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犬語の単語帳:犬のボディランゲージ(5)口編

犬たちは仲間や人間に対して豊かなボディランゲージを用いて感情や意思を伝えています。

口や目、耳、尻尾などさまざまな身体の部位を駆使し、その組み合わせによって多様なメッセージを発信します。

また犬は感情の切り替えが非常に速く瞬時に変化し続けるためボディランゲージも刻々と変化していきます。

その微細なサインを正確に読み取り適切に対応することは飼い主が愛犬とともに快適に暮らしていくための必須スキルです。

犬が「吠える」というもっとも明確なサインを出すまで待っていては手遅れになります。

それよりもずっと前から犬たちが発している数多くのボディランゲージを読み取ることで、いち早く犬の気持ちを深く理解することができ問題の発生を未然に防ぐことができるのです。

本記事では犬がボディランゲージのために使っている身体のパーツのうち「口」にフォーカスして解説します。

感情表現にも使われる「くち」

犬は「口」を使ったボディランゲージを通じて周囲に対してさまざまな感情や意図を伝えています。

犬は吠える前の段階でも口元の筋肉をさまざまに動かすことで自分の気持ちを表現しています。

これは飼い主が愛犬の心情を読み取るための大切な手がかりのひとつです。

本記事では犬が「口」を使ったボディランゲージの中から特徴的な6つの例を挙げ、それぞれの意味と適切な飼い主の対応について解説します。

特徴的な6つの使われ方

  1. 口を閉じている
  2. あくびをする
  3. 唇をなめる
  4. 前歯を見せる
  5. 犬歯を見せる
  6. 歯をカチカチ鳴らす

1. 口を閉じている

犬が口を閉じている状態は、通常、何かに注目しているときやリラックスしているときに見られます。

ぎゅっと口を結んでいる

耳を立てながら口をしっかり閉じている場合、犬は何かに興味を持ちその対象に集中している可能性が高いです。

ゆるく閉じている

この口の閉じ方が緩やかであればリラックスしていることを意味し、逆に緊張感が漂う閉じ方であれば、何かしらの刺激に敏感になっていることを示しています。

飼い主は愛犬が口を閉じた状態で何かに注意を向けているときはその対象を確認して、どのような気持ちで見つめているのかを理解することが大切です。

もし緊張しているようであれば緊張する必要がないことを伝えてリラックスさせると良いです。

2. あくびをする

犬の「あくび」はカーミングシグナルの一つとして広く知られています。

これは犬たちが自分自身や相手の緊張を和らげるために行なう行為です。

犬だけでなく人に対しても緊張緩和の合図としてよく見られます。

「嫌だな~」と思っているときによく出る

写真を撮ろうとするとあくびをする犬は大変多いです。

これは犬たちがカメラのレンズを「目玉」ととらえてしまう勘違いから起こります。

レンズ(目)に凝視されて緊張していることから「落ち着こうよ」という意図を込めてあくびをするのです。

愛犬があくびをしたら飼い主も愛犬に向かってあくびをし返すなどして落ち着いた態度をみせて緊張を解けるようにすると良いでしょう。

つぶやき本当に眠くてあくびをすることももちろんあります。また、嫌でもやらなければならないことについては「あくび」をしていても中止せずにやり切ることが重要です。

3. 唇をなめる

犬が自分の口や鼻を舌でなめるのは不安や緊張を示すサインです。

カーミングシグナルの一種であり犬が不安定な気持ちに陥っているときに見られます。

舌を出すのは一瞬

たとえば、知らない人や犬と対面したりこれから何が起きるのか分からない状況などで「ペロッ」と舌を出す姿が見られることが多いです。

飼い主は愛犬が自分の唇や鼻をなめているのをみつけたら犬が不安を感じている原因を探り、できるだけ緊張をほぐしてあげると良いでしょう。

4. 前歯を見せる

犬が前歯を見せる行動はカーミングシグナルの一つとしての「笑顔」として捉えられることもあります。

これは犬が本当に楽しんでいるときに表現するもので飼い主や友好的な犬と一緒にいるときに使われることが多いです。

つぶやき攻撃と見分けがつきにくいため一見で判断するのは難しい表情でもあります。

5. 犬歯を見せる

前歯をみせると区別がつきづらいボディランゲージに「犬歯(牙)」を見せるというのがあります。

犬が犬歯を見せる行為は強い警告や攻撃の意思表示です。

とくに犬歯をむき出しにして鼻にしわを寄せている場合は相手に対して「これ以上近づくな」という強い警告が込められています。

これは相手を傷つけたくないが、それ以上の接近は許さないという最終警告の意味合いが強く攻撃に移る前のサインとも言えます。

愛犬がほかの犬や人に対して犬歯を見せることがあれば叱って止めさせたり、攻撃対象から離れて距離をとらせるなどして決して攻撃させないことが重要です。

6. 歯をカチカチ鳴らす

犬が歯をカチカチと鳴らす行動はカーミングシグナルの一種と考えられています。

強い我慢や緊張が原因であり威嚇や防衛反応として表されるボディランゲージですが滅多にみられない珍しいボディランゲージといえます。

つぶやき柴犬によく見られます。

歯を鳴らして自分の存在を主張し相手に距離をとらせる目的で使われます。

とくに全身に力が入っている場合は攻撃の一歩手前であるというばあいもあります。

ほかの犬や人に対して威嚇のサインが見られたらすぐに叱って止め、緊張が解ける距離を取って落ち着かせることが大切です。

まとめ

犬が用いるボディランゲージの意味を理解することは飼い主にとってもっとも重要なスキルの一つです。

犬たちは吠える前から身体のさまざまな部位を駆使してボディランゲージを使い自分の気持ちを伝えています。

飼い主がこれを見逃さず正確に読み取ることができれば愛犬とのスムーズなコミュニケーションが可能になります。

口を閉じている、あくびをする、唇をなめる、前歯を見せる、犬歯を見せる、歯をカチカチ鳴らすといった行為は犬が状況や相手に対してどのように感じているかを示す重要な手段です。

飼い主が犬のボディランゲージを学びその理解を深めることで愛犬も飼い主に対して安心感と信頼を寄せるようになり信頼関係を深めていくことができます。

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Shizuka “Suzy” Ishida

Shizuka “Suzy” Ishida

2005年より東洋思想をベースにした「ごほうびにオヤツを使わない犬のしつけ方」を提唱。吠える・噛むの問題を抱えた小型犬のしつけを得意としていますが、保護犬の心のリハビリもしています。当サイトで提示しているしつけ方法はすべての犬に100%当てはまるものではありません。性格や状況によって対処方法はさまざまです。お試しになる際はあらかじめご理解のうえお願いいたします。

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