本屋さんへ行けば、たくさんの犬のしつけ本が並んでいます(一昔前に比べて減ったようには思いますが)。
また、インターネットで検索すれば、犬のしつけに関する情報がたくさん出てくるでしょう(この記事もそうですね)。
本によって、記事によって、言っていることがまちまちだったり、真逆だったりして、いったいどうすればいいのか、迷ってしまうことがあると思います。
そんなときは、どんな犬に育ってほしいのかを考えると、それに沿ったしつけの方法が選べるようになります。
大きく分けると、次の2つになるでしょうか。
- 飼い主の指示に即座に従う犬
- 飼い主が困ることをしない犬
「どっちも!」と言いたいところですが、じつは育て方が正反対なのです。
今回は、「飼い主の指示に即座に従う犬の育て方」を見ていきましょう。
「飼い主の指示に即座に従う犬」の育て方
- 動作(オスワリ,フセ,マテ,ツケ,オイデなど)のコマンドを教え、それに従ったらご褒美にオヤツを与える(オヤツ・オモチャ以外に強く犬の興味を引くものはないという考え)
- 嫌なこと・苦手なことは、オヤツに集中させて、気持ちがオヤツのほうにそれているうちに済ませる(問題と向き合わずにやり過ごさせる)
- 叱ってはいけない(「犬に嫌われる」というのが理由なのだそう…)
これらの方法は、いわゆる「ドッグトレーニング/服従訓練」で習得することが可能で、大半の犬のしつけ教室はこの方法のトレーニングを教えてくれます。
「飼い主の指示に即座に従う犬」の弱点
ですが、この方法で訓練をすると、
- 教わった動作に限って、
- 報酬(オヤツ)という見返りのために、
- 指示を受ければ
行うようになります。
オヤツへの執着が強まり、飼い主はオヤツが出てくるマシンのような扱いとなり、「人」に対する意識が希薄になってしまいます。
この訓練をするトレーナーのデモンストレーションでは、ハンドラーがオヤツを出すのが待ちきれず、犬がトリーツバッグに飛びつく姿をたくさん目にします。
また、「してはいけないこと」は教わっていないため、教わった動作以外は犬の基準で行動するので、教えた動作以外の生活上の問題などは置き去りのままになってしまいます。
ただし、このような訓練を飼い主と一緒に行うこと自体は、信頼関係の醸成の一助にはなります(犬にとっては、一緒に遊ぶのと同じなので)。
お手などの芸や、フリスビーやアジリティなどのドッグスポーツの訓練も、同様の結果をもたらします。
成績よりも大事なこと
訓練やスポーツ等の競技を楽しむことは悪いことではないけれど、それができればすべての問題が解決する訳ではありません。
競技の成績を極めようとすればするほど、日常生活における問題が悪化していくことは少なくありません。
日常生活を送るうえで大切なことをしっかりと身に付けたうえで、あくまでも「飼い主の楽しみのため」にやるべきことです。
愛犬が楽しんでいるのは、飼い主が楽しいと思っているからです。
Human Expressions of Object Preference Affect Dogs’ Perceptual Focus, but Not Their Action Choices書誌情報Hoi-Lam Jim, Fri...
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