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保護犬のフィラリア対策(治療と予防)

南国の宮古島からやってくる保護犬たちは、残念なことに保護時にはすでにフィラリア症になっていることが少なくありません。

犬を飼うなら「フィラリアは必ず予防しなければならないもの」ということは知っていましたが「すでにフィラリア陽性になっている犬を迎えたらどうすれば良いのか」ということは、タラ氏を迎えるまでちゃんとは知りませんでした。

ここでSuzyの調査した「フィラリア陽性の保護犬への対処」を備忘録としてまとめておくことにしました。

ご注意本記事は獣医師ではないドッグトレーナーのSuzyが、さまざまな資料を基に記録したものです。ご自身の愛犬の治療や薬の選択の際はかかりつけの獣医師にご相談ください。

あらためてフィラリアとは

フィラリア(別名:犬糸状虫)は蚊が媒介する寄生虫です。

蚊が媒介する寄生虫

ミクロフィラリアという幼虫の状態で蚊が吸血する際に動物の体内に侵入します(以下、フィラリアの幼虫をミクロフィラリア、成虫をフィラリアと呼びます)。

人間を刺す蚊がフィラリアを媒介しているため(ミクロフィラリアを保有する)蚊に刺されれば人の体内にもミクロフィラリアは侵入します。

動物種によって異なる感染しやすさ

フィラリアは動物種によってに対する抵抗性が異なります。

ヒトの体内でフィラリアが増殖することは滅多に起きないとされています。

しかし、犬やキツネ、タヌキをはじめとする特定の動物種はフィラリアに対する抵抗性が低く、蚊に刺されるとフィラリアに寄生されてしまうのです。

犬はとくにフィラリアの好適宿主(=フィラリアが繁殖しやすい)となっています。

フィラリアの成長ステージ

犬の体内の侵入したミクロフィラリア(mf)は脱皮を繰り返して成長しながら体中をめぐります。

そして、半年ほどかけて肺動脈や心臓に到達するとそこで成虫になって繁殖をはじめます

つぶやきこのため生後半年未満の子犬にフィラリア検査を行なっても陽性にはなりません。

成長ステージ別名称

ミクロフィラリアは成長ステージによりL1~5まで分類されます(LはLarva:幼虫の略)。

  • L1…生まれたばかり(蚊が吸血可能なサイズ。蚊の体内でL3まで成長する)
  • L2…誕生後、約2週間(蚊が吸血可能なサイズ。蚊の体内でL3まで成長)
  • L3…ミクロフィラリアの寄生した犬を吸血した蚊に刺された犬はL3から寄生スタート(感染後9~12日)
  • L4…L3が腹部・胸部の組織に移動しながらL4に成長し静脈に移動していく(感染後3~70日)
  • L5…肺血管系に侵入する(感染後50~120日)
  • 成虫…右心房・肺動脈に寄生しミクロフィラリアを産生し始める(感染後180日~)

成虫の数が増えると生死にかかわる

ミクロフィラリアの産生が繰り返されることによって心臓や肺動脈内に成虫のフィラリアが増えると血管や心臓の機能が低下して最終的には死に至ります。

このため、犬たちはフィラリアの予防薬が開発されるまではフィラリアが原因で5~6年程しか生きることができませんでした。

感染に地域差がある理由

Suzyの住む関東周辺ではフィラリア予防はかなり一般的なものとなっていてフィラリア陽性の犬はめったに見られなくなっています。

本州や北海道においては臨床を始めてから陽性反応の出た検査キットの現物を見たことのない獣医師もいるかもしれません。

暖かい地域ではいまだポピュラー

しかし、暖かい地域(九州・沖縄など)ではフィラリア症はいまだにポピュラーな病気です。

飼い方(フィラリア予防が浸透していない)と気候(年中温暖)の差によるものと考えられます。

つぶやき沖縄や九州の動物病院のなかには、フィラリアの「治療」(予防ではない)について、病院のホームページに詳しく掲載しているところもあります。もっと詳しく知りたい方は、ぜひいちど検索してみることをお勧めします。

フィラリア検査の方法

フィラリアの感染の有無は血液検査でおこないます。

以下の2種類の血液検査があります。

  1. 成虫抗原検査
  2. ミクロフィラリア検査

1. 成虫抗原検査

「成虫抗原検査」は採血した血液を専用の検査キットに滴下して成虫の有無を判定する方法です。

メリット

飼い主の目の前ですぐに結果が分かるというメリットがあります。

デメリット

下記の理由により、実際にはフィラリアがいても結果が陰性となることがあります。

  • 数が少ない
  • オスの成虫しかいない(検査キットはメスの成虫の唾液に反応するため)
  • 抗原抗体複合体が出ている

2. ミクロフィラリア検査

採血した血液を顕微鏡を用いて目視で確認する方法です。

目視に使用する血液の処理方法は複数あります。

しかし、精度が高くなるにしたがい費用も上がるうえ検査できる機関も限られることから、状況に応じて検査方法が選択される(らしいです)。

抗原検査で陽性が分かりミクロフィラリアの量を調べたい場合に採用する方法ともいわれます。

つぶやき一般的に(前シーズンにきちんと予防薬が投与されていて陰性の可能性が高い犬)は抗原検査キットによる成虫の有無の確認のみとなることが多いでしょう。

フィラリア陽性だったら…

検査の結果が陽性であった場合は追加検査をおこない、さらに重症度を調べます。

1. 追加検査

体内のフィラリアの量によって身体のさまざまな臓器に異変がおこります。

このため、フィラリアの感染が確認されると以下の追加検査を実施することになります。

  • 血液検査:貧血や溶血、肝臓や腎臓の評価
  • エコー検査:心臓・肺動脈に成虫が寄生しているかどうか、腹水の有無など
  • レントゲン検査:心臓の大きさや形、血管の走行、肺の状態、肝臓の大きさなど

2. 重症度の判定

検査の結果から判明した症状によって軽症~重症のステージのどれに該当するかを判定します。

また、突然に発症する「大静脈症候群」は最も命の危険があります。

  1. 軽症:無症状、発咳
  2. 中等症:運動不耐、肺音異常(+軽度症状)
  3. 重症:心雑音、肝腫大、失神、腹水(+軽度・中程度症状)
  4. 急性:大静脈症候群(重度の沈鬱や虚脱、血色素血症、血色素尿症)

フィラリアの治療

フィラリア陽性と診断されたらフィラリア成虫とミクロフィラリア(mf)の駆虫を行なっていきます。

温存療法(軽症)

寄生しているフィラリアの量がわずかで無症状(軽症)のケースではフィラリア予防薬を通年投与することで成虫の寿命を待つ方法がとられることもあります。

メリット

  • フィラリア陰性の犬たちに行なう予防と同じ
  • かかる費用も変わらない

デメリット

  • 成虫の寿命を待つ方法のため陰転する(陰性と診断される)まで最長で5~6年ほどかかってしまう
  • 陰転するまでのあいだに血管や心臓を傷めることも考えられる
つぶやき温存療法にはステロイドを併用する場合もあります。

ボルバキア治療(軽症~中等症)

温存療法(フィラリア予防薬の投与)にくわえてテトラサイクリン系抗生物質(塩酸ドキシサイクリン:ビブラマイシン等)を飲ませる治療です。

間接的にフィラリアに効果を及ぼす

ボルバキアとはフィラリアが保有している菌の名前です。

抗生物質の投与によってフィラリアが保有する「ボルバキア菌」を弱体化させます。

これにより成虫のフィラリアの駆虫率を上げることを狙った治療方法です。

抗生物質によってボルバキア菌が弱体化すると併せてフィラリアの成虫も弱体化することから予防薬単体の投与では駆虫できない成虫に対しても駆虫効果が出せるのがメリットです。

成虫の数が減るにつれて産生されるミクロフィラリアの数も徐々に減っていきます。

そして、最終的に成虫が死滅した時点で体内から生きたミクロフィラリアもいなくなっていることになります。

ステロイドの追加投与も

また、上記2種類の投薬に並行してステロイド(プレドニゾロン)も投与すると駆虫時のショック症状を防ぎ肝臓や腎臓の炎症を減少させる効果がみられるため、ステロイドも併せて処方されることが多いようです。

半年ごとに検査で確認

フィラリアの治療では治療開始から半年ごとに抗原検査とミクロフィラリア検査を実施して治療の進み具合を確認します。

最終的に陰転(生きたフィラリアの存在が確認できなくなる)まで繰り返し投薬を継続していきます。

重症 or 急性症状の治療は「外科的治療」

フィラリア症の犬は急性症状として「大静脈症候群」を発症することがあります。

肺動脈にいたフィラリアが心臓内に移動して重度の三尖弁逆流を起こすと血液の循環障害を起こします。

これを「大静脈症候群」といい、突然に発症し命の危険を伴うものです。

また、寄生しているフィラリアの数が膨大で心臓や血液、肝臓や腎臓などに重篤な併発症状が起きている場合は重症とされます。

外科的治療「吊り出し」

いずれも外科的治療に耐えられる体力(と予算)があれば外科的治療を行います。

「吊り出し」といって頚静脈から「アリゲーター鉗子」という特殊な器具を用いて外科的に虫体を摘出します。

手術後に様態が安定したら内科的治療に移行しますが手術中や術後に亡くなってしまうことも多いようです。

外科的治療ができる獣医師の減少

さらには、フィラリア予防が飼い主に浸透して重度のフィラリア症になった犬を診察する機会が激減していることから実際に外科的治療の経験をもつ獣医師は減少しています。

急性症状を発症したら外科的治療を受けることも難しいかもしれません。

このようにフィラリアは感染し重症化すれば命にかかわる病気のため予防が大切であると言われているのです。

フィラリア予防薬の作用機序

これまでみてきたとおりフィラリア症の治療のほとんどはフィラリア予防薬を含む内服薬の投与による治療となります。

フィラリアの薬は蚊に刺された際に体内に侵入してきたミクロフィラリア(mf)が成虫になる前の段階で駆虫する薬です。

実際は駆虫している

予防薬と呼んでいますが実際には「駆虫薬」として機能します。

ただしL5以上まで成長してしまったフィラリアに対しては効果が少ないのです。

月1回投与する理由

ミクロフィラリアがL3からL5に成長するまで最短で50日ほどかかります。

このため遅くとも50日以内に次の薬を投与する必要があります。

うっかり飲ませ忘れても50日以内に投与できるようにという理由から毎月1回投与する習わしになっています。

陽性犬への投与は要注意

成虫(もしくはL5)のフィラリアが寄生している犬にフィラリアの薬を投与すると死滅したフィラリアが血管に詰まったり、フィラリアの死骸によるアナフィラキシーショック(頻脈、虚脱、呼吸不全など)を起こしたりすることもあります。

最悪の場合は命にかかわることもあるため、毎年薬を飲み始める時期になったら採血をしてフィラリアの陰性を確認したうえで投薬を始めることになっています。

かんたん比較フィラリア予防薬

フィラリア予防薬の種類が知りたい方はクリック!

駆虫したフィラリアはどこへ?

死んだフィラリアの成虫は肺へ流されて白血球により処理されます。

しかし、フィラリア成虫の外皮(クチクラ)は虫自体が分解された後も粉状の形態で循環器内に残り続けます

このため、重症度によっては陰転後も息の上がる激しい運動は控えるなどの注意は必要となるかもしれません。

フィラリアを駆虫する抗生物質

商品名としてはさまざまな種類のフィラリア予防薬が売られていますがフィラリアに効く成分として(経口投与では)以下の3種のうちのどれかが入っています。

  1. イベルメクチン
  2. ミルベマイシン
  3. モキシデクチン

それぞれに特徴があり犬種や犬の状態に応じて選択されます。

1. イベルメクチン

イベルメクチン(Ivermectin)は2015年にノーベル生理学・医学賞を受賞した北里大学の大村智教授により、静岡県伊東市内のゴルフ場近くで採取した土壌から発見された放線菌を基に作られたマクロライド系の抗寄生虫薬です。

コロナ治療には効かなかった

一時期、新型コロナウイルス感染症(Covid-19)の治療に使えるかもしれないと話題になりました。が、残念ながらコロナに効果があるという結果は得られませんでした。

皮膚病の治療にも使われる

イベルメクチンはL1とL4のミクロフィラリアに有効な薬です。

このほかに疥癬や毛包虫による皮膚病の治療にも使われます。

コリー系犬種には禁忌

また、コリー系犬種(意外ですがシェパードもこれに含まれます)ではショック症状を起こす可能性があるため投与には注意が必要とされます。

コリー系犬種の例コリー、ボーダー・コリー、シェットランド・シープドッグ、オーストラリアン・シェパード、イングリッシュ・シェパード、ジャーマン・シェパード、ホワイト・スイス・シェパード

イベルメクチン系フィラリア予防薬の例

カルドメック/ハートガードプラス(小型犬用/6週齢~11kg)*

カルドメック/ハートガードプラス(小型犬用/6週齢~11kg)

  • 投与方法:内服薬
  • 形状:チュアブルタイプ(ビーフフレーバー)
  • 有効成分:イベルメクチン、ピランテル
  • 駆虫対象:犬糸状虫(フィラリア)、犬回虫・犬鉤虫
  • メーカー:Boehringer Ingelheim
そのほかの製品
  • キウォフハート(savavet)*
  • ストロングハートプラス・チュアブル(savavet)*
  • イベルメクチン(Arrow Generiques)*
  • イベルメック(物産アニマルヘルス)*
  • パナメクチン錠S(明治アニマルヘルス)*

*は外部寄生虫対象外(別途、マダニ・ノミの予防薬が必要)。

つぶやきイベルメクチン系の駆虫薬は外部寄生虫も含むオールインワンタイプの製品はなさそうです。上記のフィラリア予防薬を投与するのであれば外部寄生虫の駆虫薬を別途投与する必要があります。

2. ミルベマイシン

ミルベマイシン(Milbemycin)もマクロライド系抗菌薬です。

ミルベマイシンは一般的にミルベマイシンオキシムとして配合されておりペットに安全に投与できる形に調整されています。

この成分は寄生虫の神経系に作用し麻痺させて駆除する効果があります。

内部寄生虫にも効果アリ

ミルベマイシンはフィラリアのほかにも回虫・鉤虫・鞭虫などの内部寄生虫にも効果があり、フィラリアと同時に基本的な内部寄生虫の駆虫も可能です。

即効性が高い

フィラリアに対してはL1・L3~L5初期までに有効です。

イベルメクチンに比べて即効性が高いと言われます。

ミルベマイシン系フィラリア予防薬の例

オールインワンタイプのフィラリア予防薬はミルベマイシンを主剤とした製品が一番多いです。

犬種による禁忌がないことや他剤との組み合わせやすいことがその理由であると考えられます。

ネクスガードスペクトラ

ネクスガードスペクトラ(中型犬用)

  • 投与方法:内服薬
  • 形状:ソフトチュアブル(ビーフ味)
  • 有効成分:ミルベマイシンオキシム、アフォキソラネル
  • 駆虫対象:犬糸状虫(フィラリア)、ノミ・マダニ、犬回虫・犬小回虫・犬鉤虫・犬鞭虫
  • メーカー:Boehringer Ingelheim
クレデリオプラス

玉木宏がCMをやってるアレです。

クレデリオプラス

  • 投与方法:内服薬
  • 形状:タブレット錠(ビーフフレーバー・豚由来)
  • 有効成分:ミルベマイシンオキシム、ロチラネル
  • 駆虫対象:犬糸状虫(フィラリア)、ノミ・マダニ・イヌニキビダニ、犬回虫・犬鉤虫(成虫・幼虫)・犬鞭虫
  • メーカー:Elanco
インターセプタースペクトラムテイスティチューズ*

インターセプタースペクトラムテイスティチューズ

  • 投与方法:内服薬
  • 形状:チュアブルタイプ
  • 有効成分:ミルベマイシンオキシム、プラジクアンテル
  • 駆虫対象:犬糸状虫(フィラリア)、犬回虫・犬鉤虫・犬鞭虫・瓜実条虫・多包条虫(エキノコックス)
  • メーカー:Elanco
ミルプラゾンチュアブル

ミルプラゾンチュアブル2.5mg/25mg(小型犬・子犬用/0.5kg以上)

  • 投与方法:内服薬
  • 形状:タブレット錠
  • 有効成分:ミルベマイシンオキシム、スピノサド
  • 駆虫対象:犬糸状虫(フィラリア)、線虫(犬回虫、犬鉤虫、犬鞭虫)
  • メーカー:Elanco
ミルプラゾン

ミルプラゾン2.5mg/25mg(小型犬&子犬用)

  • 投与方法:内服薬
  • 形状:タブレット錠
  • 有効成分:ミルベマイシンオキシム、スピノサド
  • 駆虫対象:犬糸状虫(フィラリア)、線虫(犬回虫、犬鉤虫、犬鞭虫)
  • メーカー:Elanco
コンフォティスプラス

コンフォティスプラス

  • 投与方法:内服薬
  • 形状:タブレット錠
  • 有効成分:ミルベマイシンオキシム、スピノサド
  • 駆虫対象:犬糸状虫(フィラリア)、線虫(犬回虫、犬鉤虫、犬鞭虫)
  • メーカー:Elanco
そのほかの商品
  • パノラミス(コンフォティスプラスと同成分)

*は外部寄生虫対象外(別途、マダニ・ノミの予防薬が必要)。

3. モキシデクチン

上記2種の抗生物質は内部寄生虫にも効果があるお薬でした。

しかし、モキシデクチン(Moxidectin)はフィラリア単体にのみ有効な成分です。

陽性犬への投与に使われる

ミクロフィラリアに対してもL1には効果がありません。

このためフィラリア陽性の犬への投与に向いているとされます。

モキシデクチン系フィラリア予防薬の例

モキシデクチンを主剤としたオールインワンタイプのフィラリア予防薬はシンパリカトリオのみのようです。

モキシデクチンを主剤としたフィラリア予防薬は滴下薬(アドボケート/エランコ)や注射薬(プロハート12/Zoetis)などもあります。

シンパリカ・トリオ

シンパリカトリオ

  • 投与方法:内服薬
  • 形状:チュアブルタイプ(レバー風味)*牛由来の成分不使用
  • 有効成分:サロラネル、モキシデクチン、ピランテルパモ酸塩(ピランテル)
  • 駆虫対象:犬糸状虫(フィラリア)、ノミ・マダニ、犬回虫・犬小回虫・犬鉤虫・犬鞭虫
  • メーカー:Zoetis
つぶやきSuzyは宮古島からきた犬たちにはフィラリアが陰性であっても陽性であってもシンパリカトリオを投与するようにしています。
そのほかの商品

*は外部寄生虫対象外
**はフィラリア予防薬単剤(別途、マダニ・ノミの予防薬と内部寄生虫の駆虫薬の投与が必要)

フィラリア予防薬の選び方

フィラリアの予防薬には内服薬・滴下薬・注射薬の3種類の投与方法が用意されています。

なかでも、内部寄生虫・外部寄生虫の駆虫も同時にできる「複合型」(オールインワンタイプ)の内服薬が投与も簡単で有効性も高く人気があります。

家庭犬のフィラリア予防はこのオールインワンタイプ予防薬の内服による投薬がほとんどです。

オールインワンタイプのフィラリア予防薬のえらびかたについては以下の記事で詳しく解説しています。

オールインワン予防薬

各種オールインワン予防薬を比較しています

これからの生活が幸せならOK

保護犬たちの多くはこれまで生きてきた環境に恵まれなかった(=飼い主に予防医療をうけさせてもらえなかった)ために保護時すでにフィラリア症になってしまっている犬もいます。

しかし、多くのばあい、たとえフィラリア陽性になっていたとしても駆虫が完了(陰転)すれば普通の犬とほとんど変わらない生活を送ることができます。

この記事がこれからお迎えしようと検討している、またはお迎えした保護犬がフィラリア陽性だった場合の参考になればと思います。

参考サイト
おまけ:病気になっていなくても必要な、犬の予防医療一覧
  1. 狂犬病→ ワクチン接種(毎年1回)
  2. その他の伝染病→ 3~8種の混合ワクチン接種(毎年or3年ごと)
  3. フィラリア→ 5~12月、または通年の投薬(月1回)
  4. 外部寄生虫(ダニ・ノミ等)→ 通年の投薬(月1回)
  5. 内部寄生虫(回虫・瓜実条虫・コクシジウム等)→ 定期的な投薬(フィラリアと同時)
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Shizuka “Suzy” Ishida

Shizuka “Suzy” Ishida

2005年より東洋思想をベースにした「ごほうびにオヤツを使わない犬のしつけ方」を提唱。吠える・噛むの問題を抱えた小型犬のしつけを得意としていますが、保護犬の心のリハビリもしています。当サイトで提示しているしつけ方法はすべての犬に100%当てはまるものではありません。性格や状況によって対処方法はさまざまです。お試しになる際はあらかじめご理解のうえお願いいたします。

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