保定とは?
「保定」とは、人間が犬の身体を抱きかかえて、犬が自由に身動きを取れないようにすることです。
この保定ができることは、犬のしつけ3原則の「愛犬の命と健康を守る」を実践するために、まず最初に飼い主ができるようになるべきことです。
愛犬にしつけをする第1の目的は、ずばり「愛犬の命と健康を守るため」です。これをお話すると、「ソンナノ、アタリマエジャン…」と、拍子抜けされる飼い主さんがほとんどです。ですが、その飼い主さんが「愛犬の命を守るしつけ」が、ちゃんとできているかというと、そうじゃなかったりします。た...
このため、Suzyのドッグトレーニングでは、まず最初に愛犬との関係づくりの一環として「保定」の練習からスタートしています。
どんなときに使うの?
保定はただ単にトレーニングとして行なうだけではなく、実生活においても必要になる場面があります。
- 動物病院で診察を受けるとき
- 犬同士で挨拶をするとき
動物病院で診察を受けるとき
病院で診察を受けるとき、じっとしていられなければ、きちんと診てもらうことができません。
このため、動物病院で診察や処置を受ける際、動かないように看護師さんが犬を押さえます。
しかし、心臓がバクバクしすぎていたら、聴診で病気を見落としてしまうかもしれません。
このため、愛犬がもっとも信頼して身を任せることができる人間である「飼い主」が、保定できることが大切になります。
犬は飼い主と心拍をシンクロさせる生き物です。
愛犬が興奮しているときは、飼い主が自身の身体を密着させて、自身の心拍を愛犬に感じ取らせることで、愛犬の心も鎮まり落ち着いていられるようになります。
獣医さんの診察中、平常心でじっと立っていられるよう愛犬に教えることは、「愛犬の命と健康を守る」ため必要なことです。
Emotional Contagion From Humans to Dogs Is Facilitated by Duration of Ownership書誌情報Katayama M, Kubo T, Yamakawa T, Fuj...
犬同士で挨拶をするとき
本来、犬同士の礼儀正しい愛犬は、お尻の匂いを嗅ぎあうことです。
しかし、どちらが先に相手の匂いを嗅ぐのか、お尻でなく顔の匂いを嗅ごうとするなどで、犬同士が諍いになることが少なくありません。
お散歩中にほかの犬とすれ違う際に、飼い主が保定して相手の犬にお尻を差し出して匂いを嗅いでもらうことで、犬同士の挨拶が上手になっていきます。
喧嘩にならずとも他の犬に嫌われる行為であることに変わりはなく、飼い主が責任をもって態度を改めさせる必要があります。
こうしたケースでは、先に相手の匂いを嗅がせず、飼い主が保定して相手の犬に先にしっかりと匂いを嗅いでもらう経験を積みます。そうすることで、自分から自己紹介をするほうが良いのだということを教えていきます。
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保定のやり方
- 犬を四つ足で立たせ、後ろ足の付け根と顔に腕を回して、自分の身体に引き付けます。
- 犬の顔が後ろを向かないよう、頬っぺに手を当てて自分の肩にしっかり引き寄せます。
- 少なくとも後ろ足はしっかりと床につけて安定させます。
- そのまま、犬が力を抜いて身を任せるまでじっと待ちます(このとき、ゆすったり、ポンポン叩いたりしない)
- そのままの状態をキープします。犬に逃げられないようにしっかりとホールドします(15~60分間程度)。
- 犬が力を抜いていて、逃げ出そうとしていないタイミングで「ヨシ、良いよ」と解除の合図をかけて手を放します。
左右の手の位置と持ち方が重要なポイントです↓

Tips●力が強すぎると犬は余計に逃げ出したくなるため、犬がかけてきただけの力をかけ返す程度の力加減にします。
●保定の際、犬が自分の意思で自由になれてしまうと意味がないため、絶対に逃げられないようにしっかりとキープし続けます。
●このとき、絶対にあきらめないことが、犬の信頼を勝ち取ります。
まとめ
嫌なことや苦手なことは、なんでも避ければ良い訳ではありません。
心身の健全性に必要なことであれば、少し我慢して乗り越えるのは必要なことです。
また、犬は自分の好き嫌い(やりたい・やりたくない)よりも、飼い主の好き嫌い(してほしい・してほしくない)を優先する生き物であり、さらには、飼い主と心拍数をシンクロさせる能力を持っています。
飼い主が愛犬の保定をマスターすれば、愛犬が興奮したり、緊張してしまう場面でも愛犬の気持ちをスーッと落ち着けてやることができます。
保定を使って飼い主と一緒に苦手を乗り越える経験を積み重ねることで、愛犬の心の器が広くなり、穏やかで堂々とした犬に成長することができます。
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