえお願いいたします。

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