狭い場所は可哀そうだといって、だだっ広いスペースを室内に用意している飼い主さんもいます。
しかし、犬たちは人間とは狭い場所に対するとらえ方が異なります。
それは、かえって愛犬を不安にさせているのです。
犬の安全基地、それはクレート
野生時代の犬たちは、山の中にある洞穴のなかが休息の場所でした。
今でも、狭くて暗い場所に入っているほうが気もちが落ち着くのが本来の姿です。
一定の時間内であれば、犬を狭いところに入れておくことは何ら可哀そうなことではないのです。
クレートで「一晩眠れる」は重要なしつけ
愛犬が生後6か月を過ぎたら、一晩(8時間程度)クレートの中で就寝できるように「クレートトレーニング」を始めます。
扉を閉めたクレートのなかで安心して眠ることが習慣になれば、家族旅行への同行が可能になったり、災害時の避難ではより家族の近くにいることができたりと、愛犬と家族が一緒に行動できる範囲がグンと広がります。
まず、クレートを用意しよう
犬を我が家へ迎えたその日から、安心してくつろげる自分だけのスペースとしてクレートを用意してください。
「枕が変わると眠れない」という言葉がありますが、これは犬にとっても同じです。
環境が変わって不安なときも、慣れた寝床があれば安心して休むことができます。
その結果、新しい環境に早く馴染むことができるのです。
クレートを選ぶ方法
いろいろな材質、形状のクレートが販売されていますが、購入する際はどのような基準で選べばよいのでしょうか?
クレートは材質によって、ハードとソフトに二分されます。
材質による特徴のちがい
クレートの材質はおもに以下の2種類があります。
- 布製のソフトタイプ(ソフトケージと呼ばれることも)
- プラスチック製のハードタイプ
ケージの例↓
布製クレートの特徴
布製のクレート(ソフトケージ)には、以下のような特徴があります。
- 軽いので持ち運びが楽
- 折り畳み可能で収納する際にスペースをとらない
- 衝撃に弱いため輸送には不向き
人間の赤ちゃん用のベビーサークルをイメージすると用途がわかりやすいかもしれません。
ベビーサークルのイメージ↓
プラスチック製クレートの特徴
プラスチック製のハードタイプのクレートには以下のような特徴があります。
- 布製に比べて頑丈なため外部からの衝撃の影響を受けにくい
- IATA(国際航空運送協会)の基準を満たす商品であれば空輸にも使える
- クレートを縦に積むことができるため避難生活の際はスペースを有効に使える
まずはハードタイプを
最初の1つ目として、まずは航空輸送可能なハードタイプのクレートをお勧めします。
災害等で避難が必要になった際、クレートやケージを積み上げてペットの居場所を確保することもあります。
このとき、布製のソフトケージではつぶれてしまうため受け入れてもらえなくなります。
ハードタイプのクレートは、飼い主なら1頭につき一つは必ず持っておきましょう。
ハードタイプの選び方
IATA(国際航空運送協会)という団体が動物の航空機輸送に関する基準を策定しています。
そして、それを各航空会社がウェブサイトで分かりやすく紹介しています。
日本の航空会社ではANAがペットの輸送にかんして詳しい情報を提供しています。
上記のANAのウェブサイトで紹介されている寸法を参考に、購入するクレートのサイズを選ぶと良いでしょう。
お勧めできないハードタイプも…
これまでに数多くの生徒さんたちに、レッスンを開始するにあたり愛犬にクレートの購入をお願いしてきました。
しかし、口頭での説明で意図が正確に伝わらず、飼い主さんが誤って購入してしまいがちなタイプや、実際に利用してみて使い勝手が悪かったタイプのクレートがあります。
- 天井部分がスケルトン(開く)クレート
- 空輸に対応していないクレート
- 天井がドーム型になっているクレート
- プラスチックが薄く割れやすいクレート
- つなぎ目が外れやすいクレート
以下、詳しく解説します。
天井部分がスケルトン(開く)タイプは「猫用」
猫は犬のように自分からクレートに入ることは少なく、病院に連れていくためには飼い主が猫を抱き上げて上から入れて使います。
そして、病院の診察台の上で上蓋を開けて猫を取り出して使うため、猫にとっては使いやすい仕様のクレートです。
しかし、犬は猫のように身体が柔らかくないので上から出し入れすることが難しいです。
また、犬は指示をすれば自分からクレートに出入り(できるようにしつけをすることが)できます。
そして、犬は天井から外が見えると落ち着かないため、むしろ上から外が見えないように、タオルなどをかけてあげるほうが良いくらいです。
このように、猫と犬では習性がちがうため適したクレートの仕様も変わってきます。
猫向きタイプのクレートの例↓
Amazonではベストセラーになっていますが、需要は猫だと思います。
空輸に対応していないクレート
せっかくの安全基地ですから、愛犬のクレートは頑丈であるに越したことはありません。
いつ何時、飛行機に乗ることになるかわかりません。
飛行機に乗らなければならない事態になったとき、ほかの犬の匂いがついた初めてのクレートに入れられて轟音の中で過ごすことは、犬にとって恐怖でしかありません。
空輸対応だからといって値段が上がるわけではありませんので、1つは空輸に対応しているクレートを用意しましょう。
天井がドーム型になっているもの
ドーム型のクレートは、飛行機に乗る際に条件に合致しないことがあります。
また、避難所等に避難する際にも飛行機と同じ条件がつくことがあるため、これから購入するというばあいは、わざわざドーム型を購入することはお勧めしません。
ドーム型クレートの例↓
プラスチックが薄く割れやすいもの
ペット用品を揃えるにはコストがかかるため、出来るだけ安いもので済ませたいと思ってしまいます。
しかし、あまりにも価格の安いものは強度がありません。
ちょっとぶつかったら割れてしまったなどということがないように、あるていどしっかりした物を購入しましょう。
つなぎ目が外れやすいもの
また、価格の安いクレートのなかには、つなぎ目の強度が頼りない物もあります。
IATA(国際航空運送協会)基準のクレートであっても、パーツのかみ合わせが悪かったり、大きさに対して薄い・軽い・安すぎるものは壊れやすいかもしれません。
成長に合わせた買い替えも大切
犬が生まれてからの1年間は、人間の赤ちゃんとは比較にならないほど大きく成長します。
子犬時代に購入したクレートは(ある程度大きめのものを購入してあっても)あっという間にサイズアウトします。
いくら狭いところが落ち着くといっても、あまりにも窮屈なものに閉じ込めると成長期に骨格をゆがめることにもなりかねません。
先にご紹介した航空会社のウェブサイトを参考に、今使っているクレートが小さくなっていないか確認しましょう。
ドッグトレーナーお勧めのクレート
ひとくちにハードタイプのクレートといっても、その仕様は商品によっていろいろです。
迷ってしまう方には以下のクレートをお勧めします。
アイリスオーヤマ:エアトラベルキャリー
飛行機での輸送にも十分耐えられる頑丈さにくわえ、高さもあって他社製品と比べ犬が立ち上がった時の窮屈さも少ない形状です。
付属の六角レンチで組み立てます。
トビラが左右どちらからでも開けられるため、置き場所の自由度が高まるので便利です。
そして、アイリスオーヤマということで価格も他のメーカーに比べてお手頃です。
エアトラベルキャリーについての詳細は、以下のページで詳しく解説しています。

クレートを買ったら次はトレーニング
単にクレートを用意しただけでは、犬はクレートを自分の休む場所であるとは理解しません。
飼い主の指示で入り、許可があるまで中にとどまっていられるようにするためには、クレートトレーニングが欠かせません。
どのようにクレートトレーニングをしていくかは、別記事で紹介したいと思います。
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