こんな経験はありませんか?
愛犬がいたずらをしたとき、声を荒げる前にちょっとこちらをうかがうような目をすること。
あるいは飼い主が笑顔でいると、なんとなく犬もリラックスしているように見えること。
「気のせいかな」と思っていたかもしれませんが、これは気のせいではありません。
2015年にウィーン大学の研究チームが発表した論文が、そのことをはっきり証明しています。
犬は「怒り顔」と「笑顔」を見分けられる
研究者たちは家庭犬に、タッチスクリーンを使って人間の顔写真を識別する課題をやらせました。
しかも、ただ見せるのではなく顔の上半分だけ、あるいは下半分だけという条件で学習させ、その後に「見たことのない顔の残り半分」を見せたときにも正しく区別できるかを調べました。
もし犬が「歯が見えるかどうか」のような単純なヒントだけを手がかりにしていたなら、顔の別の半分を見せられたときに答えられなくなるはずです。
ところが実験結果は違いました。犬たちはどんな条件でも偶然の確率を大きく上回る正解率を出したのです。
これは犬が「笑顔全体」「怒り顔全体」という感情表現そのものを、記憶として持っていることを意味します。
「怒り顔に近づくのが遅くなる」という発見
この実験でもうひとつ興味深いことがわかりました。
「怒り顔に触れると報酬がもらえる」グループの犬は、「笑顔に触れると報酬がもらえる」グループより、学習に時間がかかったのです。
なぜか。研究者たちはこう解釈しています――犬は怒り顔を、もともと「嫌なもの・避けるべきもの」として認識している。
だから、そこに自分から近づいていくことへの抵抗感を克服しなければならなかった、と。
つまり犬は、訓練を受けるまでもなく、生活の中で覚えた飼い主の顔の記憶から、「この表情のときは気をつけなくてはいけない」と判断しているのです。
Suzyはずっとこれを感じていた
20年以上しつけの現場に立って、私はずっとこのことを実感してきました。
叱るときは「本気で叱る」表情で叱る。褒めるときは「心から嬉しい」表情で褒める。
言葉は通じなくても、表情は確実に伝わっています。
叱っているはずなのに笑顔になってしまったり、褒めているのに無表情だったりすると、犬は混乱します。
この研究はそのことを、科学の言葉で裏付けてくれました。
「叱らないしつけ」が流行っていますが、私がそれに賛成できない理由のひとつもここにあります。
犬は「怒り顔」の意味を知っている。
だからこそ、私たち人間は、それを使って意思を伝えることができるのです。
感情が乗っている表情は、犬にとって立派なコミュニケーションツールです。
飼い主さんへの実践ポイント
犬はあなたの顔を日々観察して学習しています。
感情と表情が一致していることが、信頼関係の土台になります。
叱るとき、褒めるとき、以下の点を意識してみてください。
叱るとき
目を細め、口角を引き締め、「これはダメだ」という表情をつくる。言葉よりも先に、顔から伝えましょう。
褒めるとき
目を大きく開け、口元を緩め、心から嬉しそうな表情で。「よくできた!」という感情を顔いっぱいに出してください。
まとめ
「犬が人間の顔の感情を読んでいる」ことは、もはや飼い主の直感ではなく、科学的な事実です。
あなたの表情は愛犬への最も直接的なメッセージです。
オヤツがなくても、大きな声を出さなくても、愛犬はあなたの顔からあなたの言わんとすることを必ず受け取っています。
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