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ドッグラン・デビューのタイミングはいつ?

お散歩デビューをしたら、すぐにでも連れていきたくなる「ドッグラン」ですが、ちょっとまってください。

少なくとも、ぜひこの記事を読んでから、ドッグランへ行く計画を立ててください。

ドッグランとはどんなところか?

ご存じのとおり、柵で囲われた敷地の中で犬のリードを放して遊ばせてよい場所です。

公園やサービスエリア等に設けられている無料で利用できるものや、テーマパークやペット専用施設に設けられ、有料で使用できるものなどさまざまなものが全国各地にあります。

屋外タイプ
公園やサービスエリア等に設置されている無料で使用できるものをはじめとして、ほとんどのドッグランは屋外の土や芝の地面を柵で囲ったものがほとんどです。
水道や飼い主用のベンチなどがあり、なかには犬用の遊具が設置されているところもあります。

屋内タイプ
最近では、都心のビル内に冷暖房完備の屋内ドッグランがいくつかできているようです。
また、ペットと泊まれる宿のなかには、宿の屋内施設としてドッグランを設けているところもあります。

つぶやきたしかに、ペットOKのお宿に泊まっても雨が降ったら何もできないため、そうした飼い主さんの要望に応えたのかもしれません。

日本初の公営ドッグランは「昭和記念公園」

日本で最初にドッグランが整備されたのは、立川市の昭和記念公園です。

日本全国ほとんどの市町村の条例で、犬を公共の場所でノーリード(放し飼い)にしてはいけないと定められています。

しかし、公園や歩道をリードなしで歩かせる飼い主は、昔から全然減りません。

この昭和記念公園でも、公園内で犬をノーリードで遊ばせる飼い主たちがたくさんいて、放し飼いにされた犬に恐怖を感じる多くの利用者から公園にはたくさんのクレームが寄せられていました。

つぶやきノーリードの飼い主に恐怖を感じる利用者には「犬を飼っている人」も、もちろん含まれます。犬を飼っていても・飼っていなくても、飼っている犬が大きくても・小さくても、ノーリードで歩く犬は恐怖の対象なのです。

こうしたクレームを受けて、公園管理者は犬を放し飼いにする飼い主たちに注意をします。

しかし、犬の放し飼いをする飼い主たちは「犬を遊ばせる場所がないからだ」と言い訳をして、犬の「ノーリード」をまったくやめようとしません。

注意しても一向に改善が望めない昭和記念公園では、「犬立ち入り禁止」が検討されることになりました。

「不良飼い主」の隔離場所

しかし、昭和記念公園からマナーを守らない飼い主を追い出したところで、ほかの土地にそのしわ寄せがいくだけです。

公園の敷地の一部を柵で囲い、その中で犬を放し飼いにすることを認める代わりに、このような飼い主たちにマナー啓発をする場とすることを目的として、ドッグランをスタートさせたのです。

つぶやきSuzyは、「犬」ではなく、「飼い主」を閉じ込めるという発想がなるほど!と思わされました(笑)

Suzyは、日本以外の国々において、ドッグランが最初に設置された経緯については知りません。

しかし、少なくとも日本においては「犬のアニマルウェルフェア」のためでなく、ほかの公園利用者の安全・安心を守るために「不良飼い主」を閉じ込める目的で作られたのが「ドッグラン」の始まりなのです。

つぶやき犬のことを学んだ人たちは(貸し切りは別ですが)自分の犬をドッグランで遊ばせることはほぼないです。ドッグランでよその犬たちが見せる過度の興奮と恐怖のカオスが危険すぎるからです…。

ドッグランの質を左右するソフト面

昭和記念公園のドッグランが設置されて以降、現在まで20年以上にわたりずっと運営が成功している大きな理由は、柵で囲った場所というハード面の提供だけではなかったことです。

飼い主のマナー啓発・教育の場でもある

飼い主に対して決して押し付けにならないように配慮しながら、「犬を飼うための知識」を身につけてもらうというソフト面の提供もあったことが特徴です。

ドッグライフカウンセラーが、安全に犬同士が交流できるようドッグランの状況を監視しながら、犬同士の関わり方(ボディランゲージ)を教えて喧嘩を未然に防いだり、愛犬の排泄に気づいていない飼い主に対して、(機嫌を損ねないように)排泄に後始末を促すなどの助言を行なっていることが、ドッグランに集まる飼い主の「質」を高めているのです。

公園に集まる飼い主の「質」が変わる

ドッグランの利用を通じて、犬に関する知識が増えると、自然と飼い主の「犬の飼い方」に関する意識が変わってきます。

そして、飼い主の「質」が変わると、公園を利用する犬の飼い主たち全体の行動が次第に変わってきて、公園を利用する人たちが犬のことで恐怖や不安を感じることが減っていくのです。

心理学的には、良い「ピア効果」が発生したということになります。

なんでもアリの「無法地帯」それが「ドッグラン」の真実

ドッグラン立ち上げ当時の昭和記念公園のように万全の体制を備えたドッグランはごくまれです。ほとんどのドッグランは「ハード」(柵で囲っただけの場所+飼い主の要求により水道とベンチ、日陰が用意されている)の提供のみです。

ドッグランには、老若男女問わずあらゆる年齢の犬と飼い主が集まります。

そして、それぞれの経験値や犬に対する知識・常識もさまざまです。

その日、その場所に居合わせた犬たちが、

  • 優しいのか、
  • いじわるなのか、
  • 気が合う相手なのか、
  • 合わない相手なのか

によって、

  • 楽しい気持ちで過ごせるのか、
  • 死ぬほど怖い目に遭ってしまうのか、

分からないのが「ドッグラン」なのです。

つぶやきこのため、飼い主さんにはドッグランは「クラブデビュー」する(楽しめるかもしれないし、喧嘩に巻き込まれて刺されるかもしれない)と思って行くようにとお話ししているくらいです(それでも行きたいか?ということ)

飼い主の「ドッグラン」あるある

しつけ教室やプライベートレッスンで、飼い主さんからドッグランでの経験についてお話を聞くことがたくさんあります。

愛犬が犬嫌いになったきっかけとしてよく聞く、ありがちな飼い主のミスを2つご紹介します。

公園デビューと勘違いしがち

飼い主さんはドッグランのことを「乳幼児の遊ぶ公園」のようにイメージして、ドッグランデビューに夢を見がちです。

しかし、ドッグランに集まるのは、「乳幼児」だけではないということを理解しておかなければなりません。

先ほど、「ランの質を左右するのはソフト面である」として、昭和記念公園のドッグランのケースをお話しました。

日本で最初に導入されたドッグランは、その文化を安全なものとして定着させるためにソフト面に力を入れました。

しかし、現在、日本各地に存在するドッグランにはそのようなソフト面の提供はほとんどありません。

それぞれの飼い主の「常識」にゆだねられて、運営されているのが現状です。

つぶやき公営のドッグランでは、事前登録制にして飼い主の事前講習を義務付け、飼い主に最低限の共通ルールのすり合わせをおこなっているところもあります。それでも、飼い主同士のトラブルが絶えず、公園担当者は胃を痛めています…。

入場料の元を取ろうとして失敗しがち

しかし、多くの飼い主は、せっかく高い入場料を払ったのに愛犬がちっともドッグランを楽しまないことに憤慨して、ドッグランのなかで無理やり長居をさせようとします

無理やりドッグランに閉じ込められた愛犬は、どんどん他の犬が嫌いになります。

他の犬を克服させようとして愛犬をドッグランにぶち込んだ結果、余計に愛犬の犬嫌いを悪化させてしまい、しつけ教室に相談に来られる飼い主さんが、じつはとても多いのです。

つぶやき決して、ほかの犬になれさせようとしてドッグランに連れて行かないでください。連れていくなら、パックウォークに連れていきましょう。

どうしてもドッグランに行きたければ…

それでも、ドッグランに入れたいと思ったら、以下の手順を踏んで安全に利用しましょう。

最低限、飼い主に犬語を読み取るスキルが身に付いてから

飼い主が複数の犬が発するボディランゲージを同時に読み取ることができない状態で、愛犬をドッグランに入れることは非常に危険です。

ドッグランで愛犬を他の犬たちと交流させたいと考える場合、まずは飼い主自身が自分の犬とよその犬のボディランゲージを正しく読み取るスキルを身に付けてからにしましょう。

そうでなければ、愛犬のヘルプサインを見逃した結果、愛犬を犬嫌いにしてしまうことにもなりかねません。

そうなってしまっては、何のためにドッグランに連れて行ったのか分からなくなってしまいます。

遊びに混ざるまでのステップ

一直線にドッグランへ興奮MAXでやってきて、柵の中へ入るなり、すぐにリードを放してしまう飼い主さんが少なくありません。

興奮のしすぎはトラブルを引き起こします。

ドッグランに入る前に、飼い主も愛犬もいったんクールダウンし、先に中にいる群れを冷静に観察することが先決です。

  1. 柵の外周をリードをつけたまま1周する
  2. リードをつけたまま柵の中に入る
  3. (リードをつけたまま)中にいる犬全員に匂いを嗅いでもらう
  4. (仲良く出来そうだったら)リードを外す

愛犬は群れの洗礼を受けることに耐えられる?

先にドッグランで遊んでいた犬たちは、すでに群れになっています。

後から来た犬は新入りです。

新入りを受け入れて、遊びの仲間に入れるかどうかは、先に遊んでいた犬たちが決めることでもあります。

このとき、先に遊んでいた犬たちに受け入れてもらえる挨拶ができるかどうかもとても重要です。

全ての犬と仲良くできるわけがない

人間同士だって、大人になれば誰とでも楽しく仲良く遊べるわけではありませんね。

それと同じように、こちらが礼を尽くして挨拶をしても、仲良くできない相手がドッグランにいることも、ちっとも珍しいことではありません。

そんなとき、いったんドッグランを出てドッグランのメンツが入れ替わるのを待つか、その日は諦めて帰る選択も必要です。

ドッグランのお得な活用法

愛犬がドッグランが苦手なら仕方がないと、ドッグランに近寄らない選択をする飼い主さんは素晴らしいですが、ほかの犬の飼い主さんとの交流も楽しみたい方にとっては、ドッグランは諦めきれない場所のようです。

じつは、飼い主と愛犬がお互いに妥協点を見つけて、ドッグランを楽しむ方法があります。

柵の外から無料でしつけに活用できる

それは、柵の中には入らず、柵の外からドッグランを楽しむのです。

ほとんどのばあい、柵の中に入るのにはお金がいりますが、柵の外にいるぶんには、お金は要らないのではないでしょうか?

犬のボディランゲージの観察・研究

まず、愛犬のリードはきちんと短くもち、ほかの犬が近づいてきたときにきちんと対応できるようにしておきます。

そのうえで、柵の中にいる犬たちの行動をひたすらに観察するのです。

バラバラに見るのではなく、1頭の犬に狙いを定めて、その犬と他の犬たちとの関わりを観察します。

なにかが起きたとき、その直前に「どのような行動があったか」、「誰が、どんな表情をしていたか」などを観察します。

犬同士の挨拶の練習

柵の外にいる自分たちのところに、柵の中で遊んでいる犬が興味をもってこちらへやってくるかもしれません。

そうしたら、愛犬を保定して、相手のワンちゃんに柵の向こうからお尻の匂いを嗅いでもらいます。

相手のワンちゃんも、匂いを嗅がせてくれたらラッキーです。

柵を挟んで数十頭のワンちゃんと匂い嗅ぎの挨拶ができるようになっていれば、柵の中へのデビューも比較的スムーズにできるようになっているはずです。

ほかの飼い主との交流

ドッグランの柵の外にいれば、絶対に柵の出入りをする飼い主さんたちが話しかけてきます。

ほかの飼い主さんたちとの交流を楽しみたいあなたの目的も達成できます。

お互いにリードをつけた状態で、愛犬同士の挨拶もできます。

まとめ

ドッグランは、われわれ人間が子ども時代にだれもが遊んだ「公園」ではありません。

また、仮に子犬の時代にドッグランを楽しんでいたとしても、成犬になったら楽しいと思わない、落ち着いた性格に成長することがほとんどです。

ドッグランはどんな犬でも必ず行くべき場所というわけではないのです。

ドッグランは、犬によって向き不向きのある場所です。

仮に、ドッグランに向いていたとしても、その犬の悪い特性を助長してしまうこともあります。

とくに、良く吠える、興奮しやすいなど、落ち着きのないワンちゃんの扱いに困っている飼い主さんは、愛犬をドッグランに連れて行くのは逆効果です。

つぶやきどんな犬でも必ず行くべき場所は、しつけ教室とパックウォークです!その2つには、必ずお金と時間を投資してくださいね。
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Shizuka “Suzy” Ishida

Shizuka “Suzy” Ishida

2005年より東洋思想をベースにした「ごほうびにオヤツを使わない犬のしつけ方」を提唱。吠える・噛むの問題を抱えた小型犬のしつけを得意としていますが、保護犬の心のリハビリもしています。当サイトで提示しているしつけ方法はすべての犬に100%当てはまるものではありません。性格や状況によって対処方法はさまざまです。お試しになる際はあらかじめご理解のうえお願いいたします。

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