ジアルジア(Giardia)
ジアルジアは小腸に寄生する原虫で犬に水様性の下痢を引き起こします。
とくに不衛生な環境にいる犬は感染リスクが高いことから衛生状態の悪い繁殖場からやってきた子犬や保護犬において頻繁にみられます。
感染経路
ジアルジアは汚染された水や食物を摂取することで感染します。
ジアルジアのおもな感染経路は以下のとおり。
糞口感染
ジアルジアは糞便を介して水や食物に広がります。
それを経口摂取することで感染します。
人にも感染する「ジアルジア」
人間も感染した犬との接触のほかジアルジアで汚染された食事や飲み物などを介して感染します。
ヒトが感染すると「ジアルジア症」として下痢、腹痛、悪心などの消化器症状が現れます。
とくに免疫力の低い人や子どもにとっては重症化しやすいです。
症状
ジアルジアに感染した犬が示すおもな症状には以下のようなものがあります。
- 水様性下痢
- 悪臭のある便
- 嘔吐
- 食欲不振
- 体重減少
感染が分かったら
治療と清掃の2つの対応が必要となります。
駆虫薬の投与
ジアルジアの感染に対する治療には抗原虫薬の投与を行います。
以下に、ジアルジアの駆虫に使われるおもな駆虫薬を挙げます。
- メトロニダゾール
- フェンベンダゾール
メトロニダゾール
抗生物質でジアルジアに対してよく使用されます。
7日間程度の投与が一般的です。
フラジール500mg
フラジールの成分であるメトロニダゾールは抗原虫薬、抗菌薬のひとつです。
犬や猫などのペットに見られるジアルジア(ランブル鞭毛虫)症の治療薬として用いられます。
長期的な慢性の下痢、嘔吐の症状である炎症性腸疾患の治療にも効果が期待できます。
フラジールはジアルジア原虫のDNAを損傷・死滅させ体外へ排出させる働きを持っており体内免疫機能を調整する作用があります。
メトロジール200mg(フラジールジェネリック)
メトロジールの成分であるメトロニダゾールは抗原虫薬、抗菌薬のひとつです。
犬や猫などのペットに見られるジアルジア(ランブル鞭毛虫)症の治療薬として用いられます。
長期的な慢性の下痢、嘔吐の症状である炎症性腸疾患の治療にも効果が期待できます。
メトロジールはジアルジア原虫のDNAを損傷・死滅させ体外へ排出させる働きを持っており、体内免疫機能を調整する作用があります。
エラディア(125mg/ml)犬用
エラディア(Eradia)の有効成分メトロニダゾールは抗原虫薬、抗菌薬のひとつでペットに見られるジアルジア(ランブル鞭毛虫)症の治療薬として用いられます。
エラディア(Eradia)はメトロニダゾールを有効成分とする抗原虫薬です。
ジアルジアのDNAを損傷・死滅させ体外へ排出させます。
フェンベンダゾール
広範囲の寄生虫に効く駆虫薬としても有効でジアルジアの治療にも使用されます。
通常3〜5日間の投与が必要です。
フェンベンダゾールを含む駆虫薬の一部は個人輸入で購入することも可能です。
パナクールKH 250ml
パナクールは犬と猫両方に使用できる内部寄生虫駆虫薬です。
犬・猫の回虫、鉤虫などの内部寄生虫を駆除します。
直接口の中に投与するほか食餌に混ぜることで簡単な投与が可能です。
パナクールオーラルペースト(Panacur)
パナクール18.75%オーラルペーストはフェンベンダゾールの働きによりジアルジア症や肺吸虫症などに効果が期待できます。
犬や猫の消化管や呼吸器に寄生している線虫類の幼虫と成虫に対応し経口投与させるタイプの駆虫剤です。
投与しやすいシリンジタイプで生後6カ月未満の子ネコや子イヌにも使うことができます。
エサを食べ終えた犬や猫の舌背(舌の表の部分)に適量のペーストをシリンジから押し出して投与します。
清掃・消毒
このほか、感染が分かったら再感染を防ぐために室内の清掃や消毒をすることも重要です。
ジアルジアにアルコールは効かない
5%の次亜塩素酸ナトリウムを30倍薄めた液は有効とされています。
塩化ベンザルコニウムを含む洗剤もジアルジアの消毒が可能といわれています。
消毒したい表面に5~20分は消毒液が留まるようにすると消毒効果が高まります。
まとめ
ジアルジアは汚染された水や食物を摂取することで感染し、とくに不衛生な環境での感染リスクが高いです。
糞便を通じて広がり人にも感染します。
おもな症状は水様性下痢、嘔吐、体重減少で、駆虫薬としてメトロニダゾールやフェンベンダゾールが使われます。
投薬と併せて室内の清掃と消毒が重要で次亜塩素酸ナトリウムや塩化ベンザルコニウムを用いた消毒が推奨されます。
予防方法
愛犬をジアルジアをはじめとした寄生虫感染症にさせないためには以下の対策が必要です。
室内環境衛生
日ごろからの室内の清掃や消毒も大切です。
飲み水をこまめに取り換えたり、室内トイレでの排泄に気づいたら速やかに片づけ定期的に消毒もしておきます。
また、犬用の敷物やベッドなどはこまめに抜け毛を取り除いたり洗濯して清潔に使います。
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放置ウンチは危険だと知る
お散歩ルートに放置されている犬のウンチには多くの寄生虫の卵や幼虫が含まれている可能性がります。
時間が経つほど寄生虫の量が増えたり、感染力が高まるものもあります。
放置ウンチは巡り巡って自分の愛犬の健康を損なうということを飼い主一人ひとりが肝に銘じる必要があります。
拾い食いにも注意
水たまりや川の水など不衛生な水も感染源ですので飲ませないように気をつけます。
また、放置ウンチの匂いを嗅がせたり食べさせてしまわないように、お散歩中は愛犬のリードを短くもち、十分な注意を払いながら歩くことが大切です。
効果的なお散歩にするための「5つ」のポイント
わたしたち飼い主が愛犬を毎日お散歩に連れていくのは、排泄や運動をさせることだけが目的ではありません。犬を散歩させるという行為には、ほかの犬や人との交流をとおして社会性を身につけたり、飼い主とともに行動をすることで双方の信頼関係を深めたりするといった、犬の心を育てる効果もあるのです。し...
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