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嗅ぎ逃げは犬社会のマナー違反!飼い主が教えるべき「礼儀正しい挨拶」の基本とは

嗅ぎ逃げは「情報泥棒」!犬社会のルールを教えるのは飼い主の義務

自分は嗅いでおいて、嗅がせない――
それは犬社会では「情報泥棒」
愛犬のマナーの良しあしは、あなたの導き方で決まります

犬の世界には、犬同士にしか分からない“礼儀”や“社会のルール”があります。

なかでも、飼い主が意識しないまま放置してしまいがちなのが「嗅ぎ逃げ」(かぎにげ)という行為です。

愛犬が相手の犬の匂いをしつこく嗅いだあと、「ウチの子は怖がりで」、「他の犬が苦手で」と言い訳しながら、相手の犬には愛犬の匂いを嗅がせずに立ち去る――。

それ、じつは犬社会ではとても失礼なマナー違反なんです。

この記事では「嗅ぎ逃げ」がなぜ問題なのか、そして飼い主がどんなふうに愛犬に“犬社会の挨拶”を教えていくべきかを、ドッグトレーナーの視点でSuzyが詳しく解説します。

 1. 「嗅ぎ逃げ」とは?犬社会のタブー行為

「嗅ぎ逃げ」とは、自分は相手の匂いをしつこく嗅ぐのに、自分の匂いは絶対に嗅がせない――そんな行為を指します。

この行為は、犬社会において「情報を奪うだけ奪って、自己開示を拒む」態度にあたり、相手に強い不快感や警戒心を与えます。

犬にとって「お尻の匂い」は、その犬の性別・年齢・発情状態・健康状態・気分といった“個人情報のすべて”が詰まった名刺のようなものです。

相手の匂いを嗅ぐということは「あなたのことを詳しく知りたい」という自己紹介の一部なのです。

ところが、自分だけ相手を嗅いでおきながら、嗅がせずに逃げる――。

これを人間社会に置き換えると、次のような状況になります。

 あなたに初対面の人が近づいてきて、
いきなり「年収」「家族構成」「職業」などを根掘り葉掘り聞き出し、
名乗ることもなく立ち去った…

どうでしょう。

腹が立ちますし、ちょっと怖いですよね。

犬社会でも同じです。

嗅ぎ逃げは「情報泥棒」。

相手の犬にしてみれば、“不審者”が勝手に自分の情報を奪い取っていったようなものなのです。

2. 「うちの子は怖がりだから」は言い訳にならない

散歩中によく見かけるのが、相手の犬の匂いを嗅ぐまでは積極的なのに、いざ自分の番になると急に座り込んでお尻を隠してしまう犬。

飼い主は「怖いのね」「無理させないようにしよう」と思ってしまいがちです。

しかし、じつはこれはズルい防衛行動であることが多いのです。

たしかに、犬が座る行為には「敵意はない」「落ち着いてほしい」といった意味が込められている場合もあります。

けれども、嗅がれるのを避けるためにお尻をブロックして座る犬も少なくありません。

これは「自分の情報は渡したくないけれど、相手の情報はほしい」という自分本位な行為であり、本来の犬社会のルールに則った挨拶とかけ離れた行動です。

飼い主が「ウチの子は怖がりだから仕方ない」と受け流してしまうと、犬は「この振る舞いは正しいんだ」と間違った学習をしてしまいます。

結果的に、いつまでたっても他犬との関係の作り方を学べず、お散歩中など、ほかの犬と接近する状況において、常にトラブルが発生する状態になってしまいます。

3. 嗅ぎ逃げを放置するとどうなる?

そしてもうひとつ深刻なのが、「嗅がせない」犬ほど、ほかの犬とトラブルを起こしやすいという事実です。

嗅ぎ逃げを繰り返す犬は、ほかの犬に嫌われやすく喧嘩を招きやすい傾向にあります。

相手からすれば、「自分の情報だけ一方的に抜き取られて立ち去られた」という不快な体験をさせられるからです。

こうして、ほかの犬と関わるたびにうまくいかないことが積み重なると、

自分の犬はどんどん犬が嫌いになりますし、ワンちゃんを連れてお散歩をしているほかの飼い主は、あなたの犬を避けるようになります。

こうして、結果的に愛犬が孤立していくことさえあるのです。

嗅ぎ逃げする犬は、自分は相手の匂いを嗅ぐことで情報を得ているため、相手に対して優位に立った気になり、突然吠えたり噛みつくなどの攻撃的な態度を示すことも少なくありません。

4. 礼儀正しい挨拶を教えるのは「飼い主の義務」

犬同士の礼儀を理解し、正しい挨拶の仕方を身につけさせるのは、飼い主の責任です。

犬任せにしていても、残念ながら飼い犬たちが自然に学べる環境はほとんどありません。

むしろ、間違った経験を積み、間違った行動習慣を身につけてしまうリスクの方が高いのです。

嗅ぎ逃げタイプの犬にとって大切なのは、「自分が嗅ぐ前に相手に嗅がれる」という経験を積ませること。

具体的には、以下のように練習します。

1. 他の犬と会ったとき、相手の犬に対して興味を持ち、匂いを嗅ぎたがったら、飼い主が愛犬を保定する。

2. 相手の犬が先に匂いを嗅げるように、保定したまま相手の犬にお尻を向けて待つ。

3. そのあとで、相手の犬が落ち着いたタイミングで、自分の犬にも相手の犬の「お尻の匂い」を嗅がせてもらう。

こうすることで、「まずは自己紹介から」という犬社会の基本マナーを自然に学ばせることができます。

犬同士の正しい挨拶の方法は、以下の記事で詳しく解説しています。

犬同士の挨拶は“自由”ではなく、飼い主が“誘導”して教えるもの。

ここを誤解している飼い主が非常に多いのです。

5. 「世間知らずの過保護犬」にしないために

「うちの子は優しい」「怖がりだから守ってあげたい」と思う気持ちは誰にでもあります。

でも、守りすぎることが、犬を“世間知らずの過保護犬”にしてしまうことがあります。

犬もあなたと同じ社会の中で生きています。

人間が礼儀や挨拶を学ぶように、犬にも社会のルールがあり、これを学ぶ必要があります。

飼い主がそれを理解しないまま「うちの子ルール」で育ててしまうと、犬はほかの犬から受け入れられなくなり、結果として孤立したり、攻撃的になったりしてしまいます。

愛犬が社会のなかで安心して暮らしていくためには、飼い主が犬社会の常識を代弁できる存在になることが大切です。

嗅ぎ逃げは、「怖がり」ではなく「マナー違反」です。

飼い主がその意味を理解し、愛犬を正しい方向に導いてあげましょう。

6. まとめ:嗅ぎ逃げさせない。これが愛情!

嗅ぎ逃げは、犬社会の重大なマナー違反です。

自分だけが相手の情報を奪っておきながら、自分の情報は相手に開示しない行為は「情報泥棒」そのもの。

そして、嗅ぎ逃げをさせる代わりに、礼儀正しい挨拶の仕方を教えるのは、ほかでもない飼い主の役割です。

  • 正式な挨拶=「お尻の匂い」を嗅ぎあう(顔ではない)
  • 嗅ぎ逃げ=「情報泥棒」
  • 教えるのは誰=「飼い主」(犬の親から引き離したため)

怖がりでも、臆病でも、相手の匂いを嗅ぐのであれば、絶対に避けることはできません。

どんな性格であったとしても、大切なのは犬同士の正しい関わり方を身につけることです。

嗅ぎ逃げをせず上手に自己開示できる犬は、ほかの犬から信頼され、尊敬されます。

愛犬が犬社会のなかで、“常識があり、信用できる存在”と認められ、楽しく暮らしていけるように、今日から愛犬の導き方を、ほんの少し見直してみてください。

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Shizuka “Suzy” Ishida

2005年より東洋思想をベースにした「ごほうびにオヤツを使わない犬のしつけ方」を提唱。吠える・噛むの問題を抱えた小型犬のしつけを得意としていますが、保護犬の心のリハビリもしています。当サイトで提示しているしつけ方法はすべての犬に100%当てはまるものではありません。性格や状況によって対処方法はさまざまです。お試しになる際はあらかじめご理解のうえお願いいたします。